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BEAM(Bunkodo Essential & Advanced Mook) レジデント必携 糖尿病診療のABC
商品情報
内容
本書は,レジデントが糖尿病患者に出会ったときの初期対応と,入院患者の血糖コントロールの仕方をさまざまな場面別に解説した実践的な1冊.合併症管理の注意点も記載し,専門医でなくても最低限知っておくべきポイントがスッキリわかる.2010年の新しい糖尿病診断基準,HbA1cの表記法,インクレチン製剤など最新トピックスもふまえて,これから学ぶ医師の入門書に最適.
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序文
序文
生活習慣の変化とともに、糖尿病に罹患する頻度が増加しています。糖尿病は、厚生労働省の4疾病5事業にも挙げられていますし、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会、日本医師会が協力しての糖尿病対策推進委員会議の活動など、いろいろな対策がとられています。しかし、いまだに、糖尿病患者数は増加の一途をたどっています。国民栄養調査の最新版では、糖尿病が強く疑われる人と可能性が否定できない人の合計が2,210万人に達しています。したがって、皆さんがどの科を専門に選んでも、糖尿病の基本的な治療をできることが求められます。
糖尿病診療において、最近、大きなできごとがいくつもありました。まず、糖尿病の診断基準が、10年ぶりに改定されたことです。新基準では、以前の血糖値に着目した3つの基準に加え、新たに、HbAlc値が追加されました。その結果、糖尿病の臨床診断のフローチャートも改変され、1回の採血で診断できる可能性も出てきました。
次に、HbAlc値の国際標準化に伴う表記法の移行の動きがあります。わが国で標準化が進んでいるHbAlc(JDS値)は、わが国以外のほとんどの国で使用されているNGSP値と比較すると、約0.4%低値です。国際標準値への移行に向けて、運用に関する声明が日本糖尿病学会より出されています。論文ではすでに移行が始まっており、日常臨床現場でのHbAlcの表記法は、ここしばらくは従来どおりJDS値で表記されますが、いずれ、変更される予定です。さらに、インクレチン関連薬の発売されたことです。DPP-4阻害薬と、GLP-1受容体作動薬が日常診療で使用可能になりました。膵f3細胞の保護作用も期待されますし、スルホニル尿素薬の二次無効と考えられていた症例への予想以上の効果や、ビグアナイド、a-GIとの併用で相加効果以上の効果を認めた症例が報告されています。これらにより、糖尿病の治療戦略が大きく変わる可能性があります。
これらの大きな変化の時期に合わせて,本書が発刊されることは、今後の医療を支える方々の糖尿病治療における知識を高め、治療法発展の流れを把握するために、きわめて意義深いものと考えられます。できるだけ多くの若い先生方が本書を活用されることを期待いたします。
平成22年10月
大津赤十字病院副院長
岡本元純
目次
I.レジデントが糖尿病患者と出会う3つの場面と方針の立て方
ミニレクチャー 糖尿病のガイドラインでは
ミニレクチャー 入院の判断の仕方
ミニレクチャー 専門医へのコンサルトの仕方
レクチャー 糖尿病の診断基準の改訂と,HbA1c値の表記法の国際標準化
II.糖尿病の入院患者を受け持ったら
1 重症度に応じた血糖コントロールの実際
(1)インスリン治療が絶対的適応の場合
ミニレクチャー 血糖自己測定と自己注射の注意点~指導する立場から知っておくべきこと~
(2)経口薬でコントロールできる場合
(3)耐糖能異常が軽度でインスリンや経口薬が必要でない場合~食事療法,運動療法について~
レクチャー インクレチンとインクレチン関連薬
2 特殊な状況下における血糖コントロールの実際
(1)周術期の患者
(2)ステロイド使用中の患者
(3)肝疾患患者
(4)経口摂取不可能の患者(経管栄養,中心静脈栄養管理症例を含む)
ミニレクチャー 高齢者の血糖コントロール
III.糖尿病の合併症の管理
1 慢性の糖尿病を管理する際の注意点
2 フットケアの知識
付録:Further Readings
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書籍情報
- ISBN:9784830681417
- ページ数:120頁
- 書籍発行日:2010年10月
- 電子版発売日:2021年11月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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