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- 眼手術学 8 網膜・硝子体II
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序文
Jules Goninがローザンヌ大学において世界で初めて裂孔原性網膜剥離に対して網膜裂孔閉鎖術を行ったのは1916年と報告されている.今からおよそ100年前のことである.Robert Machemerがマイアミ大学で最初の近代的な経毛様体扁平部硝子体手術を行ったのは1970年である.その後,40年あまりが経過している.この100年の間,網膜疾患に対する外科手術は網膜裂孔閉鎖術から硝子体切除術,増殖膜切除術,黄斑再建術,網膜下手術,極小切開硝子体手術,酵素的硝子体手術と飛躍的な進化を遂げて,その治療適応も劇的に拡がっている.特に近年の硝子体手術の進歩は注目に値する.黄斑円孔など我々が眼科医になった頃には不治であったいくつかの疾患が,今ではほとんど治癒可能となっている.
Meyer-Schwickerathが1949年に初めて報告した網膜光凝固治療も光源がレーザーに代わり,この60年あまりの間に大きく発展してきている.また,最近では抗VEGF薬剤やステロイドの硝子体投与が脈絡膜新生血管や黄斑浮腫に対する治療法として確立し,硝子体注射も網膜疾患治療手技として必須となってきている.
本書は網膜硝子体疾患に対する外科的治療手技について,必要な基礎知識・評価・検査法から,器具・材料,基本手技,手術合併症,そして適応疾患別の手術方法など,すべてを網羅した手術書である.これほど大部で包括的な網膜硝子体手術書は本邦では初めてであろう.広角眼底観察システム,マイクロプラスミン,染色硝子体手術,抗VEGF治療など最先端の技術も紹介している.執筆者は第一線でご活躍されている総勢85名の先生である.本書の特徴は,ウェブサイトの動画と連動していることで,実際の手術手技を目で見て習得できる.従来もDVDやビデオをセットにした手術書は多くあったが,コンピュータとインターネットが普及した現代ではウェブサイトの動画にアクセスした方が手軽である.また,動画コンテンツのアップデートも容易であり,随時最新の情報を提供できるようになっている.この動画のサイトは登録さえすれば,誰でも無料でアクセスできるようになっており,動画を見てから書籍を購入することも可能である.
本書が我が国でのこの領域の手術成績の向上,ならびに次世代の網膜硝子体術者の育成に少しでも役立てば望外の喜びである.
平成24年9月
小椋祐一郎・門之園一明
目次
I.網膜剥離に対する手術
1.網膜裂孔・剝離に対する予防的処置
2.裂孔原性網膜剝離に対する強膜バックリング手術
●広角観察システムを用いたバックル手術
3.裂孔原性網膜剝離に対する硝子体手術
●LASIK手術と網膜剝離手術
●強膜圧迫法のコツ
4.特殊な網膜剝離
a. 巨大裂孔網膜剝離
b. 黄斑円孔網膜剝離
c. アトピー性皮膚炎に伴う網膜剝離
5.増殖硝子体網膜症
●液体パーフルオロカーボン網膜下迷入の除去方法
II.糖尿病網膜症に対する手術
1.増殖糖尿病網膜症
●アバスチン(R)併用療法のコツ
2.糖尿病黄斑浮腫
III.黄斑疾患に対する手術
1.特発性/続発性黄斑上膜
2.特発性黄斑円孔
3.強度近視の黄斑合併症
4.網膜細動脈瘤破裂
5.網膜中心静脈閉塞症
6.網膜静脈分枝閉塞症
7.加齢黄斑変性―脈絡膜新生血管・黄斑下大量出血―
●気体による黄斑下血腫移動術
●網膜色素上皮細胞移植術
8.乳頭ピット黄斑症候群
IV.その他の網膜・硝子体手術
1.感染性眼内炎(細菌性・ウイルス性)
2.ぶどう膜炎(非感染性)
3.未熟児網膜症
4.眼腫瘍
●網膜血管腫に対する硝子体手術
5.眼外傷(眼内異物を含む)
6.人工網膜
V.網膜レーザー光凝固術
1.網膜裂孔
2.糖尿病黄斑浮腫
3.糖尿病網膜症
4.加齢黄斑変性に対する光線力学治療
●脈絡膜新生血管に対するレーザー光凝固
5.網膜静脈閉塞症
6.Coats病
7.網膜血管腫
8.網膜細動脈瘤
9.未熟児網膜症
索引
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書籍情報
- ISBN:9784830655975
- ページ数:362頁
- 書籍発行日:2012年9月
- 電子版発売日:2021年1月13日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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