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- ここが知りたい!! 偽膜性腸炎/CDI~現場発!実臨床で直面するproblemと対処法のすべて
商品情報
内容
偽膜性腸炎とC.difficile infection(CDI)は,どの病棟でも遭遇しうる感染症だが,そのみきわめは難しく,治療後も再発を繰り返すなど,とかく臨床であなたを悩ませることも多いはず.本書は,偽膜性腸炎とCDIの臨床対応のすべてをSHEA/IDSAの2010年ガイドラインに依拠し,臨床で苦悩する現場のニーズに迫って掘りさげる.実際に臨床現場から発せられたQuestion/Problemをもとに,臨床経験および文献フォロー数ともに豊富な執筆陣が,エビデンスと自身の経験に基づいて解説.
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序文
序文
本書は,最近増加傾向が著しい疾患であるClostridium difficile infection(CDI)を本格的に取り上げた一冊である.CDIは,全世界でその対策が取られつつあり,わが国では未経験のCDIの爆発的な流行も懸念される.この疾患は,厚労省でも対策が考慮され,3年前に薬物の重篤な副作用疾患として取り上げられた.そのときも,鈴木康夫先生とご一緒に担当して一冊を纏めた.その後,文光堂より単行本としての企画が持ち上がり,新たに感染症の専門家にも加わって頂き,今後の対応にも配慮した本書を企画した.
偽膜性腸炎とCDIは抗菌薬起因性疾患という性格から,どの病棟でも遭遇しうる疾患であるが,そのみきわめには難しさがあり,臨床で難渋するケースも多い.現在,わが国は未曾有の高齢化社会を迎え,基礎疾患を有した方の消化器疾患の診断と治療に当たる場面が増えつつある.なかには,幾つかのハンディキャップを有する方もあり,治療に難渋する場面もあろう.CDIもそのような考えに一致する疾患でもある.個人的には,既知の腸疾患にCDIが併発し増悪することもよく経験するので,その診断と治療指針には興味がある.21世紀は感染症の世紀である.真剣にCDIの現状を見すえて問題点を考慮すべきときである.
本書は,偽膜性腸炎とCDIの臨床対応のすべてをハンディな一冊に纏めたガイドブックである.3章立ての構成で,以下の内容を詳述した.まず1章は,偽膜性腸炎,CDIとはなにか? とした.2章は,どうみきわめ,どう診断を進めるか(検査結果の臨床判断をどうするか?),とした.3章は治療・再発予防・感染対策はどうすればよいのか? である.これらについて実際に臨床現場から発せられた簡明なclinical questionをもとに,臨床経験豊富で文献検索力にも優れた執筆陣に,エビデンスと自身の臨床経験を踏まえて具体的に解説頂いた.冒頭に述べた目的が理解され,本書が実際に役立つ場面があれば幸いである.
平成23年3月
福岡大学筑紫病院消化器内科
松井 敏幸
目次
1章 偽膜性腸炎/CDIとは
1.オーバービュー
2.Q/A
Q 菌交代現象というのは何ですか?
Q ヒトからヒトへも伝播する可能性はありますか?
Q 偽膜性腸炎はC.difficile infection(CDI)と考えてもよいのでしょうか?
Q C.difficile infection(CDI)の原因となる薬剤にはどのようなものがありますか?
Q ほかの菌でも偽膜ができることもあるそうですが,頻度的にはどの程度でしょうか?
Q 施設間で差はあるとは思いますが,入院患者での大体の頻度はどのくらいでしょうか?
Q 偽膜性腸炎の重症度分類について教えてください
Q 欧米での重症化のアウトブレイクについて知りたいのですが
2章 偽膜性腸炎/CDIをみきわめる(診断のアウトライン)
1.オーバービュー
2.Q/A
Q 特徴的な臨床症状を教えてください
Q 病歴と臨床症状だけで,ある程度のみきわめはつけられますか?
Q 一般検査での所見の特徴は?
Q 偽膜性腸炎の内視鏡所見の特徴を教えてください
Q 他の感染性腸炎との鑑別のポイントを教えてください
Q 内視鏡で,他の腸炎との鑑別のポイントがあれば教えてください
Q 内視鏡で偽膜があればCDIと判断して構わないでしょうか?
Q 重症で内視鏡もしにくい場合,どう診断していけばよいでしょうか?
Q 便培養には意味があるのでしょうか? あるとすればどのようなときでしょうか?
Q 培養の検体採取の方法と検査室へのオーダーはどうすればよいでしょうか?
Q C.difficile トキシンの検査は感度に幅があり除外に悩みます.すっきり判断するにはどうすればよいでしょうか?
Q CDトキシンA陰性/B陽性株が問題になっていると聞きます.そのみきわめはどうすべきでしょうか?
Q CDチェック(ラテックス凝集)は簡便ですが,偽陽性が多いと聞きました.臨床での有用性はどこにありますか?
Q 下痢の続く患者で,CDトキシンは陽性なのに内視鏡所見はありません.これをどのようにみきわめていけばよいでしょうか?
Q CDIとMRSA腸炎の鑑別はどのようにすればよいですか?
3章 偽膜性腸炎/CDIに対処する(治療と予防のアウトライン)
1.オーバービュー
2.Q/A
Q C.difficile infection(CDI)で原疾患に対する抗菌薬を止めてよいかどうかの判断のポイントはありますか?
Q 抗菌薬を切りづらい場合,薬剤の変更を考えねばなりませんが,CDIを生じにくい抗菌薬にはどのようなものがあるのでしょうか?
Q バンコマイシンにはVREの可能性がついてまわり,メトロニダゾールは保険外です.一般臨床では,どちらをとるべきでしょうか?
Q CDに対する抗菌薬の投与量と投与期間はどのように考えたらよいでしょうか?
Q 臨床現場では内服薬を使えないケースも多々ありますが,なにか有効な方法を教えてください
Q C.difficile infection(CDI)の抗菌薬治療終了のみきわめはどうしたらよいでしょうか?臨床症状が軽快すれば抗菌薬を切ってもよいのでしょうか?
Q IBD患者での重複感染の治療はどのように考えたらよいですか?
Q Probioticsはどのようなときに有効でしょうか? また具体的な方法を教えてください
Q 粘膜保護の目的でグルタミン投与の効果はあるのでしょうか?
Q 再発例に対する治療法はどう考えたらよいでしょうか?
Q C.difficile infection(CDI)の再発リスクがあれば教えてください
Q 再発予防に何かよい方法はありますか?
Q 施設内の感染拡大を防ぐために,医療従事者にどう指導すればよいでしょうか?
Q 一般のアルコール消毒には効果が乏しいと聞きましたが,消毒はどうすればよいでしょうか?
Q 患者の隔離は必要ですか? 必要だとしたらその基準はありますか?
Q 院内感染対策として他になにか注意すべき・指導すべきことはありますか?ー医療従事者への接触感染予防や石鹸での手洗い指導以外にー
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書籍情報
- ISBN:9784830618772
- ページ数:140頁
- 書籍発行日:2011年3月
- 電子版発売日:2022年4月22日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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