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- 医療統計、データ解析しながらいつの間にか基本が身につく本~Stataを使ってやさしく解説
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内容
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序文
序
臨床研究をしたいと思ったときに,まず何を勉強しますか.統計,疫学,研究デザイン,統計ソフトの使い方でしょうか? いずれも大切です.これらを学ぶために,多くの書籍やセミナーなどがあります.インターネット書店で“統計”と検索すると,数万冊の書籍があります.“医療統計学”に限定しても,数百冊の書籍があります.学会発表や抄読会で論文を読むと,聞いたこともない統計解析手法が多くあるので,それらを網羅した書籍を買いたくなります.しかし,実際手にとると,情報量が多く,用語が難解で,全部を読むには心が折れてしまいます.逆に,目の前の臨床研究を行うためだけの最低限の知識を学ぶために簡単な書籍を選ぶと,かみ砕かれていて内容はわかる気はするけれども,いざ実際自分で解析しようとすると,どうしたらいいかがわかりません.つまり,臨床研究をはじめる医療従事者にとって,知識と実践を同時に学びたいという要望に応えたちょうどよいレベルのセミナーや書籍はこれまでなかなかありませんでした.初学者の頃に同じ思いをした著者たちが,医療従事者の臨床研究のための統計学に目的を絞ったセミナーを開催したところ,予想以上の大きな反響をいただきました.本書では,このセミナーの内容を系統的に再現したことに加えて,セミナー内では説明しきれなかったことや,関連するコラムを付しています.著者は全員医療従事者であり,実際に臨床医療現場での経験を積みながら臨床研究にかかわるようになった経歴をもっています.そのため,臨床研究を行うにあたり,どこがわからず,どこでつまづきやすいのかが経験上わかっています.
本書では,枝葉のような内容は大胆に省き,初学者がまず臨床研究の解析をするために必要な統計学や解析手法の知識を整理し,実際に統計ソフトを使った解析ができるようになることを目標にしています.全体像をつかんでもらうために,統計手法の理論の説明においては,数式などは極力省いています.裏で行われている細かい計算方法を知らなくても,はじめは問題ありません.数式アレルギーで,いつまでも統計の勉強が進まないよりも,全体の概略を理解することの方が重要です.そのため,臨床研究をはじめるのにあたって,最低限身につけるべき臨床疫学,生物統計の知識に絞っています.ぜひ,最初から最後まで順番に読み,実践してください.読みおわる頃には,臨床研究で行う定番の解析を理解して実行し,学会発表や論文執筆の準備ができるようになると思います.さらに,読前よりも論文の内容を理解して読むことができ,臨床研究で何をしたらよいかがわかるようになるはずです.
本書は,講義編・実践編の2部構成です.講義編では,臨床研究の流れや,仮説検定の考え方などを解説しています.講義編で臨床研究の全体像をつかんでください.次に,実践編では各種統計解析を学び,実際に解析を行っていただきます.サンプルデータを用いて課題を解析しながら,統計解析を学べるように構成しています.サンプルデータは,臨床現場や論文でよく遭遇する2 群比較の研究をもとに作成しています.統計解析はStataという統計ソフトを使って行います.キーボードを使ったコマンド入力,マウスを使ったクリック操作の両方に対応したStataは,はじめて統計解析を行う人にとって,秀逸なソフトです(もちろん,上級者にとっても素晴らしいソフトです).コンピューターが苦手な方にとっても,シンプルかつわかりやすい解析が行えます.Stataは30日間,無料評価版を利用することができます(第5章参照).実践編の課題に沿って解析すると,臨床研究を行うのに必要な最低限の統計解析手法を習得することができるようになり,pp31 〜33 に示した学会発表で使用するような図や表が書けるようにな るはずです.
本書の最大の目的は,読者の皆さまの臨床研究への不安やハードルを取り除き,実際に手を動かして臨床研究をできるようにすることです.それでは,早速一緒に臨床研究の勉強をはじめましょう.
2021年8月吉日
道端伸明,麻生将太郎,藤雄木亨真
目次
■ 序/道端伸明,麻生将太郎,藤雄木亨真
■ サンプルデータダウンロードのご案内
講義編
講義編を読む前に
第1章 私たちは,なぜ臨床研究をするのか?
第2章 臨床研究はどう行う? 〜CQから統計解析・論文作成まで
第3章 その臨床研究は実施可能? 〜PECOとFINER
第4章 仮説検定とは 〜P値と信頼区間
実践編
実践編をはじめる前に
F先生の行った研究の抄録と図表
課題一覧
実践編の構成
第5章 Stata の概要
課題1 変数一覧を確認する
課題2 データを閲覧する
第6章 検定方法はどれが適切?
◆コラム1 ◆統計学に名を遺した人たち
第7章 図表の作成〜度数分布表・分割表,ヒストグラム,箱ひげ図,散布図
課題3 全患者の男女それぞれの割合を確認する(度数分布表)
課題4 全患者のBMI カテゴリごとの割合を確認する(度数分布表)
課題5 全患者のCRP 値をグラフ(ヒストグラム)にして,全体像を確認する
課題6 全患者のCRP 値をグラフ(箱ひげ図)にして,全体像を確認する
課題7 全患者の身長と体重の関係を確認する(散布図)
◆コラム2 ◆相関分析で見ているものとは
第8章 代表値を確認する
課題8 全患者の男女それぞれの代表値(割合)を確認する
課題9 全患者のBMI カテゴリごとの代表値(割合)を確認する
課題10 全患者のCRP 値(正規分布)の代表値(平均・標準偏差)を確認する
課題11 全患者の在院日数(非正規分布)の代表値(中央値・四分位範囲)を確認する
◆コラム3 ◆奇跡の確率
第9章 2群間のカテゴリ変数の比較検定〜カイ二乗検定,Fisherの正確確率検定
課題12 新規治療Xと標準治療の男女の割合の差を検定する
◆コラム4 ◆簡単にクロス集計表の検定をしたいとき
◆コラム5 ◆カイ二乗検定とFisher の正確確率検定の計算法
第10章 2群間の連続変数の比較検定〜Studentのt検定,Wilcoxonの順位和検定/Mann-WhitneyのU検定〜
課題13 新規治療Xと標準治療のCRP値の差を検定する(Studentのt検定)
課題14 新規治療Xと標準治療の在院日数の差を検定する(Wilcoxonの順位和検定)
◆コラム6 ◆対応のない?対応のある?
第11章 3群以上の差の比較〜分散分析,Kruskal-Wallis検定と多重比較法
課題15 BMIカテゴリ(3群)で,総コレステロール値の差を検定する(ANOVA)
課題16 BMIカテゴリ(3群)で,在院日数の差を検定する(Kruskal-Wallis検定)
◆コラム7 ◆分散とは?〜データのバラつきをイメージする
第12章 重回帰分析
課題17 重回帰分析で調整変数を調整した新規治療Xと在院日数の関連を調べる
◆コラム8 ◆回帰分析における基準の変更と表示
第13章 Logistic回帰分析
課題18 Logistic回帰分析で新規治療X と在院死亡の関連を調べる
第14章 生存時間分析〜Kaplan-Meier曲線,log-rank検定,Cox回帰
課題19 生存時間分析で新規治療Xと90日死亡の関連を調べる
結果をまとめる
◆コラム9 ◆論文や学会発表で記載すべき桁数
第15章 データクリーニングの基礎
課題20 CSVファイルを読み込む
課題21 性別,身長,体重の変数を文字列から数値に変更する
課題22 性別の変数を数値から文字列に変更する
課題23 性別の変数を使って,female という新しい変数を作成する
課題24 身長「height」と体重「weight」からbmi2という新しい変数を作成する
課題25 生年月日の文字列変数「dtbirthstr」から数値の変数「birthday」を新しく作成する
課題26 変数「bmi2」を削除する
課題27 同一行の複数の変数のなかで最大値を特定し,その値を新たな変数とする
課題28 解析結果を記録する
課題29 コマンドを保存する
◆コラム10 ◆データの保存形式と文字コード
第16章 Stataを使いこなすために
おわりに
■ 索引
■ あとがき/道端伸明,麻生将太郎,藤雄木亨真
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書籍情報
- ISBN:9784758123792
- ページ数:193頁
- 書籍発行日:2021年9月
- 電子版発売日:2021年9月22日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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