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新篇眼科プラクティス 5 眼科救急治療~まったなし!急がば学べ

  • ページ数 : 288頁
  • 書籍発行日 : 2022年10月
  • 電子版発売日 : 2022年10月19日
13,200
(税込)
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商品情報

内容

眼科診療のスタンダードをビジュアルに解説!実践的シリーズの決定版!!

「新篇眼科プラクティス」シリーズの第5弾.本書では,「眼科手術レスキュー」「他科疾患にみる視機能障害」という従来とは異なる新たな切り口を追加.冷や汗必至の手術中の急変や,近年重要視される他科医師との連携も想定し対処法を解説した.時間的緊急性に加えて,様々な病態への対処が求められる救急疾患に対して,多数の写真やイラストを具体的な治療法と共に示した本書は,"待ったなし"の臨床現場で活躍する一冊である.

あわせて読む → 「新篇眼科プラクティス」シリーズ



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序文

新篇眼科プラクティスシリーズ 序文


眼科学に数多くの書籍があれど,1992年から2009年までⅡ期にわたって刊行された「眼科プラクティスシリーズ」ほど,眼科医の書架を占拠した本はないでしょう.当初は隔月刊で,後に月刊となり,計131巻が刊行されました(1992年からの第Ⅰ期が101巻,2005年からの第Ⅱ期が30巻).1冊ごとにテーマが設定され,臨床に必要な知識が最新データとともに要領よくまとめられたもので,いわゆるムック本として多くの眼科医に愛されました.足掛け18年にわたって刊行された同シリーズは,増え続ける眼科医療情報を,正確かつタイムリーにまとめ,日常臨床にすぐ応用できる形で提供することにより,眼科成書の歴史に名を残すベストセラーとなりました.

前シリーズ終了から13年が経ち,令和時代の眼科に合った形でのプラクティスシリーズ復活を要望する声が寄せられていました.検査器機の進歩,デジタル化とネットワーク化,新たな薬剤の開発,治療法の多様化,再生医療の導入,遠隔診療やAI診療に向けた動きなど,眼科学の進歩は以前に比べてさらに加速している感があります.情報の新陳代謝が一層活発になった現状を鑑みるに,最新知見を実践的に解説する分冊型シリーズの復刻が期待されるのは,故無きことではないと思われます.

2020年に,9年振りに大改訂を行った「眼科学 第3版」を刊行しました.眼科学に関する基本的な知識を網羅した「眼科学 第3版」の刊行を受け,編集に携わった大鹿哲郎,園田康平,近藤峰生,稲谷 大の4名は,より臨床の現場に即した実際的な知識・技術,最新の情報を扱う「新篇眼科プラクティスシリーズ」の立ち上げを企画しました.前Ⅱシリーズのレガシーを尊重しつつ,かつ時代の要請に応えた編集方針としています.

新シリーズが目指す特徴の1つは,“ ビジュアル化” です.正確で詳細な知識の提供も重要ですが,多種の情報が溢れる現代において,わかりやすく記憶に残るプレゼンテーションをすることも重要です.視覚に訴える紙面作りによって,忙しい臨床の先生方に手に取っていただきやすい教材とし,“ 読む教科書”であると同時に“ 視る教科書” を目指しました.

各巻の編集企画は,原案を複数回の編集会議で繰り返し検討し,徹底的にブラッシュアップしました.執筆は,第一線の現場で臨床に携わっておられる方々にお願いしています.そして,出来上がった校正刷りを元に編集会議でさらに議論し,内容の一層の充実を図りました.

この新シリーズが,忙しい眼科医および眼科関係者の一助となり,眼科医療に少しでも貢献することを願い,序文と致します.


シリーズ監修 大鹿哲郎
シリーズ編集 園田康平
近藤峰生
稲谷 大



「眼科救急治療─まったなし! 急がば学べ─」序文


救急疾患の診断・治療には時間的猶予がなく,その対処には,医師としての総合力が要求されます.時間的緊急性に加えて,その病態的多様性も特徴の一つで,外傷のように認識しやすい救急疾患から,慢性疾患の急性増悪や,手術中の急変まで,様々な形態が想定されます.眼科救急治療の教本はこれまでにもいくつかありましたが,本巻では眼科救急治療を「眼外傷」,「急性発症・増悪する眼疾患」,「眼科手術レスキュー」,「他科診療にみる視機能障害」の4つのカテゴリーに分類し,これまでとは違った切り口でまとめてみようと考えました.とくに「眼科手術レスキュー」と「他科診療にみる視機能障害」のカテゴリーを組み入れることで,幅広い眼科医層に役立つ一冊とすることを目指しました.眼科手術中に急変が訪れないことはありません.例えば白内障手術中の核落下は,通常の白内障手術が急変した状態であり,まさに眼科救急治療に当てはまります.また,様々な術後感染症も待ったなしです.

平成30年から始まった新専門医制度では,大学病院をはじめとする基幹病院において,他科連携医師の常勤が必須となっております.糖尿病,高血圧,膠原病などでは他科コンサルトを必要とするケースが多く,眼科に救急診察を求めてくるケースも少なくありません.また,脳神経外科,耳鼻咽喉科,形成外科の手術では,術中・術後合併症が視機能に影響するか否か判断を求められる事例もあります.こういった事態を想定し,本巻では視機能障害に重大な影響を与えるものをチョイスして,その概念から対処法までを解説します.

本巻は多くの写真やイラストを掲載しております.また具体的な治療方法も解説しておりますので,臨床の現場と共に学べる教本になり得るでしょう.“まったなし”の場面で,必ず役立つ虎の巻,これをもって,“急がば学べ”を体現できるに違いありません.


2022年10月

恩田秀寿

目次

【総説】

救急患者の主訴から診断へ

【解説】

Ⅰ.眼外傷

1.疫学

1)眼球外傷の疫学

2.感染症

1)外傷と感染

3.眼球の外傷

1)コンタクトレンズトラブル

2)角結膜異物

3)角結膜化学外傷

4)眼球打撲症

5)外傷後の高眼圧・低眼圧

6)外傷性水晶体関連疾患

7)眼球内異物

8)強角膜裂傷・穿孔

9)脈絡膜破裂,黄斑下出血

10)外傷性黄斑円孔

11)眼球(強膜)破裂

[Topics]眼球外傷疾患の発症メカニズム

12)レーザー網膜症・日光網膜症

4.眼窩の外傷

1)眼窩壁骨折(閉鎖型骨折)

[One Point Advice]迷走神経反射症状のメカニズム

2)眼窩壁骨折(開放型骨折)

[Topics]眼窩壁骨折の発症のメカニズム

[One Point Advice]眼窩骨折の再建材料

3)外傷性視神経症

4)眼窩内異物・眼窩出血

5.眼瞼・涙器の外傷

1)涙小管断裂

2)眼瞼の外傷

Ⅱ.急性発症・増悪する眼疾患

1.結膜

1)アレルギー性結膜疾患

2)新生児結膜炎

3)Stevens-Johnson症候群,類天疱瘡など

2.角膜

1)角膜潰瘍

2)円錐角膜の急性水腫

3.水晶体

1)膨化白内障

2)水晶体,IOL脱臼

4.緑内障

1)急性閉塞隅角緑内障

2)血管新生緑内障

5.強膜

1)壊死性強膜炎

6.ぶどう膜

1)急性網膜壊死

2)急性前部ぶどう膜炎

3)Vogt-小柳-原田病

7.硝子体

1)硝子体出血・混濁

8.網膜

1)網膜中心動脈閉塞症

2)網膜中心静脈閉塞症

[One Point Advice]蛍光眼底造影検査によるショック

3)裂孔原生網膜剝離(黄斑未剝離)

4)黄斑下出血

9.神経眼科

1)視神経炎

2)虚血性視神経症

3)眼球運動障害

10.眼瞼

1)急性霰粒腫

2)眼瞼腫瘍

11.涙器

1)急性涙囊炎

2)急性涙腺炎

12.眼窩

1)感染性眼窩炎症(眼窩蜂窩織炎)

2)非感染性眼窩炎症

3)眼窩腫瘍

4)甲状腺眼症

Ⅲ.眼科手術レスキュー

1.術後眼内炎

1)白内障術後の細菌性眼内炎

2)Toxic Anterior Segment Syndrome(TASS)

3)硝子体手術後眼内炎

[One Point Advice]硝子体内注射後の感染性眼内炎

[One Point Advice]ブロルシズマブ硝子体注射による網膜血管炎および網膜血管閉塞

4)濾過疱感染

2.水晶体再建術

1)術中合併症

3.緑内障手術

1)前房消失

4.硝子体手術

1)水晶体核落下

2)術中術後合併症

5.眼窩手術

1)術後の先端部症候群

Ⅳ.他科診療にみる視機能障害

1.脳神経外科

1)脳動脈瘤による眼症状

2)頭部外傷に伴う眼症状

3)脳外科手術による眼症状

2.脳神経内科

1)脳脊髄液漏出症

3.耳鼻咽喉科

1)副鼻腔手術合併症

2)鼻性視神経症

4.美容形成

1)フィラー注入療法による合併症

5.小児科

1)虐待による網膜病変

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書籍情報

  • ISBN:9784830656163
  • ページ数:288頁
  • 書籍発行日:2022年10月
  • 電子版発売日:2022年10月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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