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- 実験医学増刊 Vol.38 No.7 疾患に挑むメカノバイオロジー
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序文
序
2015年に日本医療研究開発機構(AMED)は,研究開発目標「革新的医療機器及び医療技術の創出につながるメカノバイオロジー機構の解明」の元に,新領域AMED-CREST/PRIME「メカノバイオロジー(略称)」を発足させ,筆者は総括としてかかわってきた.本領域は,①生体に生じるメカニカルストレスが組織・器官を構成する細胞にどのように感知され(力覚),応答するのか,その分子機構を解明し,②そうした細胞・組織の力覚/応答が生体のさまざまな生理機能の恒常性の維持に果たす役割と,その異常が病態・疾病を発生させるしくみを明らかにするとともに,③得られた知見を種々の疾病の新しい診断・予防・治療法の開発につなげることを目的としている.3年間にわたる応募総件数は627件に上り,採択件数は43課題,すなわち約15倍の狭き門であった.筆者はわが国の研究者のメカノバイオロジーに対する関心がこれほど高いことは全く予想していなかった.同時に応募者の大多数が医学系研究者であり,基礎研究者の数は予想外に少ないことに気づかされた.メカノバイオロジーは,元来「生体における力の役割としくみの解明」をめざす基礎科学であるが,わが国の特徴を生かしたメカノバイオロジーの発展には基礎と応用の緊密な連携が必要と考えられる.そのためには基礎研究者のさらなる参入は喫緊の課題である.
この課題を克服するには,関心度が高く人口も多い医学・医療分野のメカノバイオロジー研究の重要性,おもしろさ,発展性,問題点を前面に出して基礎研究者の関心を引くことが重要と思われた.そこで本書の主題を“疾患に挑むメカノバイオロジー”とし,章構成を1)疾患 ,2)発生/再生,3)力覚機構,4)メカノデバイスの開発,という順にした.章構成の詳細については,本書の概論を参照されたい.
メカノバイオロジーは生まれたばかりの赤ん坊で,解決すべき問題が山積みである.逆に言えばそれだけ夢がある.本書を読まれて興味を抱いた読者はぜひともこの分野に参入していただきたい.メカノバイオロジーの普遍性を考えれば,きっかけはどこにでも転がっているはずである.
2020年3月
曽我部正博
目次
第1章 メカニカルストレスが関わる疾患
Ⅰ.循環系/呼吸器疾患のメカノバイオロジー
1.心筋メカノバイオロジー機構の解明による心不全治療・層別化法の開発
2.力学現象としての動脈硬化
3.脳動脈瘤のメカノバイオロジー
4.腎疾患のメカノバイオロジー
5.気管支喘息のメカノバイオロジー
Ⅱ.骨・筋系疾患のメカノバイオロジー
6.骨恒常性とその破綻を司るメカノバイオロジー
7.関節軟骨のメカノバイオロジー
8.メカニカルストレスに依存した腱・靱帯組織の恒常性維持機構
9.微小重力環境を利用した筋萎縮機構の研究
10.エクササイズピル(運動模倣薬)—サルコペニア,フレイルと戦うためのgeroprotector
Ⅲ.がんのメカノバイオロジー
11.細胞増殖の接触阻害における物理的因子の役割
12.がん間質のメカノバイオロジーが明らかにするがんの本態
13.浸潤・転移におけるがん細胞力学
第2章 発生と再生のメカノバイオロジー
Ⅰ.神経系のメカノバイオロジー
1.神経細胞の移動と軸索ガイダンスのメカノバイオロジー—Shootin1によるクラッチ連結が生み出す推進力の発生機構
2.立体的形成中の脳原基における力学的事象とメカノセンシング
Ⅱ.上皮のメカノバイオロジー
3.メカニカルな力を介した上皮からの細胞排除
4.皮膚再生・再建のメカノメディシン—皮膚や創傷のためのメカノセラピー
Ⅲ.組織再生のメカノバイオロジー
5.心筋再生のメカノバイオロジー
6.血管新生のメカノバイオロジー
第3章 細胞はどのように力を感知して利用するのか?
Ⅰ.感覚系のメカノセンシング
1.内耳蝸牛のナノ振動の成立機構と難聴
2.皮膚の機械受容器
3.神経系による血圧調節
Ⅱ.細胞のメカノセンシング/シグナリング
4.心筋と骨格筋のメカノセンシング
5.細胞-細胞/細胞-基質間におけるメカノセンシング
6.核におけるメカノシグナリング
7.機械受容チャネルによるメカノセンシング—ボウル型のPiezoとバネ付のTRPチャネル
第4章 メカノメディシンを目指すメカノデバイスの開発
1.間葉系幹細胞の分化抑制培養力学場の設計
2.マイクロメカノデバイス
3.音波を用いたメカノメディシンの開発
4.慢性筋疼痛の診断/治療法の開発:現状と展望
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書籍情報
- ISBN:9784758103862
- ページ数:0頁
- 書籍発行日:2020年4月
- 電子版発売日:2020年5月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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