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睡眠障害診療ガイド
日本睡眠学会 認定委員会 , 睡眠障害診療ガイド・ワーキンググループ (編) / 文光堂
商品情報
内容
不眠症や睡眠時無呼吸症候群など,もはや国民病となりつつある睡眠障害.ところがほとんどの患者は睡眠医療の専門医ではなく,一般臨床医や開業医に受診・相談している.そこで本書は日本睡眠学会認定委員会の監修の下,睡眠障害を専門としない実地医家・コメディカルを対象に睡眠障害診療のスタンダードをポイントのみ厳選,簡潔な記述,フルカラーの見やすい紙面で構成した.一般臨床医・開業医必携の一冊.
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序文
序
この睡眠障害診療ガイドは日本睡眠学会が直接的・間接的に関与する2つのガイドラインに準拠し,日本睡眠学会睡眠医療・認定委員会が監修したものである.
日本睡眠学会には睡眠医療・認定委員会(以下,認定委員会と略す)が設けられており,認定委員会は認定医師,認定歯科医師,認定検査技師,ならびに認定医療機関(睡眠医療認定施設)などの認定を行っている.認定を受けるためには睡眠医療に従事した臨床経験を証明する書類と症例レポートを提出し, その水準が一定の基準を満たしていることが必要である.さらに,筆記と面接試験に合格して初めて認定医師,歯科医師,検査技師となるのである.したがって, 認定委員会は症例レポートに求められる水準と試験の出題範囲や水準を決定し,それを公開することを要請される.この業務はまさに睡眠障害診療の標準を作成するものといえよう.本書は認定委員会のなかに設けられた睡眠障害診療ガイド・監修ワーキンググループ(委員長:井上雄一)の監修のもとに,後述の2つのガイドラインにも準拠して認定委員会の構成メンバーを中心として執筆されたものである.
本書が準拠したガイドラインの1つは日本睡眠学会編の「ナルコレプシー診断・治療ガイドライン」である.これはリタリンの乱用問題に端を発してリタリンの処方が登録医に限られたこと,ナルコレプシー診断を目的とする反復睡眠潜時検査(MSLT)が保健収載されたことを受けて, すべてのナルコレプシー患者に適切な医療を提供するために日本睡眠学会が策定したものである.
今ひとつのガイドラインは厚生労働省精神・神経疾患研究委託費による研究班が作成したものである.この研究班は日本睡眠学会が直接関与したものではないが,日本睡眠学会の理事および認定委員会の構成員をメンバーとしたものである.厚生労働省公募研究17-3「睡眠医療における政策医療ネットワーク構築のための医療機関連携のガイドライン作成に関する研究:平成17~19年」と,その継承である委託研究20-4「睡眠医療における医療機関連携ガイドラインの有効性検証に関する研究:平成20~22年」がそれである.
執筆者の皆さんのご努力と文光堂のガイドライン出版に関する豊富な経験に基づくご支援のもとに,本書は適正な睡眠医療を行ううえで必要な水準を保ちつつ,読みやすく理解しやすい内容となっている.睡眠医療に携わる医師,歯科医師,臨床検査技師のみならず,睡眠医療に関心を持つすべての医療関係者に活用して頂きたい.
2011年6月
秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座
清水 徹男
目次
Section 1 総論
1.なぜ眠る?
2.眠りと覚醒はワンセット
1 概日リズム
2 概日リズムと睡眠・覚醒
3.眠りの生理学
4.睡眠不足は健康に悪い
5.なぜ一般医(GP)が睡眠障害を診療する必要があるのか?
6.睡眠障害の分類
7.終わりに
Section 2 睡眠障害のスクリーニング法
1.問診の重要性~患者の訴えを医学的に具体化する~
2.基礎疾患,基礎疾患治療薬による睡眠障害の除外とその対応
3.睡眠習慣,寝床環境の評価
1 問診:問診票を利用するとよい
2 睡眠日誌
4.睡眠障害診断の手順
1 うつ病の鑑別
2 睡眠呼吸障害の鑑別
3 睡眠時運動障害の鑑別
4 中枢性過眠症の鑑別
5 睡眠時随伴症の鑑別
6 概日リズム睡眠障害の鑑別
7 その他の原因による不眠の鑑別
5.睡眠医療認定医と睡眠医療認定施設について
6.どのような場合に睡眠医療認定施設に依頼するか?
Section 3 不眠症
1.不眠症の概念・分類・疫学
2.臨床的特徴と診断
1 臨床的特徴
2 診断基準
3 診断の手順と注意点
3.治療
1 治療に必要な基礎知識
[memo] 睡眠衛生指導
2 薬物療法の実際と注意点
[memo] ラメルテオン(ロゼレムⓇ)8mg
3 非薬物療法(認知行動療法)の実際
4.睡眠医療認定施設との連携
[memo] 抗うつ薬投与の注意点
5.経過・予後
6.症例
Section 4 睡眠呼吸障害(SDB)
1.概念
1 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは(概念・定義・疫学)
2 睡眠呼吸障害(SDB)の分類
2.病態の基礎知識
1 閉塞性SAS(OSAS)の病態
2 OSASと肥満
3 OSASと鼻閉
4 その他の関連疾患
1)ピックウィック症候群
2)チェーン-ストークス呼吸(CSR)
3)複合性睡眠時無呼吸症候群(複合性SAS)
3.診断法と重症度評価
1 閉塞性SAS(OSAS)の検査法
2 閉塞性SAS(OSAS)の診断基準
3 閉塞性SAS(OSAS)の重症度
4 睡眠呼吸障害(SDB)の臨床分類
5 SDB以外の睡眠障害との鑑別
4.治療
1 睡眠医療認定施設との連携体制のあり方(連携モデル)
2 治療の選択法
1)SDB治療の前提条件
2)持続陽圧呼吸(CPAP)治療
3)非薬物療法(OAを含む)
4)薬物療法(HOTを含む)
5)外科的療法(耳鼻咽喉科,口腔外科など)
6)その他(対症療法)
3 治療の実際
5.経過・予後
Section 5 過眠症
1.概念
1 過眠症の概念
2 各疾患の概念
1)ナルコレプシー
2)特発性過眠症
3)反復性過眠症
2.診断と重症度分類
1 眠気の主観的評価
2 眠気の客観的評価
3 睡眠日誌の重要性
4 他の過眠症との鑑別
1)行動起因性睡眠不足症候群(BIISS)
2)睡眠覚醒リズム障害(睡眠相後退障害[症候群])
3)長時間睡眠者
3.治療
1 治療に必要な基礎知識
2 睡眠医療認定施設との連携
3 治療の選択法
1)非薬物療法
2)薬物療法
(1)ナルコレプシー
(2)特発性過眠症
(3)反復性過眠症
3)処方例
4.経過・予後
1 ナルコレプシー
2 特発性過眠症
3 反復性過眠症
Section 6 概日リズム睡眠障害(CRSD)
1.概日リズム睡眠障害の概念と分類
2.各タイプの疫学と臨床症状
1 睡眠相後退型と自由継続リズム型
2 睡眠相前進型
3 ジェットラグ型と交代勤務型
3.診断と評価法
1 睡眠覚醒の評価
2 概日リズムの評価
3 鑑別診断
4.治療
1 治療に必要な基礎知識
2 生活指導と時間療法
3 高照度光療法
4 メラトニン療法
[memo] ラメルテオン(ロゼレムⓇ)投与について
5.経過・予後
Section 7 睡眠時随伴症
1.概念
1 睡眠時随伴症の概念
2 疫学
1)覚醒障害:睡眠時遊行症・睡眠時驚愕症
2)レム睡眠行動障害(RBD)
2.診断
1 臨床症状
1)睡眠時遊行症
2)睡眠時驚愕症
3)レム睡眠行動障害(RBD)
2 診断(自覚的および客観的評価)
1)睡眠時遊行症・睡眠時驚愕症
2)レム睡眠行動障害(RBD)
3 レム睡眠行動障害(RBD)と神経変性疾患との合併
4 鑑別診断
1)睡眠時無呼吸症候群
2)前頭葉てんかん
3)夜間せん妄
3.治療
1 治療に必要な基礎知識
1)睡眠時遊行症・睡眠時驚愕症
2)レム睡眠行動障害(RBD)
2 睡眠医療認定施設との連携
3 治療の選択法
1)非薬物療法
(1)睡眠時遊行症・睡眠時驚愕症
(2)レム睡眠行動障害(RBD)
2)薬物療法
(1)睡眠時遊行症・睡眠時驚愕症
(2)レム睡眠行動障害(RBD)
4 治療の実際
4.経過・予後
1 睡眠時遊行症・睡眠時驚愕症
2 レム睡眠行動障害(RBD)
Section 8 睡眠時運動障害(SRMD)
1.睡眠時運動障害(SRMD)の分類
2.RLSとPLMDの概念と疫学・分類
3.RLSの診断と重症度評価
1 問診
2 診断補助項目
3 RLSの特殊検査
1)PSG
[memo] PLMSの確認の仕方
2)腰椎ならびに頸椎画像検査
3)血清鉄・フェリチンの測定
4 RLSの重症度評価(IRLS)
5 鑑別診断
1)アカシジア
2)多発神経炎
3)painful legs and moving toes症候群
4)精神疾患
4.治療
1 病態の基礎知識
1)ドパミン機能障害
2)鉄欠乏
3)遺伝子仮説
2 睡眠医療認定施設との連携
3 治療の選択法
1)軽症例
2)中等症以上の症例
3)重症難治例
(1)副作用
[memo] augmentationの病態と対応
(2)処方例
5.経過・予後
付録
薬剤一覧
質問紙①:ESS
質問紙②:PSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)
質問紙③:睡眠日誌
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書籍情報
- ISBN:9784830636219
- ページ数:116頁
- 書籍発行日:2011年6月
- 電子版発売日:2022年5月13日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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