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- あらゆる症例に対応できる!消化器がん薬物療法第3版~標準治療から難渋例の対応まで患者一人ひとりにベストな治療がわかる
商品情報
内容
新薬・PRRT・conversion surgeryなども取り入れた治療や,複雑な合併症・副作用が悩ましい難渋例に対応できる!実症例に沿った解説で,病態ごとの対応が具体的にわかる,持ってて安心の1冊
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序文
第3版 発刊によせて
複雑な病態やさまざまな合併症,社会背景を有する患者さんの治療現場(これを実地臨床と言う)では,必ずしも「標準的治療」が実践できない場面に多々遭遇する.否,「標準的治療」を行うことがむしろ不適切であるような状況になることも少なくない.質の高い臨床試験結果を拠りどころとしているエビデンスやガイドラインを基本軸としながらも,その応用編として,柔軟に実地臨床に対応できる実用書の必要性の高まりを実感し,われわれ真の腫瘍内科医の矜恃を示すべく,本書は誕生した.ここで言う「真の」の真意は,患者の診療に直接関与しているかどうか,これこそがきわめて重要で,「患者を直接診ている腫瘍内科医」を意図したものである.近年,臓器別カンファレンスや外来化学療法センター,エキスパートパネルのとりまとめ役としてそれなりの立場におさまっている腫瘍内科医が増えてきた.施設の要件として求められている以上,彼らにも一定の役割と価値があるのは確かと思う.しかし,主治医・担当医として患者さんを診ることもない,評論家のような腫瘍内科医が存在してしまうことは避けたい.
前版の「あらゆる症例に対応できる! 消化器がん化学療法」が発刊されたのが2015年,はや8 年の月日を経た.2010 年の初版から数えると13 年もの歳月が流れた.まさに光陰矢のごとし.この間,消化器がん領域のさまざまな検査や治療において劇的な変化が起きた.すなわち,がんゲノム医療が到来し,遺伝子パネル検査や遺伝カウンセリングなどが臨床現場に実装化され,個別化治療の先鋭化,遺伝性腫瘍の把握やリスク評価等が臨床導入されるようになった.また,食道がん,胃がん,肝がんのがん免疫療法,MSI/TMB-H がんに対する大腸がんを含む固形がんのがん免疫療法などが臨床導入されるようになった.診断や治療が高度化・複雑化して,臨床現場はますます混乱している状況である.
このようななか,再改訂版(第3 版)の発刊はもはや必然であったと言える.今回は,新規の承認検査・承認薬をすべて網羅させて,内容を大きく変更させた.また,臨床の最前線にいる新進気鋭の腫瘍内科医を中心に執筆者を大胆に若返らせ,彼ら彼女らが日々直面し頭を悩ませている症例や疑問点・問題点にも切り込んでいただいた.もちろん,従来通り,各章の最初にポイントを箇条書きで示す形式,投与法・スケジュールの記載,必要かつ十分な有効性のエビデンス,そして詳細な副作用情報とその対策,特有の症例紹介とその考察,このような本書の特徴の充実ぶりは依然健在である.
本書を,まさに実地臨床の現場で患者さんとがんに対峙しながらもがき苦しんでいる,臨床腫瘍医,薬剤師,看護師,その他の医療者に捧げたい.
2023年2月
編者を代表して
室 圭
目次
第1章 薬物療法を行う前に
1 患者への説明・インフォームドコンセントの基本【三谷誠一郎】
2 細胞障害性抗がん剤・分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害薬の概要【横山和樹】
3 副作用への対策・安全管理【田内淳子】
第2章 各がんの標準治療
1 食道がん【山本 駿】
2 胃がん【今関 洋】
3 大腸がん【下嵜啓太郎】
4 肝細胞がん【今岡 大】
5 胆道がん【今岡 大】
6 膵がん【今岡 大】
7 神経内分泌腫瘍【今岡 大】
第3章 症例でわかる! 食道がん薬物療法
A.対応に困る病態
1 PS不良・高齢者の食道がん【池田 剛】
2 腎機能低下を認める食道がん【池田 剛】
3 高度な通過障害を有する食道がん【池田 剛】
4 初発時から食道気管瘻をきたしている食道がん【三國隼人,原 浩樹】
5 術前・術後化学療法中増悪,直後に再発した食道がん【三國隼人】
6 膠原病の既往のある症例の免疫チェックポイント阻害薬【三國隼人】
B.副作用対策
1 化学放射線治療中,瘻孔を併発した症例【池田 剛】
2 化学放射線治療後に,食道狭窄をきたしている症例【池田 剛】
3 化学放射線治療後に胸水・心嚢液貯留をきたしている症例【池田 剛】
4 ドセタキセルで高度浮腫,爪変形をきたしている症例【本澤伽椰,本間義崇】
5 化学放射線治療後に甲状腺機能低下をきたした症例【原田健太郎】
6 免疫チェックポイント阻害薬使用後に副腎不全をきたした症例【原田健太郎】
7 パクリタキセル投与後に薬剤性肺障害をきたした症例【山本 駿】
8 免疫チェックポイント阻害薬使用後に1型糖尿病をきたした症例【原田健太郎】
第4章 症例でわかる! 胃がん薬物療法
A.対応に困る病態
1 経口摂取が困難,または高度腹膜播種(腹水大量貯留など)をきたしている胃がん【角埜 徹】
2 PS不良・高齢者の胃がん【角埜 徹】
3 腎機能低下の胃がん【角埜 徹】
4 原発巣から出血している胃がん【角埜 徹】
5 術後補助化学療法中に再発した胃がん【廣瀬俊晴】
6 中枢神経系への転移を伴う胃がん【廣瀬俊晴】
7 DICを合併している胃がん【廣瀬俊晴】
B.副作用対策
1 SOX療法施行時に,食欲不振・下痢・好中球減少をきたしている症例【廣瀬俊晴】
2 S-1によって流涙をきたしている症例【廣瀬俊晴】
3 オキサリプラチン,パクリタキセルにて高度のしびれをきたしている症例【廣瀬俊晴】
4 パクリタキセル,ドセタキセルでアレルギーを起こした症例【角埜 徹】
5 抗がん剤により味覚障害をきたした症例【角埜 徹】
6 ニボルマブにより高度下痢をきたした症例【角埜 徹】
7 ニボルマブにより肝障害をきたした症例【角埜 徹】
8 胃がん(大腸がん,膵がんを含む)のがん悪液質とその対策【緒方貴次】
第5章 症例でわかる! 大腸がん薬物療法
A.対応に困る病態
1 高齢者の大腸がん【木藤陽介】
2 PS不良(PS 2〜3)の大腸がん【木藤陽介】
3 肝転移が切除可能な大腸がんは,どう治療すべきか?【三谷誠一郎】
4 切除不能な肝転移限局型大腸がんは,どう治療すべきか?【三谷誠一郎】
5 稀なstageIV大腸がん(肛門管がん,虫垂がん),小腸がんをどう治療すべきか【三谷誠一郎】
6 BRAF遺伝子変異大腸がんの治療【松原裕樹】
7 MSI-H大腸がんの治療【松原裕樹】
8 HER2陽性大腸がんの治療【松原裕樹】
9 遠隔転移を有する大腸がんの原発巣をどうすべきか?【木藤陽介】
10 大腸がんの遺伝子パネル検査の適切な時期とその意義【児玉紘幸】
11 conversion surgeryの考え方 〜薬物療法の選択,治療期間,補助化学療法をどうするか?【児玉紘幸】
B.副作用対策
1 オキサリプラチンの末梢神経障害対策【三浦裕司】
2 イリノテカンのUGT1A1遺伝子多型による副作用対策【下嵜啓太郎】
3 血管新生阻害薬で蛋白尿をきたした症例【陶山浩一】
4 全身薬物療法の早期治療ライン(一次治療,二次治療)の好中球減少にどう対峙すべきか?【緒方貴次】
5 全身薬物療法の後方治療ライン(FTD/TPI±BEV)の骨髄抑制【緒方貴次】
6 レゴラフェニブの副作用をどうマネジメントすべきか? 〜特に手足症候群,肝機能障害【児玉紘幸】
7 BRAF阻害薬,MEK阻害薬の副作用とその対策【児玉紘幸】
8 腎透析患者に対する大腸がん薬物療法【陶山浩一】
第6章 症例でわかる! 肝細胞がん薬物療法
A.対応に困る病態
1 80歳以上の高齢者の肝細胞がん【川村祐介】
2 PS不良(PS 2〜3)の肝細胞がん【川村祐介】
3 食道静脈瘤を有する肝細胞がん【川村祐介】
4 自己免疫性疾患を有する肝細胞がん【川村祐介】
5 間質性肺疾患を合併している肝細胞がん【川村祐介】
6 Child-Pugh分類BまたはCの肝細胞がん【寺島健志】
7 門脈本幹または一次分枝に腫瘍栓を有する肝細胞がん【寺島健志】
8 TACEから全身薬物療法への切替えのタイミングは?【寺島健志】
9 TACEと全身薬物療法は併用すべきか?【寺島健志】
10 薬物療法でCRとなった場合は治療を止めてもよいのか?【寺島健志】
B.副作用対策
1 全身薬物療法で蛋白尿をきたした症例【平 知尚】
2 全身薬物療法で高血圧をきたした症例【平 知尚】
3 全身薬物療法で肝機能障害をきたした症例【平 知尚】
4 全身薬物療法で食欲不振をきたした症例【平 知尚】
5 全身薬物療法で倦怠感をきたした症例【平 知尚】
第7章 症例でわかる! 胆道がん薬物療法
A.対応に困る病態
1 80歳以上の高齢者の切除不能胆道がん【清水 怜】
2 PS不良(PS 2〜3)の切除不能胆道がんに対する薬物療法【清水 怜】
3 腎機能が低下した(eGFR<50mL/min)胆道がん【清水 怜】
4 閉塞性黄疸を有する胆道がん【清水 怜】
5 一次治療,二次治療は何を選択すべきか?【梅本久美子】
6 遺伝子パネル検査は行うべき?【梅本久美子】
7 ゲムシタビン+シスプラチン併用療法は16回,8サイクルで終えるべき?【梅本久美子】
8 混合型肝がんに対しては,どの薬物療法を選択すべきか?【梅本久美子】
B.副作用対策
1 薬物療法施行中,腎機能障害が出現してきた症例【鈴木裕子】
2 薬物療法施行中,急性胆管炎を合併した症例【鈴木裕子】
3 薬物療法施行中,Grade 4の骨髄抑制が出現した場合,減量か?投与スケジュール調整か?【鈴木裕子】
第8章 症例でわかる! 膵がん薬物療法
A.対応に困る病態
1 80歳以上の高齢者の膵がん【小林 智】
2 PS不良(PS 2〜3)の膵がん【小林 智】
3 腎機能が低下した(CCrが50mL/min未満)膵がん【小林 智】
4 BR膵がんはどう治療すべきか?【小林 智】
5 局所進行膵がんには薬物療法か?化学放射線療法か?【小林 智】
6 一次治療以降の治療をどのように選択すべきか?【岡野尚弘】
7 術後補助化学療法としてS-1施行後に再発した膵がんに対する薬物療法は?【岡野尚弘】
8 BRCA遺伝子検査や遺伝子パネル検査はいつ行い,どんな治療選択をすべきか?【岡野尚弘】
9 悪性腹水が貯留している膵がん【岡野尚弘】
10 浸潤性膵管がん以外の特殊ながんにどのような薬物療法を選択すべきか?【岡野尚弘】
B.副作用対策
1 薬物療法施行中,下痢をきたした症例【江口大樹】
2 薬物療法施行中,骨髄抑制をきたした症例【江口大樹】
3 薬物療法施行中,末梢神経障害をきたした症例【江口大樹】
4 薬物療法施行中,食欲不振・悪心・嘔吐をきたした症例【江口大樹】
5 薬物療法中のインフュージョンリアクションをきたした症例【佐竹智行】
6 深部静脈血栓症をきたした症例【佐竹智行】
7 悪液質をきたした症例【佐竹智行】
第9章 症例でわかる! NET薬物療法
A.対応に困る病態
1 膵神経内分泌腫瘍の一次薬物療法はどのように選択するべきか?【藤森 尚】
2 消化管神経内分泌腫瘍の一次治療はどのように選択するべきか?【藤森 尚】
3 ホルモン症状を有する膵・消化管神経内分泌腫瘍の症状コントロールは?【藤森 尚】
4 MEN1に対する治療方針は?【藤森 尚】
5 NET G3に対する治療方針は?【奥山浩之】
6 PRRTはどのような症例を対象とすべきか?【小林規俊】
7 薬物療法中にconversion surgeryを考えるタイミングは?【小林規俊】
B.副作用対策
1 エベロリムスで間質性肺炎をきたした症例【奥山浩之】
2 スニチニブで手足症候群や消化器毒性をきたした症例【奥山浩之】
3 ストレプトゾシンはweekly投与か,daily投与か?【奥山浩之】
4 PRRTの管理はどうすればよいか?【小林規俊】
第10章 症例でわかる! その他の希少がん薬物療法
1 消化管の悪性黒色腫【野村基雄】
2 肛門管がん(肛門管扁平上皮癌)【野村基雄】
3 腹膜偽粘液腫【野村基雄】
4 悪性腹膜中皮腫【野村基雄】
5 虫垂がん【緒方貴次】
6 消化管NEC【松原裕樹】
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書籍情報
- ISBN:9784758110792
- ページ数:488頁
- 書籍発行日:2023年3月
- 電子版発売日:2023年3月1日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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