整形外科 Knack & Pitfalls 骨折治療の要点と盲点

  • ページ数 : 368頁
  • 書籍発行日 : 2009年11月
  • 電子版発売日 : 2020年10月30日
16,500
(税込)
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商品情報

内容

本書では全体をスタンダード編と応用編に分け,スタンダード編では,治癒のメカニズム,診断やトリアージ,基本手技を概説した上で,よくある骨折を高齢者・成人・小児に分けて基本治療について述べた.そのため,高齢者や小児の骨は成人とは違う特徴を持ち,起きやすい骨折,治療法,治療目標も異なる点に留意して読むことができる.応用編では,高度なテクニックの術式を集めており,骨折治療専門医にとっても参考となる.

あわせて読む → 「Knack & Pitfalls」シリーズ

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序文

「骨折治療の要点と盲点」
序文

この度,整形外科Knack & Pitfallsシリーズ「骨折治療の要点と盲点」を企画することになりました.

この20年間で骨折固定法は大きく進歩しました.骨折部を解剖学的に整復し,絶対的安定性を得ることを基本原理としたAO法は,より生物学的な固定法としてbridge plating法やminimally invasive plate osteosynthesis(MIPO法)へと発展しました.先進各国は人口の高齢化により粗鬆骨の骨折の固定が大きな課題になっています.脆弱性骨折の固定に適した内固定材料として,これまでのplateとは全く固定方法の概念が異なるlocking plateも開発されました.長管骨の骨幹部骨折の内固定法としてKüntscherによって実用化された髄内釘法は,interlocking nailへと発展し,粉砕骨折や骨幹端部の骨折にまでその適応が拡大されました.これらの新しく開発された内固定材料の利点を十分に生かすためには,それぞれの内固定材料の特徴と機能,正しい使用方法を理解することが大切です.また,重度多発外傷に対するdamage control surgery,多発骨折や軟部組織損傷を伴う骨折に対するtemporary fixation,開放骨折に対するdefinitive fixation,あるいは組織補填法としてのIlizarov techniqueなど,創外固定法の有用性が再認識されており,骨折治療では欠くことの出来ないテクニックになりました.

骨折をはじめとする外傷は,整形外科の中でもとりわけ重要な分野であり,整形外科医はきわめて広範囲の部位に発生する多種多様な骨折を治療しなくてはなりません.しかし,すべての外傷をすべての整形外科医が治療できる必要はないと考えます.Knack & Pitfallsシリーズの特徴は,内容をスタンダード編と応用編とに分けてあることです.そこで,スタンダード編は固定法の概念や基本手技を十分に解説するとともに,整形外科専門医であれば誰でも行うことができなければならない骨折治療法を取り上げ,応用編は整形外科専門医の中でも骨折・外傷を専門とする医師のみに必要と思われる治療法を取り上げる,との観点で二つに分けました.

ご執筆は,スタンダード編・応用編とも,骨折治療の経験豊富な先生方に理解しやすい記述でご執筆をお願いいたしました.本書が先生方の日常診療にすぐに役立つことを願っております.


2009年11月

帝京大学教授 松下 隆

目次

スタンダード編

I.骨折総論 

 1.骨折治癒過程

 2.骨折固定のバイオメカニクス:プレート,横止め髄内釘,創外固定法

II.診断 

 1.問診・視診・触診のコツ

 2.単純X線読影のコツ

 3.CT読影のコツ

III.開放骨折の基礎知識 

 1.開放骨折の評価と初期治療

IV.固定法の基本手技 

 1.キャスト固定法の基本手技

 2.プレート固定の基本手技

 3.横止め髄内釘固定の基本手技

 4.創外固定の基本手技

V.高齢者に多い骨折 

 1.高齢者の骨折の特徴と治療方針 

 2.上腕骨近位部骨折

 3.橈骨遠位端骨折

 4.大腿骨頚部骨折

 5.大腿骨転子部骨折

 6.脊椎圧迫骨折

VI.成人に多い骨折 

 1.鎖骨骨折

 2.上腕骨骨幹部骨折

 3.肘頭骨折

 4.舟状骨骨折

 5.指骨骨折・中手骨骨折

 6.肋骨骨折

 7.大腿骨骨幹部骨折

 8.膝蓋骨骨折

 9.脛骨骨幹部骨折

 10.脛骨外側プラトー骨折

 11.足関節果部骨折

 12.踵骨骨折

VII.小児に多い骨折 

 1.小児の骨折の特徴と治療方針 

 2.上腕骨顆上骨折

 3.上腕骨外顆骨折

 4.Monteggia骨折

 5.骨端線損傷

 6.大腿骨骨折

VIII.合併症と後遺障害 

 1.塞栓症

 2.コンパートメント症候群

 3.感染

 4.関節拘縮

 5.骨折後偽関節

応用編

 1.上腕骨近位部骨折に対する髄内釘固定法

 2.上腕骨近位部骨折に対するMIPO法

 3.上腕骨骨幹部骨折に対する髄内釘固定法

 4.上腕骨骨幹部骨折に対するMIPO法

 5.橈骨遠位端関節内骨折に対する鏡視下手術

 6.橈骨遠位端関節内骨折に対するプレート固定法

 7.舟状骨骨折に対するスクリュー固定法

 8.大腿骨転子下骨折に対する治療

 9.大腿骨骨幹部粉砕骨折に対する髄内釘固定法

 10.大腿骨骨幹部粉砕骨折に対するMIPO法またはbridge plate法

 11.大腿骨遠位部骨折に対するMIPO法

 12.脛骨プラトー骨折の両顆部骨折に対するロッキングプレート固定法

 13.脛骨プラトー骨折の両顆部骨折に対する創外固定法

 14.脛骨プラトー骨折に対する鏡視下手術

 15.脛骨骨幹部粉砕骨折に対する髄内釘固定法

 16.脛骨骨幹部粉砕骨折に対するMIPO法またはbridge plate法

 17.脛骨骨幹部粉砕骨折に対する創外固定法

 18.脛骨遠位部骨折に対する髄内釘固定法

 19.脛骨遠位部骨折に対するMIPO法

 20.脛骨遠位部骨折に対する鏡視下手術

 21.脛骨遠位部骨折に対する創外固定法

 22.踵骨関節内骨折に対するプレート固定法

 23.骨盤輪骨折に対する手術療法

 24.寛骨臼骨折,大腿骨骨頭骨折に対する手術療法

 25.椎体破裂骨折に対する手術療法

 26.頚椎脱臼骨折に対する手術療法

 27.人工股関節周囲大腿骨骨折に対するロッキングプレート法

 28.人工股関節周囲大腿骨骨折に対するケーブルプレート法

 29.人工膝関節周囲大腿骨骨折に対するロッキングプレート法

 30.人工膝関節周囲大腿骨骨折に対する髄内釘固定法

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書籍情報

  • ISBN:9784830627620
  • ページ数:368頁
  • 書籍発行日:2009年11月
  • 電子版発売日:2020年10月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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