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BEAM(Bunkodo Essential & Advanced Mook) Step Up式 感染症診療のコツ
商品情報
内容
これから臨床に出る若手医師,臨床感染症を学び直したい医師に便利な入門ガイド.読者が自分のレベルに応じて必要なことが学べるよう,到達目標(Step)別の構成とした.Step①では臨床感染症を学ぶ上での大前提,Step②では初期研修医クラスのドクターが到達すべきレベルのこと、Step③では後期研修医レベルの内容を解説.第一線で活躍するエキスパートたちがその診療エッセンスを余さず披露した,とっておきのClinical Pearl満載の一冊.
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序文
序文
臨床感染症学は面白い.
感染症が起きた背景として,その人がどんな人であるか,何をする人か,他人や動物そして環境にどのように触れ,接してきたか,などを考えることが重要である.このため,臨床感染症を学ぶには,人間に対する興味が必要であり,臨床感染症学には他科にはあまりないユニークな点が多い.すなわち,病歴と身体所見が他科にも増してきわめて大切であり,すべての臓器を対象とする.また,疫学,微生物学,免疫学,薬理学,公衆衛生学を意識して診療にあたることも多い.そして,対象範囲が多岐にわたるので,看護師,薬剤師,検査技師らとの協働が大きな力となることもしばしばである.ゆえに,教育への関与も他科と比べ多いと感じる.
感染症医であるためには,まず内科医でなければならない.そしてその次に“初期臨床感染症学”を学ぶ.そこでは,感染症患者に比較的特有な病歴および身体所見のとり方,検体採取の仕方,グラム染色,培養検査の理解とその結果の解釈,抗菌薬療法の基礎,などを学ぶ.これらの後に感染制御,HIV/AIDS,がん感染症,移植感染症などを学び,感染症を自分の専門とすると,裾野が広い医師になることができるだろう.
抗微生物薬には共通する致命的欠点がある.それは,使えば使うほど耐性微生物が増えるということである.この致命的欠点を補うためにわれわれ臨床家が行うことは,手持ちの抗微生物薬を大切に使い長持ちさせることである.そして,各抗微生物薬の特徴を知り,必要なときにのみ適正に使用し,使用中もそれが必要か・適正かを常に吟味することであろう.
上記のことを背景にそれぞれの医師や病院が,感染症診療の現場モデルをつくり発展させていく一助になればと思い,本書を企画した.すなわち,どの段階にいる医学生や医師,あるいは感染症に興味がある人でも読むことができるようステップアップしていく形式をとった.そして,本書でしか読めないような臨床感染症の真髄も散りばめたつもりである.知識と経験のある臨床医の感染症診療の仕方,多職種が現場から学び洗練させていったこと,もなるべく入れるようにした.
臨床教育は回診を中心として,少人数で行うと効果的なことが多いが,その一助として本書が役立てば,望外の喜びである.
平成25年2月
武蔵野赤十字病院感染症科 副部長
本郷偉元
目次
Step ① 感染症をみるすべての医師へ 〜基本コンセプトを学ぶ〜
1.「臨床感染症学」について思うこと
2. 感染防止対策はこんなに大事で面白い!
ミニレクチャー 感染症診療の基本は毎日の回診にある!
ミニレクチャー 病歴からjolt accentuationへ〜現場からの臨床研究発信〜
ミニレクチャー 感染症診療における総合診療マインドの重要性
3. 抗菌薬使用の原則
4. 抗菌薬の適正使用
Step ② 感染症を学ぶ初期研修医の君へ
Ⅰ.診断の基本
1. 初期研修の間にこれだけは身につけよう!
2. 感染症診療の原則
ミニレクチャー 初期研修での感染症内科ローテーションってこんな感じ〜沖縄県立中部病院を例に〜
ミニレクチャー 上級医は初期研修医にこんなプレゼンをしてほしい! こんな患者情報がほしい!
3. 感染症診療における病歴のとり方〜こんなコツもあります〜
4. 面白くて役に立つバイタルサインと身体所見〜感染症診断のために〜
5. Fever work-up〜どんな発熱患者さんでもかかっておいで!〜
II.検査の基本・他職種との協働
1. 研修医は顕微鏡で犯人(起因菌)を突き止めろ!〜臨床感染症におけるグラム染色の 重要性〜
2. 臨床感染症における血液培養の重要性
3. 細菌検査結果の読み方・解釈の仕方
4. アンチバイオグラムって何? なぜ大事? どう読む?
ミニレクチャー 細菌検査室と医師の協働作戦!〜前橋赤十字病院を例に〜
ミニレクチャー ICNを知ってほしい〜皆さんの病院に専任ICNはいますか?〜
ミニレクチャー 薬剤部によるモニター・コントロール
III.初期研修医のうちにマスターすべき感染症
1. 髄膜炎〜内科救急の1つです!〜
2. 急性上気道炎
ミニレクチャー 急性喉頭蓋炎とHibワクチン
3. 肺炎〜その考え方を中心に〜
4. 下痢〜その考え方を中心に〜
5. 尿路感染症(膀胱炎と腎盂腎炎)
6. 蜂窩織炎
ミニレクチャー SSI(surgical site infection)とその予防
7. 治療できなくてもよいが見逃してはならない感染症(HIVを除く)
8.HIVを見逃さないために〜初期研修医でもこれだけは知っておこう〜
Step③ 感染症を学ぶ後期研修医の君へ
1. 初期研修医に対する指導と感染症科コンサルトの受け方
ミニレクチャー 日本における小児感染症の今,これから
2. 膿瘍の治療〜膿瘍治療の基本はドレナージ,ドレナージは消えるまで〜
3. 敗血症(sepsis)のマネジメント
ミニレクチャー 感染症と間違われやすいリウマチ膠原病疾患〜実例も含めて〜
4. 感染性心内膜炎〜やっぱり怖いこともある〜
5. 化膿性胆管炎
6. PID 〜産婦人科医の立場から〜
7. 化膿性関節炎〜必ず関節穿刺を〜
8. 骨髄炎の治療〜整形外科医とのコラボレーション〜
9. 発熱性好中球減少症の治療
10. 免疫不全者と感染症
11. 帰国者の発熱
付録:Further Readings
索引
Memo
病院内感染症とは?
fever work-up 3点セット
敗血症と菌血症
サットンの法則
理想のfever work-upは?
Streptococcus anginosus group
急性発症の腰痛はred flag sign
多剤耐性結核
グラム染色と培養の感度
グラム染色の考案者
グラム染色と抗酸菌染色の方法
血液培養の採取の仕方
グラム染色の方法のいろいろ
2007年改正医療法における感染対策に関連の項目
2012年診療報酬改正 「感染防止対策加算」(新設)の項目(抜粋)
腰椎穿刺前に頭部CTが推奨されるケース
腰椎穿刺の禁忌
いったいどこからバイ菌が?
漢方薬の使用について
比較的徐脈とは?
脱水補正の「3分間クッキング」
無症候性細菌尿
皮膚軟部組織感染症と各種検査
Well’s score
感染症心内膜炎の死亡率
感染性心内膜炎の起因菌
Streptococcus bovisによるIEと大腸がん
腸球菌のゲンタマイシン高濃度耐性検査
CDCのPIDの診断基準〜minor criteria とadditional criteria〜
淋菌性関節炎
column
ICUと一般病棟が同じになった
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書籍情報
- ISBN:9784830681486
- ページ数:316頁
- 書籍発行日:2013年2月
- 電子版発売日:2021年11月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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