• m3.com 電子書籍
  • ケーススタディで学ぶ 脳動脈瘤クリッピングの5ステップ

ケーススタディで学ぶ 脳動脈瘤クリッピングの5ステップ

  • ページ数 : 154頁
  • 書籍発行日 : 2022年3月
  • 電子版発売日 : 2022年3月30日
11,000
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 200pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

脳動脈瘤のクリッピング手術を、5つのステップに分けて詳述!

脳動脈瘤に対するクリッピング手術は、脳神経外科医にとっては基本的な手術手技で、日常的に行われる手術である。その手技を、わかりやすく、具体的に解説したもの。
動脈瘤の部位別に述べるのではなく、動脈瘤の画像診断を行って手術戦略を立案するステップから手術を実施して振り返るまでの時系列に沿い、5つのステップに分けて詳述したものである。それぞれのステップにおいて、大切にすべき幾つかのポイントを挙げ、その理解を助けるためのケーススタディを数多く集めて理解しやすく工夫している。主として基本的なコンセプトや手技を中心にまとめてある。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

はじめに


脳動脈瘤に対するクリッピング手術は,脳神経外科医にとっては基本的な手術手技に分類される。一般的な脳神経外科施設においては,破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術は日々行われる可能性がある手術である。施設によっては,未破裂脳動脈瘤の手術も日常的に行われる手術であろう。

一言で「クリッピング手術」と言っても,極めて広範な手術内容を含んでおり,当然その難易度の範囲も非常に広い。専門医試験前の専攻医が対応可能なものもあれば,限られた施設でしか対応出来ないような手術も含まれている。従って,一通りの「クリッピング手術」を習得するためには,数多くの経験と時間を要する。

一方,脳動脈瘤の治療ということに関しては,血管内治療の使用機器・材料および技術の進歩は,急速な適応の拡大をもたらしつつある。これまではクリッピング手術の適応と考えられていた動脈瘤が,問題なく血管内治療にて治療される時代となっている。その進歩の速度には目を見張るものがある。

しかしながら,全ての動脈瘤が血管内で治療される日が直ちにやって来るとは考え難い。さらには,クリッピングを含む直達手術に託される症例は複雑な症例に偏るという考えもある。この状況において脳神経外科医は,確実に少なくなりつつある手術症例数で,「クリッピング手術」という技術を効率良く習得していかねばならない。

この教科書は,脳動脈瘤のクリッピング手術を,動脈瘤の部位別に述べるのではなく,動脈瘤の画像診断を行って手術戦略を立案するステップから手術を実施して振り返るまでの時系列に沿い,5つのステップに分けて詳述するものである。それぞれのステップにおいて,大切にすべきいくつかのポイントを挙げ,その理解を助けるためのケーススタディを数多く集めて理解しやすく工夫している。主として基本的なコンセプトや手技を中心にまとめてある。

「脳神経外科医になったからには脳動脈瘤クリッピング術の術者であると胸を張って言えるようになりたい!」と切に考えるような,これから「クリッピング手術」を学ぼうという初学者はもちろん,ある程度の経験を経た術者の考え方のまとめとしても役に立てるのではないかと思っている。


令和4年1月

西 徹

目次

ステップ0

0-1 本書のコンセプト

0-2 近年の脳動脈瘤手術の傾向 1

0-3 脳動脈瘤手術の学習方法の提案

ステップ1:画像の検討・手術のプランニング

1-1 手術を行うのに必要な画像診断を行う

1-2 必要な画像を自分で作る

ケーススタディ1-1:前床突起削除が必要な症候性内頚動脈瘤の場合

ケーススタディ1-2:破裂内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤の場合

1-3 詳細に画像を検討して戦略を練り、共有する

ケーススタディ1-3:髄膜腫に取り込まれた前大脳動脈の温存を図る手術戦略の立案

ケーススタディ1-4:Interhemispheric approachが適切と思われる前交通動脈瘤

ケーススタディ1-5:PSCVの存在により右片側interhemispheric approachが容易であった症例

ケーススタディ1-6:右にのみ存在するPSCVを利用して右片側interhemispheric approachを行った症例

ケーススタディ1-7:左にのみ存在するPSCVを利用して左片側interhemispheric approachを行った症例

ケーススタディ1-8:PSCVが存在しない場合のオプションとして、上矢状洞と大脳鎌を切断する

ケーススタディ1-9:アルゴリズムに従うと理想的なクリッピングが困難と考えられ、クリッピング可能な方向からのアプローチを選択した症例

ケーススタディ1-10:前頭洞の開放を意図的に避けて片側interhemispheric approach を行った症例

ケーススタディ1-11:大脳縦裂の底部全体を剥離することなく動脈瘤の処置が可能であった症例

ケーススタディ1-12:大きな脳底動脈先端部動脈瘤へのcombined approach

ケーススタディ1-13:術前画像から側頭葉の牽引を戦略とした破裂脳動脈瘤

ケーススタディ1-14:画像検討により開頭範囲と頭位の工夫を行った症例

ケーススタディ1-15:破裂前交通動脈瘤へのアプローチで共有する戦略

1-4 技師さん達と共に成長する

ケーススタディ1-16:前頭側頭開頭の皮膚切開をデザインするために浅側頭動脈の走行を知る

ケーススタディ1-17:行われた手術内容を考えた術後フォローアップのために必要な 画像作成

ケーススタディ1-18:前大脳動脈遠位部動脈瘤の術前検討用画像

ステップ2:体位・開頭

2-1 戦略に沿った開頭・皮膚切開・頭位

ケーススタディ2-1:症候性右前大脳動脈(A1)血栓化動脈瘤に対する手術時の開頭と皮膚切開

ケーススタディ2-2:脳底動脈先端部未破裂動脈瘤に対する開頭と皮膚切開

ケーススタディ2-3:M1が上に凸の場合の戦略

ケーススタディ2-4:M1が長く動脈瘤が側頭葉内に埋没する場合の戦略

ケーススタディ2-5:前交通動脈瘤に対するtrans-sylvian approach

2-2 安全と整容面にも配慮した頭部の固定、皮膚切開、開頭を行う

ステップ3:瘤へのアプローチ ・ネックの剥離・クリッピング可能の見極め

3-1 脳に対して低侵襲の術野展開を行う

ケーススタディ3-1:静脈切断に起因すると思われる脳損傷を来した症例

ケーススタディ3-2:脳底部静脈切断と前頭葉圧迫による脳損傷を来した症例

ケーススタディ3-3:2本目と3本目の間で静脈を剥離・温存し、前床突起の削除を行ってクリッピングを完遂した症候性内頚動脈瘤症例

3-2 Temporary clipは極めて有用

ケーススタディ3-4:Temporary clipの使用が有用であった脳底動脈先端部動脈瘤症例

3-3 必要な構造物を露出・確認する

ケーススタディ3-5:Falciform ligamentの切開で処置が可能となった症候性右内頚動脈-眼動脈岐部未破裂脳動脈瘤

ケーススタディ3-6:部分削除:内側向きの無症候性左内頚動脈眼動脈分岐部未破裂脳動脈瘤

ケーススタディ3-7:部分削除:前向き・上向きの前壁動脈瘤

ケーススタディ3-8:部分削除:中枢側ネックが前床突起内側上端よりも高い内側壁動脈瘤

ケーススタディ3-9:全体削除:中枢側ネックが前床突起上端よりも低い内側壁動脈瘤

ケーススタディ3-10:全体削除:外側向きでdomeが前床突起内側と癒着している動脈瘤

3-4 クリッピングのオプションを考えてクリッピング可能か否かを見極める

3-5 非常事態に対する対処を準備する

ステップ4:クリッピング

4-1 「これしかない!」という思い込みは危険

ケーススタディ4-1:通常と異なる方向からのクリッピングが必要であった破裂左内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤

4-2 クリッピングの問題点とその原因・対策について熟知する

ケーススタディ4-2:クリッピング時にラバーシートを用いて静脈や脳を保護する

ケーススタディ4-3:ネックに対して垂直のclippingを行った症例

ケーススタディ4-4:左の未破裂IC-PC動脈瘤の症例

ケーススタディ4-5:クリップ閉鎖の方向を考えるべき症例

ケーススタディ4-6:ブレード挿入方向の変更が必要であった左破裂内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤の症例

ケーススタディ4-7:くも膜の外側からブレードを挿入した切迫破裂左内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤

ケーススタディ4-8:クリッピング挿入から閉塞にかけて多くの操作が必要であった破裂動脈瘤

ケーススタディ4-9:セルロースボールによりブレードの挿入を容易にした前交通動脈瘤

ケーススタディ4-10:Combination clippingで閉塞したazygous artery末梢動脈瘤

ケーススタディ4-11:1本目の軸が適切でなく、domeが一部残存した破裂前交通動脈瘤

ケーススタディ4-12:正しい軸での閉鎖で完全に動脈瘤が閉鎖可能であった右中大脳動脈瘤

ケーススタディ4-13:3本のクリップで閉塞した症候性右内頚動脈瘤

ケーススタディ4-14:複雑なcombination clippingが必要であった左内頚動脈頂部動脈瘤

ケーススタディ4-15:Assist clipを用いたクリッピングを行った前大脳動脈遠位部未破裂動脈瘤

ケーススタディ4-16:Clipping on wrappingを行った内頚動脈前壁非分岐部動脈瘤

ケーススタディ4-17:Clipping on crossed wrappingを行った右内頚動脈後外側の血豆状動脈瘤

ケーススタディ4-18:左内頚動脈内側に発生した血豆状内頚動脈瘤に対してfenestrated clipを用いてclipping on wrappingを行った症例

ケーススタディ4-19:Tentative parallel clippingが必要であった未破裂中大脳動脈瘤

ケーススタディ4-20:1本目の深さを調節するtentative parallel clippingの方法を用いた破裂右内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤

ケーススタディ4-21:内部の血栓除去を必要とした症候性右前大脳動脈血栓化動脈瘤

ケーススタディ4-22:Suction decompressionが有効であった右内頚動脈破裂脳動脈瘤

ケーススタディ4-23:Tandem clippingを行った症候性未破裂脳動脈瘤

ケーススタディ4-24:Domeからの動脈剥離を行った中大脳動脈瘤

ケーススタディ4-25:Domeから静脈と小動脈の剥離が必要であった左中大脳動脈瘤

ケーススタディ4-26:分岐血管の血流温存のため、血管形成的なクリッピングを行った破裂左内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤

ケーススタディ4-27:Domeと癒着した血管を剥離せずに血管形成的にcombination clippingを行った右未破裂中大脳動脈瘤

ケーススタディ4-28:Domeと癒着した血管を剥離せずに血流を温存しながらクリッピングを行った破裂中大脳動脈瘤

ケーススタディ4-29:Domeと癒着した血管を剥離せずに血流を温存しながらクリッピ ングを行った未破裂中大脳動脈瘤

4-3 モニタリングを行う

ケーススタディ4-30:MEPによるモニタリングが有効であった右内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部未破裂動脈瘤

4-4 掛け急がず、1回で決める。しかし、納得がいくまでやり直す

ステップ5:手術のまとめ・反省

5-1 後で役立つ手術記録

5-2 自分なりのデータベースを作成する

5-3 反省を改善に繫げる

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:33.1MB以上(インストール時:69.1MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:132.6MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:33.1MB以上(インストール時:69.1MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:132.6MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784765319034
  • ページ数:154頁
  • 書籍発行日:2022年3月
  • 電子版発売日:2022年3月30日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。