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保険薬局薬剤師のための もうビビらない! がん関連処方への対応術
宮田 佳典 (監修) / 中信がん薬薬連携推進 ワーキンググループ (編) / 南山堂
商品情報
内容
がん関連薬の外来処方が増えているが,保険薬局では収集できない患者情報があり,消極的な対応になってしまうケースがある.本書では,処方箋や患者との会話など“薬局で得られる情報”をもとに,がん領域の臨床推論から抗がん薬の服薬指導,副作用マネジメントまで解説.薬局の生の声を取り入れて作った,現場で本当に使える本!
序文
がん関連の処方箋をみた時,"ビビったこと"はありませんか?「中信がん薬薬連携推進ワーキンググループ(W. G. )」では,「ビビらずにがん関連の処方箋を応需する」を合言葉に勉強会を立ち上げました.本勉強会は,長野県薬剤師会会営薬局 村田稔弥先生が松本薬剤師会会員に行ったアンケート調査の結果に基づき企画しています.
① 処方箋から患者の病態・レジメンなど患者背景を推測すること
② レジメンと副作用の関連付け,副作用の対処方法を理解すること
③ 適切な服薬指導の方法を身に付けること
に重点を置き,また「ビビらずに患者指導できる」をコンセプトとした内容にしました.勉強会では,仮想処方箋を用い,グループディスカッションを通して知識を深めるだけでなく,「地域のレベルアップ」や「顔の見える関係」を構築するように努めています.
さらに,勉強会を重ねるうちに「こんな患者指導ツールがあったらいいよね」と意気投合し,作成メンバーを勉強会参加者から募り,その制作に取り組みました.
これらの活動内容を日本臨床腫瘍薬学会学術大会2017(第6回)で発表したところ,ご評価いただくとともに,出版の機会をいただきました.
本書は,勉強会の内容をベースに編纂し,以下3点をポイントに作成しました.
① 処方箋受付後,患者さんに薬を渡すまでパパっと最低限の情報を収集する(第1章)
② 代表的な副作用対応を把握する(第2章)
③ 患者さんがお帰りになってから,Q&Aでゆっくり知識を深める(第3章)
出版にあたり,勉強会の講師の先生方にも執筆いただきました.この場を借りて御礼申し上げます.
読者にとってより良い本になるよう,アドバイスいただきました淺野未代子先生はじめ,ほんじょう薬局の先生方に感謝申し上げます.そして,日頃から勉強会の企画運営にご協力いただいている村田稔弥先生,中信がん薬薬連携推進W. G. スタッフ,各ツールのW. G. の皆さま,ありがとうございます.また,遡れば勉強会の立ち上げの段階から今まで,ひろおか薬局清水 誠先生はじめ佐久薬剤師会の先生方,佐久医療センター腫瘍内科 がん診療センター長宮田佳典先生,薬剤部 杉山昌秀先生など,多くの方々に大変お世話になりました.さらに,中信がん薬薬連携勉強会にご理解・ご支援いただいております松本薬剤師会会長 加賀美秀樹先生や松本薬剤師会の皆様,信州大学病院薬剤部長 大森 栄先生,相澤病院院長補佐 保科滋明先生,薬剤センタースタッフに深謝いたします.
最後に,出版作業に親切にご対応くださいました南山堂の山田歩様,編集長の古川晶彦様に御礼申し上げます.そして,本書のメインキャラクター「スパーテルちゃん」を描いてくれた妻に感謝いたします.
スパーテルちゃんと一緒に不安をスパッと解決し,ビビらずに患者指導できるような一冊になりますように.
2019年早春
社会医療法人財団慈泉会 相澤病院薬剤センター センター長
三浦 篤史
目次
第1章 ビビらない 服薬指導
・「ビビらない 服薬指導」の読み方
1 処方箋から疾患名・レジメンを推測しよう① -カペシタビン-
「カペシタビンがある.何のがんだろう? 併用薬もいろいろあるなぁ.」
2 処方箋から疾患名・レジメンを推測しよう② -S-1-
「S-1の処方箋だ! 何のがんだろう...わかるかな....」
3 治療歴から疾患名を推測しよう -レゴラフェニブ-
「レゴラフェニブか...適応が多いけど,この患者さんは何のがんなんだろう?」
4 複雑な用法・用量に注意しよう -トリフルリジン・チピラシル-
「抗がん薬が変わった?! 何かあったのかな?」
5 分子標的薬を使いこなそう① -EGFRチロシンキナーゼ阻害薬-
「処方薬が多い!!」
6 マンネリ対応から脱出しよう -長期乳がん内分泌療法-
「長期内分泌療法かぁ.火照りどうですか?とか聞くぐらいで,マンネリな対応になっちゃうなぁ....」
7 分子標的薬を使いこなそう② -慢性骨髄性白血病-
「分子標的薬の処方箋だ! うまく服薬指導できるかな?」
8 オピオイドの服薬指導をしよう
「麻薬の処方箋?! 服薬指導,不安だなぁ....」
第2章 ビビらない 副作用マネジメント
・「ビビらない 副作用マネジメント」の読み方
1 抗がん薬の副作用対策 まずは吐き気から
「抗がん薬の吐き気対策かな? どんな治療を受けてきたんだろう?」
2 皮膚障害対応 5W1Hで語る塗り薬
「皮膚に副作用がでているのかな? どうやってお話ししようかな...?」
3 外来で骨髄抑制に対応?!
「乳腺外科から抗菌薬の処方? なんで?」
4 がん治療による口内炎の特徴と支持療法
「うがい薬が出ている! 口内炎がひどいのかな?」
5 意外と怖い? 抗がん薬の下痢
「下痢止めが多い気がする 聞いたほうがいいかな?」
第3章 ビビらないためのQ&A
Q1 オピオイドの定期服用薬とレスキュー薬の違いは?
Q2 錐体外路症状ってなに?
Q3 オピオイドにはどのようなものがある?
Q4 流涙ってどんなもの?
Q5 有害事象の重症度はどのように評価するの?
Q6 オンコロジックエマージェンシーってなに?
Q7 発熱性好中球減少症(FN)を起こしやすいレジメンは?
Q8 抗がん薬の副作用で悪心・嘔吐が起こるのはなぜ?
Q9 制吐薬を使用する際の注意点を教えて!
Q10 保湿剤をきちんと塗ってくれない患者さんにどう対応すればいい?
Q11 手足症候群は,使っている薬によって症状が違うの?
Q12 PSってなに?
Q13 ガイドラインってなに?
Q14 推奨グレード(推奨度)ってなに?
Q15 乳がんの内分泌療法薬を受けるのは,どんな患者さん?
Q16 がん薬物療法中の口腔ケアは,どんなことに気をつければ良いの?
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書籍情報
- ISBN:9784525705213
- ページ数:196頁
- 書籍発行日:2019年3月
- 電子版発売日:2019年6月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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