- m3.com 電子書籍
- Knack & Pitfalls 膵脾外科の要点と盲点 第2版
商品情報
内容
「外科医が100人いれば100通りの膵手術がある」を前提とした上で,現時点においてもっとも標準的と考えられる膵疾患の手術適応とテクニックをまとめた外科医必読の1冊.外科手術の際に知っておきたいコツ,陥りやすい落とし穴を,的確なカラー写真と美しいシェーマで解説.手術手技に限らず,診断から術後管理に至るまで,手術に役立つ実際的知識を満載.簡潔でわりやすい記述と全頁カラーのvisualな誌面.
≫ 「Knack & Pitfalls」シリーズはこちら
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版
序文
「膵脾外科の要点と盲点」第2 版序文
初版が出てから,はや7 年が経過しました.膵疾患についても大きく変化しています.特に膵管内囊胞粘液性腫瘍(IPMN)についてさまざまな議論が行われ,国際ガイドラインにより全世界的な対応が出てきたということです.その発育・進展様式にはまだまだわかっていない点が多いのですが,大きさや隆起性病変による手術適応および経過観察の指標に,一定の方向が次第に出てきつつあると思われます.
第2 版ではこのあたりの臨床の最近の傾向がよくわかるように編集したつもりですので楽しんでお読みいただければと思います.初版では私の師匠である黒田慧先生に「IPMT の歴史」を執筆していただきましたが,この版でも同じ項目を担当していただきました.本年2 月に「どこか直すところがありますか?」と電話でお聞きしたところ「特にないかな」とのお返事でした.「IPMN とせずIPMT のままでよろしいですか?」「そのままでいいんじゃないかな」とのことでしたのでそのようにさせていただきました.
膵癌に対してはgemcitabin(GEM)やTS─1 による化学療法が生存期間を少しのばせるようになってきました.すばやく手術切除してGEM を使うという考え方も出てきています.しかし,手術による完全切除をめざすのは外科医としての「がん」に対する根本的な譲れない思いです.この点について“ まだまだ外科医はR0の手術をめざします” という姿勢を編集から汲み取っていただけると幸いです.
しかし,まだまだ膵疾患は難治です.外科手術の厳しさと合併症を防ぐための戦いは続いています.膵臓と脾臓にできた疾患の病態を把握し,それに応じた適切な治療が必要なのはいうまでもありません.治療内容が変化してきているものでも,最近行われなくなってきた論文もあるかもしれませんが,それこそ初版で述べたように「外科医が100 人いれば100 通りの膵手術がある」ので,さまざまな手術手技をそのまま残したものもあります.
さらに内分泌腫瘍の発生病理などの基礎的分野や急性膵炎における最近の動向,動注療法における血管解剖などを加えました.まさに膵脾外科の要点と盲点を尽くしているといっても過言ではないと思います.最初からでなくとも,是非興味あるところを読み始めてみていただければと思います.味のある論文がそこかしこにあります.また随所に張り巡らされたコラムやワンポイント・アドバイスは一種の清涼剤として存在いたします.
本書が,膵脾の手術を行う外科医だけでなく,内科医や放射線科医,膵脾疾患を扱うすべての医師にとって興味ある書であることを祈る次第であります.
2009 年9 月
山形大学教授 木村 理
目次
I 膵解剖把握のKnack & Pitfalls
1.膵手術に必要な局所解剖
2.膵臓の外科解剖
3.発生からみた膵区域の考え方
4.膵鉤部の概念
5.膵頭十二指腸の血管の解剖
II 膵腫瘍診断・手術適応決定のKnack & Pitfalls
1.臨床検査と腫瘍マーカー
2.膵腫瘍に関する外科医のための病理知識
3.画像診断の手順
4.膵癌の進展度診断
5.通常型膵癌と腫瘤形成膵炎との鑑別
6.通常型膵癌におけるClinical Index
7.IPMTとMCT(疾患概念)
8.IPMTをめぐる概念の変遷
9.IPMN国際診療ガイドラインからみた診断
10.病理からみたIPMNの疾患概念
11.嚢胞性膵腫瘍の画像診断
12.内科からみたIPMNの診断
13.IPMNの膵外浸潤の画像診断
14.IPMNの問題点と悪性度
15.IPMNの治療指針
16.IPMNに対する手術:縮小手術に対する考え方
17.膵嚢胞性疾患の手術適応
III 通常型膵癌に対する手術のKnack & Pitfalls
1.膵頭部癌に対する標準的幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
2.膵頭十二指腸切除術の標準術式
3.膵頭部癌に対する拡大膵頭十二指腸切除術
4.二期分割膵頭十二指腸切除術
5.膵全摘術
6.血管合弁切除
7.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術─ビルトーロI法方式膵腸吻合─
8.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
9.膵体尾部癌に対する膵体尾部切除術
10.膵体部癌に対するApplebyの手術
11.局所進行膵体部癌に対する腹腔動脈合併膵尾側切除(DP-CAR)
IV 膵癌におけるリンパ節郭清のKnack & Pitfalls
1.膵頭部癌に対する拡大リンパ節郭清
2.膵頭部癌に対するD2+αリンパ節郭清
3.リンパ節・神経叢の解剖に基づいた膵頭部癌に対する上腸間膜動脈周囲郭清術
4.左No.16リンパ節郭清を先行する膵体尾部切除術
5.膵頭部癌に対するmesenteric approachによる上腸間膜動脈周囲リンパ節・神経叢郭清
6.膵頭部癌に対する上腸間膜動脈周囲神経叢右半周切除術
7.膵頭十二指腸切除術における膵頭神経叢切除の意義─病理学的R0を目指した手術─
V 機能温存膵手術のKnack & Pitfalls
1.膵鉤部切除術
2.膵頭部区域切除術
3.下膵頭切除術
4.胃十二指腸動脈を温存した幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
5.十二指腸温存膵頭亜全摘術
6.十二指腸胆管温存膵頭全切除術
7.十二指腸温存膵頭全切除術
8.膵頭十二指腸第II部切除術
9.膵体部の良性病変に対する膵中央切除術
10.膵体部の良性病変に対する膵横断切除術
11.脾動静脈および脾臓を温存した膵体尾部切除術(the Kimura’s method)
VI 膵・消化管吻合のKnack & Pitfalls
1.膵空腸端々吻合
2.膵管空腸吻合
3.膵管空腸粘膜吻合
4.嵌入法による膵胃吻合
5.嵌入法と粘膜吻合を合体させた膵胃吻合
6.膵頭十二指腸切除術における膵胃吻合
7.膵十二指腸吻合術
8.膵頭十二指腸切除時のドレーン
9.膵切除後のドレナージ
VII 膵内分泌腫瘍のKnack & Pitfalls
1.膵内分泌腫瘍の発生論
2.膵内分泌腫瘍の診断
3.SASIテストによる膵内分泌腫瘍の局在診断
4.膵内分泌腫瘍に対する手術
5.膵内分泌腫瘍に対する治療
VIII 急性膵炎の診断と治療のKnack & Pitfalls
1.ガイドラインからみた疫学,診断および重症度診断
2.ガイドラインからみた治療方針
3.重症急性膵炎に対する動注療法
4.動注療法における血液解剖
5.感染症膵懐死に対する手術
6.急性壊死性膵炎に対するネクロセクトミー,オープンドレナージ
7.急性壊死性膵炎に対する膵切除術
8.重症急性膵炎後・膵壊死物質に対する晩期ネクロセクトミー
9.膵床ドレナージ手術
10.急性膵炎に対するドレナージ
IX 慢性膵炎の診断と治療のKnack & Pitfalls
1.慢性膵炎の診断基準
2.慢性膵炎の疼痛発生の病態と治療
3.慢性膵炎の診断─高齢者における膵石症および膵管拡張の考え方─
4.慢性膵炎の外科治療の考え方
5.Frey手術(膵頭部芯抜きを伴う膵管空腸側々吻合術)
6.慢性膵炎に対する膵仮性嚢胞消化管吻合術
7.膵仮性嚢胞に対する嚢胞消化管(空腸・胃)吻合術
8.慢性膵炎に対するBeger手術
9.胸腔鏡下大内臓神経切除離術
10.膵神経叢全切除術
脾臓
1.脾臓の解剖
2.外科対象となる脾疾患
3.脾摘出術
4.鏡視下脾摘出術のコツ
5.Hassab手術のポイント
索引
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:66.9MB以上(インストール時:144.5MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:267.4MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:66.9MB以上(インストール時:144.5MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:267.4MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784830623257
- ページ数:382頁
- 書籍発行日:2009年10月
- 電子版発売日:2021年2月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。