キーワードでわかる臨床栄養 令和版

  • ページ数 : 433頁
  • 書籍発行日 : 2020年4月
  • 電子版発売日 : 2020年4月27日
4,180
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商品情報

内容

栄養で治す!基礎から実践まで

栄養学の基礎知識から経腸・静脈栄養の実践,在宅栄養管理まで,臨床栄養に必須の知識を幅広く解説した好評書が改訂!リハビリテーション栄養など実践に即した内容を加えますます充実の1冊に.医療スタッフ必携!

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序文

序令和版の序に寄せて


このたび羊土社の編集者の方よりご連絡をいただき,令和版の編集をお願いしたいとのことでした.私自身も以前から執筆者の一人として参加させていただき,また臨床栄養のことで困ったときには読み返したり,web 版で確認したりとたいへん頼りにしてきている本の編集をということでした.執筆者は臨床栄養の第一人者ばかりであり,ビジュアルも多く,数ある栄養関係の書籍のなかでも栄養にかかわる多職種が使ううえでは,とてもよい書籍ではないかと思っていました.その責任編集を私にと言うことでご連絡をいただいたが,さすがに安請け合いで有名な私でもとても受けられないとはじめはお断りさせていただきました.2007 年の初版からの編集責任者が大熊利忠先生であり,私が臨床栄養をはじめたころからの尊敬する先生の後を引き継ぐには,もっとご高名で適任者が多くおられると思われるし,先生方が苦労されて版を重ねてこられた名著を改訂する責任をもつ自信がなかったためです.しかし編集の方より大熊先生から岡田先生でと推薦でしたとのお話をお聞きして,自分の医師人生でお世話になった臨床栄養という分野をしっかり見直して,現場で役立つものを皆さんに提供できることに医師人生最後の情熱をつぎ込もうと決心しました.とても名誉なことです.


さて2011 年の改訂からすでに9 年近くが経過しています.栄養の基本については変わってきていないもののわが国の医療,介護をめぐる環境は大きく変わってきています.なによりもわれわれが日常的に相手にしている患者さん,ご家族の高齢化が進んできています.そのような社会を支えるためにどの地域でも地域包括ケアシステムの構築が急がれています.また前回の改訂時には病院のNST(栄養サポートチーム:Nutrition Support Team)が主に栄養管理の中心でしたが,現在では病院のNST だけではなく,介護施設や在宅へとつなぐ栄養管理の連携システムの構築が求められるようになっています.このような時代の変化に合わせて,今までの項目に加えて今回の改訂ではリハビリテーション栄養,認知症の栄養管理,在宅栄養管理などの項目を新しく追加させていただきました.その他,今回新たに『経口栄養療法』と言う章を加えており,学会分類2013 や厚生労働省の提唱するスマイルケア食など新しい観点から嚥下食についても詳しく解説しています.『各疾患の栄養管理』においては各論をさらに充実させており,またそれ以外の項でも現在得られている最新の知見に合わせて改訂を行っています.このような編集経緯より,前版から一新した内容になったことからこの『第3 版』を令和という新たな時代に出版することを記念して『令和版』として出版させていただきます.


私自身も病院の勤務医から現在は開業医として外来や在宅での栄養管理にかかわっており,また地域の医療介護連携の会議などに参加しています.そのようななかで病院スタッフ,在宅スタッフ,介護スタッフ,行政などが参加して地域での栄養管理システムを構築することがこれからの健康寿命を延ばすことにつながり,最後まで生ききることのできる社会の構築に貢献できると強く確信しています.その意味でこの本は今までの読者だけでなく地域で臨床栄養にかかわるすべての人に役立つものと思っています.最後に出版にあたりたいへんお世話になった執筆者,羊土社の皆様に心より感謝いたします.


令和2年2月

岡田 晋吾

目次

令和版発行を祝し推薦する

令和版の序に寄せて

カラーアトラス

第1章 栄養障害と栄養療法

1.栄養不良と過栄養

2.栄養不良が引き起こす問題

3.栄養療法の考え方とその効果

4.運動療法との相乗効果

第2章 栄養素とその代謝

1.栄養素の消化・吸収

2.糖質代謝

3.タンパク質代謝

4.脂質代謝

5.電解質

6.微量元素

7.ビタミン

8.食物繊維

第3章 侵襲に対する生体反応

1.古典的な生体反応の推移の分類

2.侵襲に対するサイトカインと内分泌反応

3.飢餓と侵襲に対する生体反応の違い

第4章 栄養と免疫,および生体防御機構

1.免疫とは

2.消化管と免疫

3.腸内細菌と栄養

第5章 栄養状態の評価

1.栄養スクリーニング・アセスメント

2.身体計測

3.臨床検査

4.栄養状態を把握するためのフィジカルアセスメント

5.食生活状況の把握

第6章 栄養療法の実践

1.栄養療法の種類

2.エネルギー投与量の算出方法

3.各種栄養素の必要量の算出方法

第7章 経口栄養療法

1.病院食と食事療養

2.特別食と栄養指導

3.摂食嚥下障害

4.嚥下調整食の形態

5.特別用途食品と保健機能食品

6.介護食

第8章 経腸栄養法

1.経腸栄養法の適応と投与方法

2.早期経腸栄養法

3.PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術)

4.胃瘻からの栄養材注入法

5.経腸栄養法の合併症

第9章 静脈栄養法

1.静脈栄養法の適応

2.中心静脈カテーテル

3.静脈注射用脂肪乳剤の投与上の注意

4.静脈栄養法の合併症と対策

第10章 各疾患の栄養管理

1.周術期の栄養管理

2.急性膵炎

3.多発外傷

4.重症熱傷

5.感染症〜敗血症を中心に〜

6.肥満

7.糖尿病

8.脂質異常症

9.高血圧・心血管系疾患

10.脳卒中

11.腎疾患

12.短腸症候群

13.炎症性腸疾患

14.肝疾患

15.呼吸不全と慢性閉塞性肺疾患(COPD)

16.がん

17.リハビリテーションと栄養

第11章 高齢者の栄養管理

1.高齢者の栄養管理

2.褥瘡・スキン-テア

3.認知症

4.骨粗鬆症

第12章 在宅栄養管理

1.在宅医療の現状と栄養管理

2.訪問栄養食事指導の実際

3.在宅での経腸栄養法・静脈栄養法

付録 日本人の食事摂取基準(2020年版)

略語一覧

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書籍情報

  • ISBN:9784758109109
  • ページ数:433頁
  • 書籍発行日:2020年4月
  • 電子版発売日:2020年4月27日
  • 判:B5
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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