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- レジデントノート増刊 Vol.23 No.17 あらゆる場面のClinical Prediction Ruleを使いこなす 〜診断・治療方針が決まる、予後を予測できる!
商品情報
内容
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序文
序
「診断はどれくらい正しいか?」,「この患者の予後はどれくらいか?」,「CTを撮った方がいいのか?」,「手術に耐えることができるのか?」…これらの問題は日々診療を行っていくうえで生じる問題であり,われわれは日々これらを予想し,見当をつけて対応しています.このような問題に正確に答えることができれば,質の高い,費用対効果の高い診療を行うことが可能となります.従来われわれは,こういった予想を個人的経験をもとに行ってきました.しかし,個人的な経験だけでは時に誤診につながることがあります.人は新しく,珍しく,興味深いことに惹かれがちで,一貫して,体系的に,バイアスなく客観的に診続けることは苦手になりやすいです.1 つの「悪い転帰」を迎えた例外的な経験にその後の診療が影響を受けがちであり,逆に新しい薬で治療がうまくいったときには,その「よい転帰」により,他の患者にも同薬剤を使用しがちです.個人的な経験は限られていますし,それだけでは「道」に迷ってしまいかねません.経験が浅いと「道」に迷ってしまう深い臨床の森のなかで,迷わないような光を与えてくれ,ガイドになってくれるのが集団的経験であり,先人の叡知です.その先人の叡智を具現化したものの1 つがclinical prediction rule(CPR)です.
論語のなかに「温故知新」という言葉があります.訓読みで「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」と読み,「昔の出来事を明らかにして未来のことを予測する」という意味です.ヒポクラテスから連綿と続く医学の発展は,まさに先人の叡智をもとにした「温故知新」で発展を遂げてきました.ここで取り上げるclinical prediction rule は,「温故知新」でいう先人の叡智の1 つであります.われわれが医学のなかで判断していく際に,clinical prediction rule は非常に有用な「道しるべ」となります.
clinical prediction rule の使用によって,診断の正確性を上げることができ,無駄な検査を減らすことができ,効率的に診療を行うことが可能となります.私自身が研修医のときに,clinical prediction rule を使用して,無駄なく効率よく診断して治療を行う救急医の姿がcool にうつり,あこがれの対象でもありました.
ただしclinical prediction rule は有用な反面,使い方を誤るとかえって正しい判断ができなくなり,患者の安全を脅かすことにもなりかねません.目の前の患者と異なった対象から生まれたclinical prediction rule は,その患者に適用できないかもしれません.そこで本号では,clinical prediction rule を正しく使用できるよう,背景となる論文をとりあげて,およそ100 のclinical prediction rule を適用するシチュエーションとともに紹介しています.
clinical prediction rule の長所,短所を押さえて使用していけば「鬼に金棒」,非常に有用な武器となります.例えるならば,われわれは「鬼」として「病気」を倒していきます.「金棒の正しい使い方」,つまりclinical prediction rule を「金棒」とするのならば,その正しい使い方を押さえていけば,「鬼に金棒」として「病気」を倒しやすくなります.しかし,正しい使い方を知らないとかえって「金棒」に体が振り回されてしまいます.個人的経験値の低い医療者,つまり「弱い鬼」であっても「強固な金棒」を武器として正しく使うことができれば,強い敵とも戦いやすくなります.個人的経験を積んで,診断の事前確率も上げられるようになり,「強い鬼」となればまさに「鬼に金棒」,敵はいなくなるかもしれません.
本号では疾患別および救急外来,一般外来,集中治療,一般病棟での多数の疾患,さまざまなシチュエーションで使用できるclinical prediction rule を多数紹介しています.それぞれの疾患に出会ったとき,clinical prediction rule を正しく使用して,診療の意思決定をしていくことの一助になればと願います.
2021年12月
編者を代表して
聖マリアンナ医科大学病院救命救急センター
森川大樹
目次
序【森川大樹】
Color Atlas
執筆者一覧
第1章 CPRを使ううえでの注意点
1.CPRとは? CPR論文のつくり方【森川大樹】
2.CPR論文の読み方と使い方【高田俊彦】
第2章 臓器・診療科ごとのCPR
① 神経・脳外科疾患
1.脳卒中【藤井修一】
2.くも膜下出血(SAH)【藤井修一】
3.脳梗塞【伊佐早健司】
② 循環器・心臓血管外科疾患
1 急性冠症候群(ACS)【小島俊輔】
2.肺塞栓【飯尾純一郎】
3.心房細動【黄 世捷,中島育太郎】
4.心不全【平松由布季】
5.心臓血管外科【鍋島正慶】
③ 呼吸器疾患
1.肺炎【濵田 治】
2.喀血【山田万里央】
④ 消化器疾患
1.上部消化管出血のトリアージ【吉岡 翼】
2.虫垂炎の診断【藤岡健人】
3.急性膵炎の重症度予測【高崎哲郎】
4.肝硬変の予後・肝移植【佐々木昭典】
⑤ 腎臓・泌尿器
1.尿管結石【遠藤慶太】
⑥ 感染症
1.壊死性軟部組織感染症【堀内正夫】
第3章 シチュエーションごとのCPR
① 救急外来
1.外傷① 外傷重症度評価【小原隼斗,舩越 拓】
2.外傷②:軽症頭部外傷への頭部CT適応【大槻拓矢,森川大樹】
3.外傷③:軽症鈍的外傷への頸部画像撮影適用【田邊翔太】
4.外傷④:外傷に対する大量輸血【田邊翔太】
5.外傷⑤:膝外傷Ottawa膝外傷ルール,Pittsburgh knee rules【水野晴貴】
6.外傷⑥:足外傷Ottawa足外傷ルール【水野晴貴】
7.院外心停止【北野夕佳】
8.出血性ショック【宮㟢岳大】
9.失神【松尾裕一郎】
10.めまい【森田智也】
11.Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死融解症【井桁龍平】
12.自殺企図のリスク【有吉 慧,石上雄一郎】
② 一般外来
1.咽頭炎【横山和久】
③ ICU
1.敗血症【島田侑祐,片岡 惇】
2.心停止蘇生後の神経学的予後評価【三反田拓志】
3.挿管困難 ~MACOCHA score【森田智也】
④ 病棟
1.アルコール依存症・アルコール離脱症状【橘 茉莉花,家 研也】
⑤ 小児診療
1.低月齢発熱【加久翔太朗,清水直樹】
2.小児の呼吸障害【杉浦健太】
3.小児頭部外傷への CT撮影適用【野澤正寛】
4.虐待による乳幼児頭部外傷(AHT)のCPR【栗原八千代,清水直樹】
⑥ 高齢者診療
1.認知症【山田悠史】
2.高齢者の再入院率・死亡率【光本貴一,玉井杏奈】
3.予後①:高齢者の予後~ePrognosis【玉井杏奈】
4.予後②:癌患者の予後~PaPスコア,PPI【玉井杏奈】
5.予後③:目の前の患者が心停止したときの予後【吉野かえで】
6.予後④:心不全患者の予後【吉野かえで】
7.予後⑤:COPD患者の予後【吉野かえで】
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書籍情報
- ISBN:9784758116756
- ページ数:280頁
- 書籍発行日:2022年1月
- 電子版発売日:2022年1月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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