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- 整形外科 Knack & Pitfalls 小児整形外科の要点と盲点
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内容
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序文
「小児整形外科の要点と盲点」序文
近年の少子化に伴い,小児整形外科疾患は一般整形外科医になじみが少ない領域になってきましたが,整形外科学はOrthopaedieから示されるように小児(paedie)が源流で,整形外科医にとって必修の領域です.
本書はまず小児整形外科疾患の診察のコツと画像診断のコツ,治療のコツの3項目を冒頭に置いて総論としました.日々成長しているこどもは正常と異常の間の生理的範囲が広いので,それを反映した画像の多彩なnormal variant例を収載しましたが,これは小児整形外科領域のテキストとしてははじめての試みであり読者の皆様の興味を引くことと思います.
疾患各論では,「スタンダード編」を一般整形外科医向けに編集しました.この項には「診断と治療方針,および保存療法」を記載しました.整形外科専門医や,それを志望している方々が,「目の前に今いるこどもに対してどのように診察を進めるか?」「目の前のこどもの診断をどのように考えるか?」「どんな治療をこのこどもに行えばよいか?」「いつ小児整形外科診療を行っている医師に相談すべきか?」などを判断する時に役立つ記述が含まれています.小児では疾患の病態が成長に伴い変化します.O脚や外反扁平足など成長に伴い自然に改善するものもあれば,一方,先天異常や骨髄炎後の関節変形例など,いったん適切な関節適合性が失われると成長とともに変形が増悪する,いわゆる“成長に伴う2次変形”をきたす疾患もあります.最近はこれらの病態が,エコー,CT,MRIなどでより早期に把握できるようになり,治療法の選択が容易になってきました.
「応用編」は,現在小児整形外科診療を行っている読者を主な対象として手術手技を中心に編集しました.小児は骨関節が成長しているので,その成長を妨げる危険性がない保存療法が原則ですが,最近の小児麻酔法の著しい進歩により,幼児でも手術療法が安全に行えるようになりました.また,創外固定器など治療器機の発展,側弯症の内固定法の進歩,DDHの観血的整復術や脳性麻痺の筋解離術など手術手技そのものの開発などにより,小児整形外科領域でも積極的に手術療法を行える環境が整ってきています.創外固定器を使用すると骨端線近傍の矯正が小侵襲で行え,また成長に伴って変形が再発するときは,矯正を繰り返すことが可能です.従って,変形が日常生活を著しく障害しないうちに,適切なタイミングで早く治療することができます.仮骨延長による脚延長術も治療期間が長期にわたるという欠点はあるものの,低侵襲で繰り返し治療が可能です.これらの最新の治療のコツを,それぞれ実際に行っている執筆者がポイントを押さえて記述しています.
本書により読者の皆様方に小児疾患が一段と身近に理解され,診療されることを願っています.
2009年5月
元福岡市立こども病院・感染症センター副院長 藤井敏男
目次
I 総論
1.小児の診察のコツ
2.画像から見るnormal variants
3.小児の治療のコツ
II 外傷
1.上腕骨顆上骨折
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)垂直牽引
(3)徒手整復と経皮的鋼線刺入固定術
[応用編]
(1)手術療法
2.上腕骨外顆骨折
[スタンダード編]
(1)診断・治療方針・保存療法
(2)手術療法
3.Monteggia骨折
[スタンダード編]
(1)診断・治療方針・保存療法
(2)陳旧性Monteggia骨折の治療
4.橈骨遠位端骨折
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法とKirshner鋼線による整復固定法
5.内反肘
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)矯正手術
6.大腿骨骨折
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法
(3)手術療法
III 上肢
1.分娩麻痺
[スタンダード編]
(1)診断・治療方針・保存療法
[応用編]
(1)頭位分娩上位型麻痺に対する神経修復術
2.Sprengel変形
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)Green変法
(2)Woodward法
3.橈尺骨癒合症
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)回旋骨切り術
(2)授動術
4.強剛母指
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)腱鞘切開術
5.母指多指症
[応用編]
(1)手術療法
6.合指症
[応用編]
(1)指間形成術
IV 股関節
1.先天性股関節脱臼
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法:リーメンビューゲル
[応用編]
(1)徒手整復と牽引
(2)観血的整復術
(3)Salter骨盤骨切り術
(4)Pemberton骨盤骨切り術
(5)大腿骨減捻内反骨切り術
2.大腿骨頭すべり症
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)In situ pinning
(2)Southwick大腿骨矯正骨切り術
(3)重度の大腿骨頭すべり症に対する大腿骨頭前方回転骨切り術
3.Perthes病
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法:外転免荷装具
(3)入院免荷療法
[応用編]
(1)大腿骨内反骨切り術
(2)combined procedure
V 下肢変形
1.O脚
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法
[応用編]
(1)内固定術
(2)Taylor Spatial Frame(R)による治療
(3)Garches創外固定器(R)による治療
2.習慣性膝蓋骨脱臼
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)Elmslie Trillat法
(2)上崎法
3.先天性膝関節脱臼
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)観血的整復術
4.先天性膝蓋骨脱臼
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)観血的整復術
5.先天性脛骨偽関節
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)リング型創外固定器による治療
(2)血管柄付き腓骨移植術
6.先天性脛骨列欠損症
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)再建術
(2)膝離断術
7.先天性腓骨欠損症
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)再建術
8.片側肥大症
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)骨端線閉鎖術
(2)Orthofix segmental model(R)による脚延長術
VI 足部
1.先天性内反足
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法:cast法
[応用編]
(1)Ponseti法におけるアキレス腱皮下切腱術
(2)後方解離術
(3)後内方解離術
(4)Evans手術
2.外反扁平足
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法
3.中足骨短縮症
[スタンダード編]
(1)診断・治療方針・手術療法
VII 脊椎
1.脊柱側弯症
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)装具療法
[応用編]
(1)半椎摘出術
(2)後方矯正固定術
(3)前方固定術
(4)growing rod法
2.筋性斜頚
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)腱切り術
VIII 感染症
1.化膿性股関節炎
[スタンダード編]
(1)診断・治療方針・保存療法
(2)切開排膿術
[応用編]
(1)鏡視下排膿術
(2)遺残変形の手術療法
2.化膿性膝関節炎
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)切開排膿術
[応用編]
(1)化膿性膝関節炎後の大腿骨変形に対するOrthofix創外固定器(R)による治療
IX 骨系統疾患
1.骨形成不全症
[スタンダード編]
(1)診断・治療方針・保存療法
[応用編]
(1)髄内釘による治療
2.軟骨無形成症
[スタンダード編]
(1)診断・治療方針・薬物療法
[応用編]
(1)下肢骨延長術
3.内反股(SEDC)
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)転子下外反骨切り術
X 麻痺性疾患
1.二分脊椎
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
(2)保存療法
[応用編]
(1)足部手術
(2)股関節手術
(3)脊椎手術
2.脳性麻痺
[スタンダード編]
(1)診断と治療方針
[応用編]
(1)股関節手術
(2)足周囲筋解離術
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書籍情報
- ISBN:9784830627613
- ページ数:394頁
- 書籍発行日:2009年5月
- 電子版発売日:2021年4月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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