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- オペナーシング2022年春季増刊 手術看護オールインワンブック
商品情報
内容
先輩オペナースが根拠とともにイラストや写真いっぱいでやさしく詳しく解説!麻酔薬や外科的手技の専門的な知識は麻酔科医・外科医がわかりやすく解説する。用語解説や、先輩がこっそり教える覚えておくと便利な知識も満載♪ 実践に活かせる知識が着実に身につく一冊。
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序文
編者のことば
手術室に配属されて初めて、たくさんの知識やスキルが必要であることに驚きや不安をもった方は多いのではないでしょうか。また、指導者の皆さんも多岐にわたる指導内容やオリエンテーションに毎年苦労されていることと思います。
特に昨今のコロナ禍においては、各施設でも、不要不急の手術制限、緊急手術受け入れの是非、医療材料の確保、COVID-19対応の標準化などなど、多くの課題を検討されたと思います。また、医療の現場だけでなく、基礎教育の環境も大きく変化しています。臨地実習時間の短縮あるいは中止により、看護技術や多職種協働を臨床で体験することなく入職する新人看護師に対して、現場ではサポートを強化する必要があります。非日常が日常になりつつなることを感じた数年だったのではないでしょうか。
私たちが対象とする患者さんは、入院、手術という人生の中でも非日常で特殊な環境に置かれています。一方、私たちは看護師として毎日手術室に出勤する日常を送っています。そのギャップを認識し、安心安全に手術を受けてもらうのが私たちの使命だと思っています。
今回オペナースとして、日常業務に必要な知識とスキルをまとめました。基本的な清潔操作や麻酔介助だけでなく、術中の検査や医師の手技、意思決定支援までまで幅広い内容になっています。広い知識とスキルを持って、このコロナ禍で医療がひっ迫している状況であっても、手術を必要とする患者さんのために、本書を広く活用していただければ幸いです。
峯上奈緒子(一般財団法人住友病院 手術室 看護師長 手術看護認定看護師)
監修者のことば
ずいぶん昔のことですが、1987年に自分が研修医になった頃の全身麻酔では、モニターは心電図と血圧計と直腸温だけでした。患者さんの体温管理は、中にチューブが張り巡らされたマットを手術台の上に敷いて行っていました。そのチューブの中に温水を流して保温するのです。水を入れた水槽のような装置が手術台の横に置いてあり、その装置の中に自分の手を入れて水の温度を調節します。このような装置だと体温が35℃以下になることもあり、温風式加温装置が登場するまでは、術後に手術室内の温度を上げて患者さんの体温を復温することもありました。また呼吸のモニターがないので、15分ごとに聴診器で肺音を聴診し、皮膚の色でチアノーゼがないか確認していました。消化管手術では結紮はすべて糸で行われていたので、オペナースは糸針の準備が大変でした。
その頃と比べると、今は手術方法が大きく変わり、手術で使用する器械の種類も増えました。麻酔で使用する薬剤は、短時間作用性で副作用の少ないものに変わり、モニターの種類も増えました。そして手術に関わる医療の質と安全は、以前より格段に高いレベルになりました。この医療の進歩を支えてきた一端は、手術看護に関する看護師の知識の向上が担ってきたと思います。本書のように、手術看護に関する知識を体系立てて、かつ深い内容を看護師が執筆した書籍は、ほかに類をみないのではないでしょうか。以前は医学的な内容は医師が執筆することが多かったと思いますが、本書はそのほとんどを看護師が執筆しています。
かつて術後合併症を減らすのは、手術する医師の技量という考えがありました。しかし現在は、周術期のさまざまなデータ解析により外科的手技以外の周術期管理も大切であることがわかってきました。手術看護認定看護師や特定行為研修を修了した看護師などが増えてくると、術後合併症を減らして術後在院日数を減らし、急性期から回復期へのサイクルを回す役目は看護師にシフトすると思われます。本書で勉強して、患者さんが少しでも早く手術から回復できる手術看護を目指してください。
廣瀬宗孝(兵庫医科大学 麻酔科学・疼痛制御科学講座 主任教授)
小西敏郎(東京医療保健大学 副学長・医療栄養学科長)
目次
・編者・監修者のことば
・執筆者一覧
【はじめに】オペナースに必須の心構え2
001 手術看護の特徴
002 これまでのオペナースとこれからのオペナースに求められる役割
【第1章】器械出し看護の必須スキル&知識17
003 使用前の器械点検・ガーゼカウント
004 器械出し看護に必要な術前の情報収集
005 滅菌物の取り扱い
006 清潔と不潔の理解
007 術野で使用する薬剤の知識 ①局所麻酔薬
008 術野で使用する薬剤の知識 ②止血剤
009 術野で使用する薬剤の知識 ③マーキング
010 術野で使用する薬剤の知識 ④造影(蛍光)・
011 術野で使用する薬剤の知識 ⑤局所循環促進薬(外用薬)・血管拡張薬
012 病理学的検査法とは
013 病理組織学的検査(組織診)
014 細胞学的検査(細胞診)
015 細菌検査
016 外科医が教える!手術手技を理解するための基礎知識 ①切開・切離
017 外科医が教える!手術手技を理解するための基礎知識 ②結紮
018 外科医が教える!手術手技を理解するための基礎知識 ③縫合
019 術中の器械・ガーゼカウント
【第2章】外回り看護の必須スキル&知識30
020 麻酔によって発生しうる患者さんへの影響
021 病棟からの申し送り
022 ラインの確保(末梢静脈ライン・中心静脈ライン・動脈ライン)
023 麻酔導入時の介助(通常時/COVID-19疑似症例)・
024 挿管時の介助
025 区域麻酔(脊髄くも膜下麻酔・硬膜外麻酔)時の介助
026 手術体位 ①仰臥位
027 手術体位 ②側臥位
028 手術体位 ③腹臥位
029 手術体位 ④砕石位
030 術中に実施する検査 ①血液検査
031 術中に実施する検査 ②血液ガス分析
032 術中に実施する検査 ③画像診断(X線、CT、MRI)
033 術中モニタリング ①心電図
034 術中モニタリング ②パルスオキシメータ・カプノメータ
035 術中モニタリング ③非観血的血圧モニター・観血的血圧モニター
036 術中モニタリング ④筋弛緩モニター
037 術中モニタリング ⑤BISモニター
038 看護記録の書き方
039 抜管時の介助
040 覚醒時の評価
041 病棟への申し送り
042 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ①麻酔法と麻酔薬の分類
043 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ②静脈麻酔薬
044 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ③吸入麻酔薬
045 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ④鎮痛薬
046 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ⑤筋弛緩薬
047 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ⑥筋弛緩拮抗薬
048 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ⑦局所麻酔薬
049 麻酔科医が教える!外回り看護のための薬剤の知識 ⑧輸液・血液製剤
【第3章】患者さんも、自分も守る!
オペナースに必須のリスクマネジメントのスキル&知識14
050 手術安全チェックリスト
051 換気困難・挿管困難時の介助
052 体内遺残防止
053 手術患者・手術部位の誤認防止
054 転倒・転落防止
055 静脈血栓塞栓症の予防
056 アレルギー患者への安全対策
057 体温管理
058 褥瘡予防
059 MDRPU予防
060 標準予防策(スタンダードプリコーション・マキシマルバリアプリコーション)
061 洗浄・消毒・滅菌とは
062 手術部位感染対策
063 職業感染予防(針・メス・器械などによる損傷、血液・体液曝露)
【第4章】患者さんからの情報収集のための必須スキル&知識6
064 データからの情報収集
065 患者さんからの情報収集 ①基本の情報収集
066 患者さんからの情報収集 ②高血圧・糖尿病・虚血性心疾患
067 患者さんからの情報収集 ③理解力の低下している患者さん
068 患者さんからの情報収集 ④小児患者
069 緊急手術時の情報収集の注意点
【第5章】オペナースに必須の倫理的配慮に関する知識2
070 手術看護における意思決定支援とは
071 手術室における倫理問題とは
【第6章】周術期医療の時代に欠かせない!
オペナースに必須のコミュニケーションのスキル&知識2
072 患者さんに説明するときの基本姿勢(表情・挨拶・言葉遣い)
073 先輩への聞き方・伝え方
【第7章】いざというときに備える!急変時対応の必須スキル&知識5
074 急性肺血栓塞栓症
075 アナフィラキシーショック
076 局所麻酔薬中毒
077 術中の大量出血
078 呼吸停止
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書籍情報
- ISBN:9784840476263
- ページ数:288頁
- 書籍発行日:2022年3月
- 電子版発売日:2022年5月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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