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- すべての臨床医が知っておきたい便秘の診かた~「とりあえず下剤」から卒業する!患者に合わせた診断と治療がわかる
商品情報
内容
あわせて読む → すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢~基本知識から疾患研究、治療まで
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序文
序
なぜわれわれ医者は便秘患者をうまく治療できないか?
この問いが本書の作製の契機である.これまでわが国には便秘薬といえば2 種類しかなく,われわれ医師の武器もなかった.また患者も多くなく,「どうせ病気ではない」といった考えも相まって便秘に関しては医学部教育でも教えられないし,研修医教育として医師になってからも学ぶ機会がない.つまりわれわれは,便秘をまともに診立てることができないのである.診断ができなければ治療もできないのは当然である.
一方患者のほうはというと,どんどん変わってきている.まず高齢化社会による便秘患者の爆発的な増加に加え,「便秘=女性の病気」という常識が崩れたこと,また医師にとって便秘は放置してよい病気であるという認識の根底にあった「便秘=死ぬ病気ではない」といった大前提も崩れたことである.このような状況のなかで新薬が続々登場してきているため,一体全体どれをどう使ってよいかわからなくなってきた.
さて,便秘はどの診療科においても必ず対峙しなければならない疾患である.われわれ医師は便秘治療から逃げることはできない.一方患者は医師の治療にはなはだ不満であるということが多い.
このような状況で,一度便秘のことを簡単に学んでみたいという医師のために,誰も教えてくれなかった便秘の診断から治療まで一冊で学べるように本書は企画された.基本的な知識から各診療科別に特有な便秘の診療についてまで網羅されており,どの診療科の先生がお読みになっても必ずやお役に立つと確信している.執筆者を代表して本書が日常診療の助けになると自信をもってお勧めするしだいである.
2022年3月
横浜市立大学肝胆膵消化器病学教室主任教授
中島 淳
目次
序[中島 淳]
第1章 便秘の基本を理解しよう
1 なぜ便秘は治療しなければならないか?[中島 淳]
(1) 便秘は死亡リスクを高める疾患である
(2) 便秘はCKDの発症リスクを上げる
(3) 超高齢化社会だからこそ便秘の治療が必要!
2 便秘とは?[中島 淳]
(1) そもそも便秘とは何か? 便秘=排便回数の低下ではない!
(2) 排便のメカニズムは非常に複雑!
(3) 便秘の病態:便秘の病態は糞便が「少ない」「運ばれない」「出せない」「出さない」の4種類の異常がある
(4) 二次性便秘(続発性便秘)に注意
(5) おわりに
3 便秘の診断・病型[三澤 昇]
(1) 便秘の分類
(2) 二次性便秘
(3) 問診表や排便日誌の活用
(4) エコーの活用
(5) 直腸指診の診断への活用
4 便秘診断のアルゴリズム ~これだけは外せない初診ですべきことは何か~[中島 淳]
(1) はじめに
(2) 初診時のリスク評価と危機回避の手立てはどうすべきか
(3) 便秘診療では患者の診たてが重要!
(4) 具体的診断の流れ
(5) おわりに
第2章 便秘の治療
1 治療総論:満足度の高い治療のゴールとは?[中島 淳]
(1) はじめに
(2) 治療のゴールは便が出たか出ないかではなく4型の熟したバナナ状の便であること
(3) 4型のバナナ状の便にするためには
(4) 便秘治療がうまくいかないときの次の一手をどうするか?
(5) 難治性便秘への対処は
(6) おわりに
2 便秘治療のアルゴリズム[中島 淳]
(1) はじめに
(2) 初診での患者への説明が最も重要
(3) 治療の進め方
(4) 副作用の管理を忘れずに
(5) 直腸エコーを活用した場合のアルゴリズム
(6) おわりに
3 薬の種類と特徴
① 酸化マグネシウムおよび刺激性下剤[富田寿彦,三輪洋人]
(1) ガイドラインでの位置づけ,具体的処方例
(2) 浸透圧性下剤(塩類下剤:酸化マグネシウム)
(3) 刺激性下剤
② 上皮機能変容薬:ルビプロストン[佐野村 誠]
(1) ルビプロストンの適応と作用機序
(2) ルビプロストンの特徴と用法・用量
(3) ルビプロストンのガイドラインでの位置づけ
(4) ルビプロストンの用量別の効果と副作用
(5) ルビプロストンの副作用対策
(6) ルビプロストンの新たな知見
③ 上皮機能変容薬:リナクロチド[秋穂裕唯]
(1) ガイドラインでの位置づけは最も高いエビデンス評価
(2) 薬理作用
(3) 臨床成績
(4) 使い方と注意点
(5) 長期特定使用成績調査の中間報告
④ 新規浸透圧性下剤(ラクツロースとPEG)[水上 健]
(1) はじめに
(2) 浸透圧性下剤の種類と特性
(3) ラクツロースとPEGのガイドラインでの位置づけ
(4) ラクツロースとPEGの評価
⑤ 胆汁酸トランスポーター阻害薬(エロビキシバット)[吉田直久]
(1) 作用機序
(2) 臨床成績
(3) まとめ
⑥ 末梢性μオピオイド受容体拮抗薬[結束貴臣]
(1) はじめに
(2) ガイドラインでの位置づけ
(3) 具体的処方例と治療アルゴリズム
(4) 安全性
(5) おわりに
⑦ 便秘症に対する漢方薬[安斎圭一]
(1) はじめに
(2) 大黄について
(3) 甘草について
(4) 漢方薬の保険適用
(5) ガイドラインにみる漢方薬
(6) 漢方薬の選択
(7) おわりに
⑧ 浣腸・坐剤[佐々木 巌]
(1) ガイドラインにおける浣腸・坐剤
(2) 浣腸
(3) 坐剤
(4) 浣腸・坐剤のリスクとその対策
(5) 具体的処方例
4 生活習慣の指導・排便タイミング[尾髙健夫]
(1) はじめに
(2) 食習慣の改善
(3) 生活習慣の改善
(4) おわりに
5 難治性便秘の患者への対応をどうするか
① 直腸肛門機能障害の診断方法と治療[安部達也]
(1) 難治性便秘とは
(2) 直腸肛門機能障害の診断方法
(3) FDDの治療
(4) 器質性便排出障害
(5) どのような患者を専門施設に紹介すべきか
(6) おわりに
② 便失禁の診たて方と治療[安部達也]
(1) 便秘と便失禁の関係
(2) 便失禁の症状
(3) 便秘に関連した便失禁の病態
(4) 診断基準と診察の進め方
(5) 肛門診察と直腸指診のポイント
(6) 便失禁の検査
(7) 一般の内科外来でも行える便失禁治療
(8) おわりに
第3章 疾患と便秘の関係
1 消化管疾患と便秘[眞部紀明]
(1) 便秘を起こしうる消化管疾患
(2) 過敏性腸症候群(IBS)
(3) 巨大結腸症
(4) 慢性偽性腸閉塞(CIPO)
(5) 消化器外科(手術後に生じる腸閉塞)
(6) 炎症性腸疾患(IBD)
(7) おわりに
2 循環器疾患と便秘[石山裕介,苅尾七臣]
(1) 便秘と循環器疾患の関連
(2) 便秘の機序と循環器疾患の発症
(3) 便秘や排便時のいきみが血圧に与える影響
(4) 循環器疾患患者の便秘診断のポイント
(5) 循環器疾患患者の便秘治療のポイント
3 パーキンソン病と便秘:レヴィー小体型認知症を含めて[榊原隆次]
(1) はじめに
(2) パーキンソン病と関連疾患
(3) PD・DLBの消化管症状
(4) 病態生理と検査
(5) PD・DLBの消化管症状の治療
(6) おわりに
4 精神疾患(認知症を含む)と便秘[中村 祐]
(1) 精神科で最も多く遭遇する身体疾患は?
(2) なぜ,うつ病と統合失調症で便秘が多い?
(3) 認知症では便秘が多い?
(4) 精神疾患に合併する便秘の対処方法は?
5 糖尿病と便秘[上芝 元]
(1) 糖尿病における消化管機能障害
(2) 糖尿病治療薬の影響
(3) 糖尿病と大腸がん
(4) 糖尿病における便秘の治療
6 がん・疼痛緩和と便秘[東端孝博]
(1) がん患者の多くの症状は便秘に通じる
(2) がん患者が便秘になりやすい理由
(3) 悪性消化管閉塞
(4) がん患者における薬剤性便秘
(5) おわりに
7 腎疾患と便秘[髙島弘至,阿部雅紀]
(1) CKD・透析患者における便秘
(2) CKD・透析患者における便秘の原因
(3) CKD患者における便秘治療
(4) おわりに
8 産婦人科領域の便秘[北川博之]
(1) 妊産婦は便秘になりやすい
(2) 妊婦・授乳婦の便秘治療の基本的な考え方
(3) 便秘予防には食生活,排便習慣の確立が重要
(4) 妊婦・授乳婦への投与の観点からみた各種便秘薬の特性
(5) 快食快便は人生の宝物
9 排尿障害と便秘[橘田岳也]
(1) 排尿障害
(2) 過活動膀胱の病態,治療
(3) OABの診断
(4) OABのリスク
(5) OABの治療
10 在宅医療と便秘[木村貴純]
(1) 高齢化する日本の現状と在宅医療
(2) 在宅療養患者の便通異常
(3) 便秘診療と多職種連携
11 小児領域の便秘[十河 剛]
(1) 本邦小児の便秘の疫学
(2) 排便のメカニズムと慢性機能性便秘症の病態
(3) 小児の便秘治療の基本
(4) 便塞栓の診断
12 整形外科領域の便秘[奥田貴俊,石島旨章]
(1) はじめに
(2) 膀胱直腸障害による便秘
(3) 薬剤性便秘
(4) 便秘薬内服による合併症
13 リハビリテーション領域での便秘対策[花田拓也]
(1) リハビリテーション患者の便秘の病態,特徴
(2) リハビリテーション患者のトイレ動作事情 ~さまざまな危険があるかもしれない~
(3) 薬物療法 ~効かせすぎ禁忌~
(4) リハビリテーション(動作練習) ~安全に,迅速にトイレにたどり着く①~
(5) 環境整備 ~安全に,迅速にトイレにたどり着く②~
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書籍情報
- ISBN:9784758123914
- ページ数:261頁
- 書籍発行日:2022年4月
- 電子版発売日:2022年4月21日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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