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- 視能学 第3版
商品情報
内容
視能訓練士養成所指導要領および,視能訓練士国家試験出題基準に準拠した教科書の最新改訂版.本教科書1冊で,視能訓練士国家試験に対応でき,かつ視能訓練士としての実際の業務でも幅広く活用できる内容.視能訓練士に必要な解剖,薬理,生理といった基礎から,検査,視能訓練といった実践的な事項までを網羅的に学ぶことができ,カラー写真やイラストを豊富に用いているためレイアウトも見やすく理解がしやすい構成となっている.第3版では,検査機器など中心に最新の知見を盛り込み,また視能矯正分野も充実させ,実際の臨床でも役立つ内容をめざした.
※都合により,紙版の誌面と異なり割愛される箇所があることがございます(P.83 図Ⅰ-E-14は未収載となっております).
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序文
第3版序文
本書初版は,平成14年の視能訓練士学校養成所指定規則一部改正,平成15年の視能訓練士養成所指導要領改訂,平成16年の「視能訓練士国家試験出題基準(平成17年度版)」の公示に伴い,視能訓練士国家試験出題基準に基づいた成書として丸尾敏夫先生,久保田伸枝先生,深井小久子先生が企画・編集され,平成17年3月に発行されました.さらに初版発行から6年後に厚生労働省から公示された「平成25年度版視能訓練士国家試験出題基準」に対応すべく,第2版が平成23年11月に発行され,現在では視能訓練士を目指す多くの学生が本書で視能学を学び,眼科臨床で活躍されています.
しかしながら第2版発行から既に10年が経過し,その間に視能訓練士国家試験出題基準は平成31年度版が公示され,編集を務められた丸尾敏夫先生をはじめ本書の執筆を担当された数名の先生が鬼籍に入られました.一方,医療環境や検査機器の進歩・発展はめざましく,人工知能(Artificial Intelligence;AI)が検査学や診断学に利用され始めています.
そこで,初版・第2版の編集を担当された久保田伸枝先生,深井小久子先生から「視能学」のバトンを受け継いだ編集者4名で,眼科を取り巻く様々な変化に対応すべく分担執筆者に見直しを依頼させていただき,この度第3版を発行する運びとなりました.
編集方針は,基本的には初版を踏襲し,
①視能訓練士を目指す学生にとって,眼科の基礎知識及び眼科に関わる検査については視能訓練士国家試験に合格できる内容と水準を目指したレベルにすること,これらについてさらに詳しく知るためには眼科関連の成書を参考にすればよいこと
②近年,視能訓練士を取り巻く環境の変化や医療の進歩に伴い,視能訓練士に必要とされる事項が増加・高度化しているため,視能訓練士が視能訓練士法に基づき眼科臨床で業務を行うにあたり必要不可欠な知識と技能を習得するための基本的な内容が盛り込まれ,実際の診療においても活用できるようにすることとしました.また,②に関連し,分担執筆者に検査機器などは可能な限り最新の機器を掲載いただくよう依頼しました.
なお,視能矯正分野については,初版に掲載され第2版で不適切として改訂された「両眼視機能の回復のための矯正訓練」の一部を,今後,AIが台頭する医療現場において視能訓練士が自らの専門分野として活用し,さらに発展させることを願い,第3版で復活させることにしました.
本書が,初版および第2版同様に視能訓練士の教育だけでなく,臨床で活躍されている皆様の座右の書としてこれからも広く活用される実践書となるよう期待いたします.
令和3年12月
帝京大学名誉教授 小林 義治
帝京大学教授 松岡 久美子
帝京大学教授 臼井 千惠
川崎医療福祉大学教授 岡 真由美
目次
【1】基礎医学大要
Ⅰ.視器の構造と機能
A.視覚器
1 眼球
2 眼付属器
3 視神経・視路
4 眼球の血管系
5 眼の発生
6 眼球の加齢変化
B.脳と神経
1 視覚伝導路
2 大脳皮質と機能局在
3 脳と脳神経
C.眼球運動系
1 核上性中枢
2 眼球運動神経核
3 末梢神経
4 開瞼・閉瞼運動
D.眼の自律神経/瞳孔・調節・輻湊
1 自律神経
2 瞳孔
3 近見反応
4 調節
5 調節安静位
6 輻湊
E.眼圧・房水
1 眼圧
2 房水
F.涙液
1 涙腺
2 涙液の構造,性状,機能
3 涙液の分泌と排出
【2】基礎視能矯正学
Ⅰ.視覚生理学
A.視覚生理の基礎
1 生理光学
2 視覚生理学
3 視覚心理学
4 神経生理学
5 視覚の成り立ち
B. 視力(形態覚)
1 評価法
2 視力の種類
3 視力検査法
4 視力に影響する因子
5 網膜部位と視力
6 コントラスト感度
C.視野
1 視野の概念
2 動的測定と静的測定
3 中心暗点検査
4 対座検査
5 閾値
6 視野異常
7 視野に影響する因子
D.限界フリッカ値
1 検査の目的
2 測定原理
3 検査手順
4 検査データの読み方と解釈
E.色覚
1 色についての基本的知識
2 色覚メカニズムと生理
3 色覚異常
4 色覚検査法
F.光覚
1 視細胞,視色素,網膜の光化学
2 分光視感度
3 明順応,昼盲
4 暗順応,夜盲
G.電気生理学
1 眼科領域における電気生理検査の種類と名称
2 電気生理検査の理解に必要な基本的知識
3 網膜電図 ERG
4 視覚誘発電位 VEP(視覚誘発脳波 VECP)
5 眼球電図 EOG(網膜機能検査)
6 電気眼振図 ENG(眼球運動検査)
7 筋電図 EMG
Ⅱ.生理光学
A.生理光学の基礎
1 光の性質,幾何光学
2 レンズの定義
3 レンズの収差
4 プリズム,フィルタ
5 ミラー
6 波動光学
7 眼球光学系の特徴
8 模型眼とその名称
9 屈折・調節の光学
B.屈折・調節の異常
1 近視
2 遠視
3 乱視
4 不同視・不等像視
5 老視
C・屈折・調節の検査
■ 他覚的屈折検査
1 検影法
2 レフラクトメータ
3 ポータブルレフラクトメータ
4 フォトスクリーナー
■ 調節検査
■ 角膜形状解析
1 角膜曲率測定
2 角膜形状解析装置
■ 波面収差解析
■ 前眼部OCT
D.屈折・調節の矯正
1 眼鏡
2 コンタクトレンズ
3 屈折矯正手術
4 眼内レンズ
5 屈折異常の予防と治療
6 調節の治療
E.屈折・調節に関連する計算式
1 符号の約束
2 屈折の法則と反射の法則
3 代表的な屈折率
4 プリズム偏角
5 プリズムジオプトリー
6 レンズのプリズム効果
7 バーゼンス─光線の発散度・集束度
8 レンズの屈折力
9 厚いレンズの主要点
10 バーゼンスによるレンズ屈折力と結像式
11 面屈折力
12 乱視とトーリックレンズ
13 度数変換
14 遠点と矯正原理
15 レンズの効率,矯正効果
16 調節力
17 倍率(拡大率)
18 眼鏡レンズによる拡大と縮小
19 反射鏡のパワー
20 視力とlogMAR
21 頂点間距離補正
Ⅲ.両眼視機能と眼球運動
A.眼位
1 眼位の定義
2 眼位の種類
3 眼位の状態
4 斜視・斜位の種類
B.両眼視
1 両眼視の定義
2 正常両眼視機能
3 両眼視機能の発達
4 両眼視機能成立の条件
5 両眼視機能の異常
C.外眼筋の作用と眼球運動
1 外眼筋の単独作用
2 単眼運動とその法則
3 両眼共同・離反運動
4 共同筋と拮抗筋
5 外眼筋の神経支配
6 固視微動
7 位置覚と自己受容器
8 神経・筋の静止電位と活動電位
9 筋の興奮収縮連関
D.輻湊・開散と屈折,調節,AC/A比
1 輻湊・開散と屈折,調節
2 AC/A比
Ⅳ.視能矯正の枠組み
1 視能矯正の理念
2 視能矯正の歴史
3 視能矯正の展開
4 視能訓練士の倫理
5 視能訓練士の教育
6 視能訓練士の資質と適性
【3】視能検査学
Ⅰ. 眼科一般検査
1 外眼部検査
2 細隙灯顕微鏡検査
3 角膜内皮細胞検査
4 涙液検査
5 眼圧検査
6 隅角検査
7 眼底検査
8 眼底画像検査─FA,IA,OCT
9 超音波検査
10 眼軸長検査
11 眼窩画像検査
Ⅱ.眼科写真撮影
1 眼底・細隙灯顕微鏡
2 外眼部
Ⅲ.視能検査機器
1 検査機器の規格と構成
2 検査目的に応じた検査機器の選択
3 機器の安全管理(安全と保全)
4 視能検査機器の使用上の注意,メンテナンス
Ⅳ.眼科薬理学
1 薬物の基本的知識
2 薬物の投与法
3 薬物の副作用
4 医薬品による健康被害
【4】視能障害学
Ⅰ.眼疾病学
1 眼瞼
2 涙器
3 結膜
4 角膜
5 強膜
6 水晶体
7 緑内障
8 ぶどう膜
9 網膜
10 硝子体
11 眼窩
12 眼外傷
13 全身疾患と眼
Ⅱ.神経眼科学
A.瞳孔の異常
1 瞳孔偏位
2 多瞳孔
3 病的散瞳
4 病的縮瞳
5 対光反射異常および近見反射異常
6 相対的瞳孔求心路障害の検出
B.核上性眼球運動異常
1 固視の異常
2 共同運動の異常
3 非共同運動の異常
4 回旋,耳石器官経路の異常,その他
C.視神経・視路の疾患
1 視神経炎
2 視神経症
3 うっ血乳頭
4 遺伝性視神経症
5 視交叉とその近傍の疾患
6 外側膝状体・視索の疾患
7 視放線・後頭葉の疾患
【5】視能訓練学
Ⅰ.斜視
A.斜視の基本的知識
1 斜視の定義
2 斜視の病因論
3 斜視の分類
4 斜視の診断
B・斜視の検査
■ 眼位検査
1 単眼性眼位検査
2 両眼性眼位検査
■ 眼球運動検査
1 眼球運動の正常範囲
2 眼球運動検査の順序
3 観察すべき事項
4 眼性頭位異常の検査
5 Hess赤緑試験
6 複像検査
7 注視野検査
8 牽引試験
■ 両眼視機能検査
1 大型弱視鏡検査
2 立体視検査・深径覚の検査
3 網膜対応検査
4 プリズム順応検査
C.斜視の各型
■ 内斜視
1 先天内斜視
2 後天内斜視
3 調節性内斜視
■ 外斜視
1 間欠性外斜視
2 恒常性外斜視
3 続発外斜視
■ 交代性上斜位
■ その他の斜視
1 上下斜視
2 回旋斜視
3 A-V型斜視
4 微小斜視
D. 眼球運動異常の各型
■ 麻痺性斜視(核・核下性眼球運動障害)
1 眼球運動神経の解剖生理
2 動眼神経麻痺
3 滑車神経麻痺
4 外転神経麻痺
5 全眼筋麻痺
■ 筋原性斜視
1 重症筋無力症
2 慢性進行性外眼筋麻痺,ミトコンドリアミオパチー
3 甲状腺機能不全にみられる外眼筋異常(甲状腺眼症)
4 外眼筋炎
5 固定斜視
6 sagging eye syndrome
7 Brown症候群(上斜筋腱鞘症候群)
8 外眼筋線維症
■ 機械的斜視
1 眼窩吹き抜け骨折
■ Duane症候群
E.斜視の手術
1 斜視手術とは
2 手術の適応と禁忌
3 手術時期
4 手術目標
5 手術原理
6 術式
7 手術方針
8 量定と「まつわり距離」
9 斜視型別(眼振を含む)の手術
10 術前・術後検査
11 合併症
F.斜視のボツリヌス治療
1 斜視のボツリヌス治療とは
2 適応と禁忌
3 合併症
4 治療の実際
5 主要対象疾患
G.斜視の光学的矯正
1 斜視と屈折異常
2 斜視の屈折矯正
3 斜視屈折矯正後の管理
4 斜視のプリズム療法
H.斜視視能矯正
1 視能矯正・訓練の定義
2 視能矯正・訓練の目的と目標
3 視能矯正・訓練の原則
4 POSによる視能矯正・訓練プログラム
5 視能矯正・訓練の種類
6 インフォームドコンセント
7 適応と予後に影響する因子
8 期間と中止時期
9 効果の判定と評価
10 視能矯正・訓練の実際
11 後天眼球運動障害の視能矯正・訓練
Ⅱ.弱視
A.弱視の基本的知識
1 弱視の定義
2 弱視の原因
3 弱視の病態
4 弱視の分類
B.弱視の各型
1 斜視弱視,微小斜視弱視
2 不同視弱視
3 屈折異常弱視,経線弱視
4 形態覚遮断弱視
C.弱視の検査
1 弱視の診断
2 弱視の検査
D.弱視の治療
1 弱視の治療方針
2 弱視治療の方法
3 歴史的弱視視能矯正
Ⅲ.身体表現性障害(心因性視能障害)
1 心因性視能障害の定義
2 心因性視能障害の臨床的特徴
3 心因性視能障害の原因
4 心因性視能障害の診断
5 心因性視能障害の治療
Ⅳ.眼振
1 眼振の定義
2 病因論
3 眼振の分類
4 生理的眼振・病的眼振
5 眼振の治療
【6】視覚機能の基礎
Ⅰ.社会と医療
1 視能訓練士法と関係法規
2 医療制度
3 診療録・医療記録
Ⅱ.医療安全対策
1 安全管理(医療事故の防止と対策)
2 救急対応と処置
Ⅲ.ロービジョン
1 定義と範囲
2 視覚障害者(児)数の推移とその原因疾患
3 社会福祉理念とリハビリテーションの概念
4 視覚補助具
5 ロービジョン者(児)の誘導
Ⅳ.視能心理学
1 人間の発達と心理の特性
2 病院における小児の心理
3 患者および家族の心理
4 視能訓練と小児の心理
Ⅴ.眼科と基礎医学
1 眼病理学
2 眼疾患と免疫
3 眼遺伝
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書籍情報
- ISBN:9784830656088
- ページ数:552頁
- 書籍発行日:2022年1月
- 電子版発売日:2022年3月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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