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- 高脂血症診療ガイド 第2版
商品情報
内容
生活習慣病の1つとして注目される高脂血症診療に関するわかりやすいガイドブック.第1部では著者の豊富な臨床経験に基づき,あえて脂質の検査結果だけで行うシンプルで実行しやすい「高脂血症診療ガイド」として,手元において日常診療に役立つ指針をまとめた.第2部「高脂血症の理解を深めるために」では,わが国での高脂血症の研究と臨床の変遷について豊富な自験例を交えながら平易に解説し,より専門的な知識を盛り込んだ.
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序文
改訂にあたって
本書の初版が出版されたのは2005年のことであり,以来7年を経過した.この間,多くの方々にご愛読いただき,ここに版を重ねることが出来たのは筆者にとって誠にうれしいことである.
脂質研究の進歩は他の分野と同様に日進月歩で,加速度的に増加していく情報量の中から意味あるものを的確に選択していくことが大仕事の時代になった.脂質異常症に関する臨床は,診断のうえでも治療の考え方についても変わってきており,初版以降の進歩・発展を踏まえて,ここに改訂することとなった.
この度の第2版の執筆にあたっては,特に以下の点の充実と再考に努めた.①“目で診る高脂血症” の項をより充実させた.とかく脂質異常症は数字や統計ばかりが多く,なかなか実態が見えて来ない疾患として敬遠されがちである.改訂にあたっては,高脂血症を十分に埋解していただくために,写真や図表を更に数多く取り入れるように努めた.②低HDLコレステロール血症については,「低脂血症」を新たに項目立てし,その中で最も重要な病態として位置づけて詳しく扱った.③診断については,近年の分子遺伝学的研究の進歩によって,「家族性高コレステロール血症」についても「高カイロミクロン血症」においても,原因の多様性が次第に明らかにされてきている.筆者らの経験も加えて,これらについての新しい知見を増補した.④治療においては,近年,高コレステロール血症については吸収阻害剤エゼチミブが,低HDLコレステロール血症についてはCETP阻害剤が注目されている.これらの薬剤の現状についても解説した.
近年,高脂血症という名称の下では低HDLコレステロール血症の存在がなおざりにされやすいことから,脂質異常症へと呼称を改めることも提唱されている.しかし筆者は,本書のタイトルを,一般病名としてすでに市民権を得ている高脂血症の名称をそのまま継承して,『高脂血症 第2版』とすることにした.
本書を改訂するにあたっては,文光堂取締役:嵩 恭子氏と編集部:髙橋 格氏,賴高 誠氏に大変お世話になった.心から謝意を表したい.
2012年6月
村勢 敏郎
目次
本書における用語の使い方について
<カラー口絵>初診時のヒント
A. 目で診る高脂血症
B. 検査で診る高脂血症
はじめに
第1部 高脂血症診療ガイド
1章 初診時に注意すること
A. 高脂血症のスクリーニングは日常検査での異常値から
B. 病歴と家族歴の問診を怠らないこと
C. 生活習慣(ライフスタイル)についてよく聴くこと
D. 身体所見をとるポイント
E. 合併症のチェック
2章 高脂血症診断のすすめ方
Step-1. 高脂血症の診断は血清脂質の測定に始まる
A. 血清脂質に関する検査
総コレステロール(TC)
HDLコレステロール(HDL-C)
中性脂肪(トリグリセリド:TG)
[LDLコレステロール(LDL-C)ないしはnon-HDL-C上記検査値から計算]
B. 血糖と甲状腺機能に関する検査を忘れずに
空腹時血糖値あるいは随時血糖値
ヘモグロビンA1c(HbA1c)
甲状腺刺激ホルモン(TSH)
Step-2. 血清脂質値の読み方
A. 血清脂質値の分布について
B. 高脂血症の実用的診断基準
Step-3. 高脂血症診断のすすめ方
A. 高脂血症の診断
1.高コレステロール血症の場合
2.高中性脂肪血症の場合
3.コレステロールと中性脂肪の両者がいずれも高い場合
B. 高脂血症の成因を探る
C. 重症高脂血症を選別する
[もう少し知っておきたいこと]
A. リポ蛋白とその代謝について
1.リポ蛋白とその構造
2.リポ蛋白の種類とその代謝について
3.リポ蛋白受容体
4.リポ蛋白代謝にかかわる酵素・蛋白
B. 動脈硬化を引き起こすリポ蛋白と防ぐリポ蛋白
C. 高脂血症のいろいろな病型
D. 高脂血症の診断や治療のための検査
3章 高脂血症の治療
A. 高脂血症治療のすすめ方
1.高脂血症治療の基本
2.血清脂質の治療目標値
B. 食事療法
1.食事療法のすすめ方
2.高コレステロール血症の場合
3.高中性脂肪血症の場合
4.症例に学ぶ食事療法の大切さ
C. 運動療法ー身体活動の活性化と運動ー
1.運動の効果
2.運動療法は,まず日常生活での身体活動の活性化から
3.運動療法の実際
D. 薬物療法
1.薬物療法の適応
2.代表的な高脂血症治療薬剤
HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン系薬剤)
胆汁酸吸着剤
プロブコール
エゼチミブ(コレステロール吸収阻害剤)
フィブラート系薬剤
その他の高脂血症治療薬剤
ニコチン酸製剤
エイコサペンタエン酸(EPA)
E. 病型別にみた治療薬剤の選択
高脂血症I型
高脂血症II型
高脂血症III型
高脂血症IV型
高脂血症V型
F. その他の治療法
LDLアフェレーシス
4章 低脂血症の診断と治療
A. 低HDLコレステロール血症
(付)メタボリックシンドロームについて
B. 低LDLコレステロール血症
C. 低中性脂肪血症
5章 脂質異常症(高脂血症,低脂血症)治療の基礎
A. 高脂血症,低脂血症はなぜ治療が必要なのか?
1.脂質異常症は冠動脈疾患(CHD)の危険因子である
2.脂質異常症を治療することによってCHDの発症と再発は減少する
3.脂質異常症の治療は,どのような機序でCHDの発症を抑制するのか?
B. 治療についての考え方
1.基本的な考え方
2.CHDの危険因子の多寡を評価する(リスクアセスメント)
3.脂質の管理目標値を設定する
4.小児および高齢者における脂質異常症の治療についての考え方
5.女性における脂質異常症の治療方針について
第2部 高脂血症の理解を深めるために
1章 高脂血症研究の歴史
A. コレステロールの研究
B. 高脂血症研究の歴史
C. 本邦における高脂血症研究の歴史
D. 高脂血症は,量よりも質が問われる時代に
2章 リポ蛋白レセプター,酵素・蛋白,アポ蛋白とそれらの異常
A. リポ蛋白レセプターとその異常
B. 酵素・蛋白とそれらの異常
C. アポ蛋白とそれらの異常
3章 原発性高脂血症,低脂血症の臨床
A. 高カイロミクロン血症ー高脂血症IおよびV型ー
B. 高コレステロール血症ー高脂血症IIaおよびIIb型ー
C. 家族性III型高リポ蛋白血症
D. 高中性脂肪(TG)血症
E. 高HDLコレステロール血症(高HDL-C血症)ーCETP欠損症についてー
F. 高リポ蛋白(a)血症[高Lp(a)血症]
G. 低LDLコレステロール血症
H. 低HDLコレステロール血症
4章 二次性(続発性)脂質異常症の臨床
A. 糖尿病
B. 甲状腺機能低下症と機能亢進症
C. その他の代謝・内分泌疾患
D. 腎疾患
E. 医原性高脂血症
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書籍情報
- ISBN:9784830613821
- ページ数:168頁
- 書籍発行日:2012年9月
- 電子版発売日:2022年6月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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