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- 診療放射線技師のための 臨床実践ハンドブック
商品情報
内容
診療放射線技師に欠かせないペーシェントケアのテクニックや現場での実務のマネジメントなど,臨床現場で役立つエッセンスを1冊に凝縮した実践マニュアル.より高度化する診療放射線業務とチーム医療の中での,診療放射線技師の役割が手に取るようにわかる.学生の臨床実習にはまさに最適の1冊.診療放射線技師の必携書.
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序文
序文
本書の編集を開始して約2年の歳月が流れた.その間の医療の変革は我々の予測を超えて目覚ましいものがあった.たとえば新しい医療システムとして,包括医療の導入や施設基準の設定により医療技術の差別化が図られ,今や混合診療や民間企業の官製医療への参入も取り沙汰される時代を迎えようとしている.また,放射線医学の世界では画像診断の領域で“日本でのCT 撮影の被曝線量と発ガン”に関する論文が“Lancet”に掲載され,現場ではその対応に追われた.核医学の領域ではPET 時代を迎えて,多くの病院での導入が計画され,放射線治療の領域ではIMRT など高精度放射線治療技術の導入と裏腹に毎年日常の診療での過誤照射が多発し,ついには5学会が共同で品質管理機構を立ち上げ,来春には“品質管理士”が誕生するまでに至った.このような高度先端技術の発展に対する期待と不安,医療施設の競争の時代を迎えて,今まで以上に放射線技師の専門性と責任が重視され,患者の側からは技術に対する情報開示,informed consent,second opinion が求められるものと思われる.したがってこれからの放射線技術のkey word は,“より確実(正確)に,より安全に”ではないだろうか.
本書は病院に就職して,初めて仕事に従事する放射線技師のペーシェントケアを想定して書かれているが,臨床実習の入門書としても最適である.前述のごとくそれぞれの医療技術者の専門職としての責任が大きくなってきたことに伴う,技術,装置の内容について,その有効性と安全性を問われることへの対応を中心に書かれている.患者にわかりやすく,上手に説明できるためには,己が良く知らねばならない.最近では医療を“サービス業”と捉えるべきという意見がある.医療をサービス業と同等の扱いにすることに抵抗を感じる方もおられるだろうが,要は常に患者の立場に立って物事を考え,行動すること,マニュアルにないような場面に遭遇した時などに,いかに落ち着いて迅速に,的確に行動できるかということである.本書にはこういったペーシェントケア,リスクを含めたマネージメントも解説している.何度も読み返し,咀嚼して頂きたい.また,本書の内容は樹にたとえれば大きな幹,アウトラインである,さらに専門知識を吸収したい方は専門書により研鑽を積まれ,豊かな枝葉を繁らせ,見事な美しい果実を付けて頂くことを切に願っている.
本書の編集に当たっては,その道の第一線の気鋭の研究者,技術者に執筆をお願いした.ご多忙の中,執筆にご協力頂き,素晴らしい教科書を上梓できたことに紙面をお借りして心より厚く御礼申し上げる.最後に本書の編集に当たり,木目の細かい適切なアドバイスを頂き,執筆を鼓舞して頂きました文光堂編集企画部,佐藤英昭氏に心より感謝申し上げる.
2004年12月
金沢大学 菊池雄三
目次
1.はじめに
1.診療放射線技師の役割
2.ペーシェントケアの重要性とすすめ方
2.現場での実務と対処
1.リスクマネージメントとトラブルシューティング
2.品質管理・保証―ISOに基づいた流れ
3.医療経済の仕組みと技師の役割
4.電子情報の取り扱い―システム構築と管理
3.画像診断技術の臨床アプローチ
1.よい画像を得るためには
2.1日の検査の流れ
3.一般撮影―骨格系
4.一般撮影―胸腹部
5.消化管・泌尿器造影検査
6.血管造影検査
7.CT検査
8.MRI検査
9.超音波検査
10.乳房撮影(マンモグラフィ)
11.歯科領域検査
12.ポータブル撮影
13.救急救命検査
4.放射線治療技術の臨床アプローチ
1.外部照射
2.小線源治療(組織内,腔内照射)
3.治療計画のたてかた
5.核医学検査技術の臨床アプローチ
1.核医学検査(シンチグラフィ)
2.SPECT・PET検査
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書籍情報
- ISBN:9784830642142
- ページ数:332頁
- 書籍発行日:2004年12月
- 電子版発売日:2021年11月10日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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