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- 体腔液細胞診カラーアトラス
商品情報
内容
体腔液細胞診はがんの予後診断や悪性中皮腫の診断などにおいて重要な位置づけにあるが、その技術・診断についてわかりやすく解説のなされた書籍は殆どなかった.本書は簡潔な解説と豊富かつ鮮明なカラー写真で体腔液細胞診のポイントを解説する,病理医,臨床検査技師,細胞検査技師必携のアトラスである.巻末の章には読者の診断力向上の一助とするため症例問題30問を収録.初心者から上級者まで幅広く利用可能な書籍とした.
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序文
序文
細胞診は,病変を推定する重要な病理診断として,現在,様々な方法で各種臓器に対しての適応範囲が広がっている.とくに,胸水,腹水などの検体においては病理診断のもう1つの柱である組織診よりも,細胞診の果たす役割は確実に高いと思われる.近年,体腔液細胞診は画像機器の発達と相まって,その検体数は増加傾向にあるが,体腔液の貯留そのものは中皮腫や悪性腫瘍も含めて種々の代謝疾患でも惹起されることから,診断に当たっては幅広い組織・細胞学的知識が必要とされることは言うまでもない.
遅きに失する感は否めないが,2010年4月の診療報酬改定にて「術中迅速細胞診」が独自の診療報酬項目として認定され,2014年にはようやくLBC(liquidbasedcytology;液状処理細胞診標本)にも保険点数が付与されるようになった.細胞診断に対する社会的な認知の高まりに呼応した結果と解釈される.
その中で,体腔液細胞診での最も重要な診断ポイントは組織型推定も含めた良・悪性診断である.これは検体中に“がん細胞”が認識された場合は,その患者の重要な予後因子と成り得るからで,さらに薬物療法などを追加施行した後の体腔液中での“がん細胞”の存在診断が治療継続の判断に必要不可欠な情報として臨床に提供される.また,アスベスト曝露による健康被害をきっかけにして,“アスベスト新法”が成立する中で,中皮腫の診断も体腔液を診断するわれわれにとって非常に大きな比率を占めるようになってきている.
このような社会情勢も踏まえ,本書では今まで総花的に取り上げられてきた体腔液細胞診について深く追求し,多様な形態を示す中皮腫細胞,それと鑑別を必要とする反応性中皮細胞,さらに原発臓器と分化度別に分類した“がん細胞”など多くの症例(写真)を提示し,初心者から上級者まで幅広く利用可能な書籍を目指した.総論では体腔液細胞診を行う上で必要な病理学的知識や技術,免疫染色の応用などについて簡潔にまとめて掲載している.さらに各論はもとより,自己診断症例を30例掲載し,とくにこれから細胞診を学ぶ医師,臨床検査技師になるべくわかりやすいように,それぞれの選択肢を比較して解説を加えた.
本書が体腔液領域の細胞診に携わる細胞検査士・細胞診専門医を始め,細胞検査士や専門医を目指す方々の必須の実用書としてご利用いただければ幸甚である.
終わりに,本書の編集作業については,多くの関係者のご協力をいただいたことを付言し感謝申し上げる.さらに,文光堂の五十嵐正雄社長,実務担当の日野水邦之氏に本書の出版に多大なご協力をいただいたことに深く感謝する.
2012年4月
日本医科大学付属病院病理部教授
土屋眞一
目次
1章 総 論
Ⅰ.技術
1.退色標本の再染色法
2.溶血法
3.セルブロック作製法
①各種容器を用いたセルブロック作製法
②グルコマンナンメチレート法
4.細胞転写法
II.免疫染色の応用
1.良性・悪性判定に有用なマーカー
2.組織型推定と原発不明腫瘍の検索に有用なマーカー
3.悪性中皮腫診断に有用なマーカー
III.疑陽性領域の細胞像
1.腺癌細胞の見方
2.悪性中皮腫細胞の見方
3.疑陽性領域における免疫染色の応用
IV.術中体腔洗浄細胞診
1.迅速パパニコロウ(Pap.)染色,迅速PAS反応
2.Giemsa染色
Ⅴ.リンパ球系細胞の見方・考え方
VI.細胞診断に必要な病理学
1.腺癌
①乳頭型腺癌
②管状型腺癌
③印環細胞癌
④粘液癌
⑤腺扁平上皮癌
⑥紡錘細胞癌あるいは巨細胞を含む癌
⑦内分泌腫瘍
2.扁平上皮癌
3.悪性移行上皮性腫瘍
移行上皮癌
4.リンパ・造血器腫瘍
①急性骨髄性白血病(AML)
②慢性骨髄性白血病(CML)
③急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫
④ホジキン(Hodgkin)リンパ腫
⑤濾胞性リンパ種
⑥びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
⑦形質細胞腫
⑧バーキット(Burkitt)リンパ腫
⑨原発性滲出液リンパ腫(primary effusion lymphoma:PEL)
⑩成人T細胞性白血病/リンパ腫
⑪未分化大細胞リンパ腫
5.その他
①乳癌
②子宮・卵巣
③甲状腺癌
④肝細胞癌
⑤混合型肝癌
⑥腎細胞癌
⑦中皮腫
⑧神経芽腫群腫瘍
⑨メルケル(Merkel)細胞癌
⑩悪性黒色腫
⑪肺細胞腫瘍
⑫明細胞肉腫
2章 実践編
1.肺
1)扁平上皮癌(高分化型)
2)扁平上皮癌(低分化型)
3)腺癌(高分化型1)
腺癌(高分化型2)
4)腺癌(中分化型)
5)腺癌(低分化型)
6)腺癌(乳頭型)
7)小細胞癌
8)大細胞神経内分泌癌
9)滑膜肉腫(低分化型)
10)骨髄巨核球(術中混入)
11)腺癌;化学療法後
2.食道
1)扁平上皮癌
2)腺癌
3)腺扁平上皮癌
3.乳腺
1)浸潤性乳管癌;乳頭腺管癌
2)浸潤性乳管癌;充実腺管癌
3)浸潤性乳管癌;硬癌
4)粘液癌
5)浸潤性小葉癌
4.胸膜・腹膜
1)静止期(剥離)中皮細胞
2)反応性中皮細胞1
反応性中皮細胞2
反応性中皮細胞3
3)悪性中皮腫;上皮型1
悪性中皮腫;上皮型2
悪性中皮腫;上皮型3
悪性中皮腫;上皮型4
4)明細胞型中皮腫
5)高分化型乳頭状中皮腫
5.リンパ節
1)濾胞性リンパ腫
2)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
3)バーキットリンパ腫
4)成人T細胞性リンパ腫(ATL)
5)未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)
6)リンパ芽球性リンパ腫
付)体腔原発悪性リンパ腫(PEL)
6.甲状腺
1)乳頭癌
7.胃
1)管状腺癌(高分化型)
2)管状腺癌(中分化型)
3)低分化型腺癌(充実型)
4)低分化型腺癌(非充実型)
5)印環細胞癌
6)粘液癌
7)内分泌細胞癌
8)腺癌;化学療法後
8.腹腔
1)消化管間質腫瘍(GIST)
9.大腸
1)管状腺癌(高分化型)
2)管状腺癌(中分化型)
3)低分化型腺癌(充実型)
4)低分化型腺癌(非充実型)
5)印環細胞癌
6)絨毛癌への分化を伴った低分化型腺癌
10.虫垂
1)腺癌(中分化型)
2)粘液性嚢胞腺癌
3)粘液性腺癌
4)腹膜偽粘液腫
11.肝臓
1)肝細胞癌
2)肝内胆管癌
3)混合型肝癌
12.胆道
1)乳頭腺癌
2)管状腺癌(高分化型)
3)管状腺癌(中分化型)
4)管状腺癌(低分化型)
5)粘液癌
13.膵臓
1)管状腺癌(高分化型)
2)管状腺癌(中分化型)
3)低分化型腺癌
4)粘液癌
5)腺癌;化学療法後
14.腎臓
1)腎細胞癌(淡明細胞癌)
2)乳頭状腎細胞癌
15.膀胱
1)尿路上皮癌
2)尿膜管癌
3)尿路上皮癌;micropapillary variant
16.前立腺
1)腺癌(高分化型)
2)腺癌(中〜低分化型)
17.卵巣
1)漿液性嚢胞腺癌
2)粘液性嚢胞腺癌
3)類内膜腺癌
4)癌肉腫〔悪性ミュラー管混合腫瘍〕
5)明細胞腺癌
6)移行上皮癌
7)小細胞癌
8)顆粒膜細胞腫
9)未分化胚細胞腫
10)卵黄嚢腫瘍
11)胎児性癌
12)未分化神経外胚葉腫瘍
18.子宮
頸部
1)扁平上皮癌
2)粘液性腺癌
体部
3)類内膜腺癌G1
4)類内膜腺癌G3
5)扁平上皮への分化を示す類内膜腺癌
6)明細胞腺癌(UCC)
7)漿液性腺癌(USPC)
8)粘液性腺癌
9)小細胞癌
10)平滑筋肉腫
19.造血器
1)急性骨髄性白血病(AML)
2)慢性骨髄性白血病(CML)
3)慢性骨髄性白血病の急性転化
4)形質細胞性腫瘍
20.その他
1)明細胞肉腫
2)メルケル細胞癌
3)神経芽腫
4)神経節神経芽腫
5)無色素性悪性黒色腫
6)悪性黒色腫
3章 問題編
問題1〜30
解答
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書籍情報
- ISBN:9784830604720
- ページ数:200頁
- 書籍発行日:2012年4月
- 電子版発売日:2023年2月22日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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