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- Table Top Exercise 机上演習で学ぶ人工呼吸器トラブルシューティング WEB動画付
商品情報
内容
人工呼吸管理中のトラブルは、物言えない患者さんのトラブルでもあるため、人工呼吸器のメッセージをしっかり読み取る必要がある。慌てず、しっかり対応できるために、人工呼吸管理中に起こるトラブルをきちんと整理(基礎固め)しながら、そのトラブルに立ち向かう術をWEB動画とともに伝授。トラブルに対処できるようになりたいすべての医療従事者(医師・看護師・臨床工学技士・理学療法士など)に役立つ1冊。
あわせて読む → WEB動画で学ぶ人工呼吸管理 基礎がわかれば実践できる
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序文
はじめに
人工呼吸器のトラブルシューティングというと、とても敷居が高い学習で、書籍を読む前から尻込みしてしまう人もいるのではないでしょうか。でも、何とか「知りたい」「身につけたい」もしくは「アラームにビビりたくない」という思いがあり、この本を手にとられたことと思います。これまでの人工呼吸器のトラブル対応やアラーム対応を取り扱っている成書を見ると、「〇〇アラームが鳴った場合」→「〇〇が考えられます」のように、アラームに関して考えられる原因の説明が繰り返し展開されているのが一般的かもしれません。
しかし、実際の臨床では、書籍に挙げられているような事例と全く同じ状況でアラームやトラブルが発生するということはありません。つまり、「アラーム」→「対応」だけを単純に暗記しているだけでは、実際の臨床で起こる多様なトラブルに対応することができないのです。
トラブルシューティングは応用問題なのです。つまり、応用問題は基礎ができていなければ解くことはできません。
「基礎ができている」。仮にこれを「何かしらの公式を暗記している」ということにしましょう。しかし、この公式を覚えているだけでは現実で起こる応用問題は解けないのです。なぜでしょう? それは、公式を繰り返し使うという「練習」が不足しているからです。小学生・中学生の勉強でも同じですね。トラブルシューティングを習得するのに近道はありません。そろそろ皆さんもこれからやるべきことがわかってきたのではないでしょうか。
トラブルシューティングを身につけるために必要なことは、まず「基礎を固める」。いわゆる課題を解くための公式のようなものを覚えなくてはいけません。そして次に必要なことは、その公式が使えるように練習することです。
本書の構成は、基礎から始まって、それを臨床にどのように活用・適応させていくのかという流れになっています。まずは、第1~4章で、トラブルシューティングに必要な基礎知識を学習します。そのためには「グラフィック」と「肺メカニクス」の知識が必要となります。なぜこの2 つの知識が必要なのか、それは、第5~7章で明らかになります。それらを身につけた後は、第8~9章で、症例をもとに、グラフィックと肺メカニクスをどのように活用してトラブルに対応していけばいいのか、机上トレーニングをしながら理解を深めます。机上トレーニングを繰り返し行い「イメージ」できるようになれば、臨床現場で何かしらのトラブルに遭遇したとしても、そう驚くことはなく冷静に対処することができるでしょう。
そして、本書のもう一つの特徴は、研修の「作り方」を学ぶことができることです。第10章では、「チームでスキルアップするための研修の作り方」というテーマで、読者の皆さんの施設のチーム力を上げるための研修の「作り方」を学んでもらおうと思います。「何で?トレーニングの作り方を学ばなければならないの?」と思われた方もいるかもしれませんが、トラブルシューティングの知識や技術は、誰か一人だけが身につけたとしても、患者さんの命を守ることはできません。チームが同じ目線で、患者さんと人工呼吸器に向き合わなければなりません。共通言語も必要ですし、トラブルに対する考え方も概ね同じ方向を向いている必要があります。そのためには、やはり効果的なトレーニングを読者の皆さんの施設に組み込む必要があります。特に、様々な職種が管理に関わる人工呼吸器だからこそ、多職種で学ぶ必要があるのです。まさにチーム医療ですね。
2021年8月
日本呼吸ケア教育研究会
安田 英人・山田 紀昭
目次
はじめに
動画閲覧方法のご案内
第1章 トラブルは起きるもの、さて、どうしよう?(山田 紀昭)
1.人工呼吸器のトラブルとは?
2.トラブルシューティングの考え方
3.ステップ①:トラブルの種類
4.ステップ②:トラブルの起こる部位
5.ステップ③:トラブルの原因
6.トラブルシューティングの考え方 〜まとめ〜
第2章 トラブルシューティングのためのグラフィック(基礎編)(山田 紀昭)
1.はじめに ~トラブルシューティングの基礎知識としてのグラフィックと肺メカニクスの重要性~
2.グラフィックの基礎
第3章 トラブルシューティングのための肺メカニクス(安田 英人)
1.トラブルを理解するために必要な呼吸生理学
2.トラブルを鑑別するために必要な肺メカニクスの知識
第4章 トラブルシューティングのためのグラフィック(応用編)(山田 紀昭)
1.グラフィックをトラブルシューティングに役立てる
2.非同調を見極める
3.リークを見極める
4.グラフィックの応用 番外編① 「回路内の水滴」を見極める
5.グラフィックの応用 番外編② 「メカニクスの鑑別」を見極める
第5章 トラブルシューティングを実践する(総論)(山田 紀昭)
1.トラブルシューティングに立ち向かう準備
2.トラブルシューティングは、謎解き!?
3.トラブルシューティングの優先順位を考える
4.人工呼吸器のトラブル警戒レベルの設定
5.人工呼吸器トラブルシューティングの「メンタルモデル」を共有する
6.フローチャートを使ってトラブルを解決する
第6章 トラブルシューティングを実践する(各論①)~頻度が高く、かつ危機的なアラーム~(山田 紀昭)
1.気道内圧上昇
2.1 回換気量低下
第7章 トラブルシューティングを実践する(各論②)~様々なアラームに対応する~(山田 紀昭)
1.気道内圧低下
2.無呼吸
3.呼吸回数上昇
4.1 回換気量上昇
5.分時換気量低下
6.分時換気量上昇
第8章 Table Top Exercise(TTEx:机上演習) の学習方法~インプットからアウトプットへ使える知識にするための訓練~(山田 紀昭)
1.Table Top Exercise その①:学習方法
2.Table Top Exercise その②:学習の流れ
3.Table Top Exercise その③:練習症例
第9章 Table Top Exercise(TTEx:机上演習)の実践~臨床の場面をイメージして、とことん練習する~(山田 紀昭)
症例1
症例2
症例3
症例4
症例5
第10章 チームでスキルアップするための研修の作り方(山田 紀昭)
1.なぜ、研修の作り方が重要なのか? 〜意義・必要性について〜
2.研修はしっかりデザインしよう!
3.インストラクショナルデザインとは
4.研修設計のプロセス(ADDIE モデル)
5.分析フェーズ:現場で何が困っているか分析する
6.設計フェーズ:研修・トレーニングの学習目標を明確化する
7.評価とは何か?
8.適切な教授方法の選択
9.あなたの作った研修をチェックしてみよう
10.最後に
索引
あとがき
日本呼吸ケア教育研究会 ワークショップの紹介
著者プロフィール
COLUMN
1 Dr 安田からのワンポイントアドバイス「レベル0 が起こったらどうしよう」
2 “分時換気量関連アラーム”の話
3 研修設計プロセスの真髄
4 学習成果をイメージした、学習目標設定のコツ
5 学習成果を踏まえた、学習目標の設定方法とは?!
6 研修・トレーニング開発のID チェックリストの実践
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書籍情報
- ISBN:9784765318778
- ページ数:206頁
- 書籍発行日:2021年9月
- 電子版発売日:2021年9月15日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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