改訂4版 胎児心拍数モニタリング講座

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2021年12月
  • 電子版発売日 : 2022年1月19日
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商品情報

内容

CTGの生理と判読の基本がわかる決定版!

胎児心拍数モニタリング(NST・CTG)の基礎知識と基本的な波形の読み方を、問題形式でわかりやすく解説。症例にそって各波形の「定義」「臨床的意義」が示され、臨床に役立つ。日常診療で経過を大きく左右する大事なサインを、新しい知見を加えて解説する。「胎児心拍数の制御機構」の解説を加筆。

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序文

改訂4版 序文


『胎児心拍数モニタリング講座』初版は2005年10月に出版され,たくさんの皆さまにご愛読いただいて参りましたが,この度,おかげさまをもちまして,改訂4版を発行させていただくことになりました.皆さまもご存じのように,「産婦人科診療ガイドライン」や「産科医療補償制度・再発防止に関する報告書」において,胎児心拍数モニタリングの判読の重要性が再認識されています.

改訂4版では,一部症例を加えまた入れ替えて,新たな項目として,生理学的な基本事項「胎児心拍数の制御機構」を加えました.また,私が10年間の産科医療補償制度再発防止委員会委員を務めさせていただいた経験から,「産科医療補償制度・再発防止に関する報告書に学ぶ②」として,産科医療補償制度の事例から,胎児心拍数モニタリングの判読に関して,「いったい何が判読できていないのか」を解説しました.さらに,「胎児心拍数モニタリングにおけるピットフォール症例」として,胎児心拍数と子宮収縮の正確な計測と記録が行われないことによって起こりえるピットフォールを中心に,気を付けていただきたい症例について解説しました.

胎児心拍数モニタリングを判読するうえで,症例の背景を考えること,とくに母体の妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病,さらに胎児発育不全や羊水量異常などに注意を払うことが大切です.胎児心拍数モニタリングは現時点での胎児状態を推測する一つのツールにすぎません.経時的に変化していく胎児心拍数に対して,なぜそのような心拍数パターンが出現しているのか,その生理学的な意味を理解し,胎児状態を把握することが重要です.

以前にも増して皆さまのお役に立ち,これからも可愛がっていただける「胎児心拍数モニタリング講座」であることを願っております.


2021年11月

福島県立医科大学医学部 産科・婦人科学講座 主任教授
藤森敬也

目次

・改訂4版 序文

・初版 序文

・改訂2版 序文

・改訂3版 序文

・資料ダウンロード方法

【第1章 胎児モニタリングの基礎知識】

<1.胎児心拍数モニタリングの有用性>

◆研究発展の歴史

・胎児心拍数モニタリングと新生児脳症

◆胎児心拍数モニタリングの前方視的無作為抽出試験

・前方視的無作為抽出試験

・間欠的胎児心拍数聴取

◆新生児脳性麻痺に特徴的なモニタリング

・Reassuring FHRパターン

<2.胎児機能不全と胎児well-being評価法>

◆定義

・胎児機能不全とは?

・胎児心拍数波形の判読に基づく胎児機能不全の診断「日本産科婦人科学会の指針」

◆病態

・胎児機能不全の原因

◆管理

・胎児機能不全の診断(胎児well-being評価法)

・胎児機能不全の対策

<3.胎児心拍数の制御機構>

・胎児心臓の発生に伴う心拍数制御

・胎児心拍数の制御機構

・圧受容体反射(Baroreceptor reflex)

・化学受容体反射(Chemoreceptor reflex)

・胎児心拍数基線の制御

・胎児心拍数基線細変動

<4.胎児心拍数陣痛図の読み方(Reassuringなモニタリングとは?)>

◆胎児心拍数陣痛図の読み方の基本

・胎児心拍数モニタリングの装着時間

・胎児心拍数陣痛図を読むうえでの原則

◆胎児心拍数陣痛図の読み方

<5.胎児睡眠サイクルによる評価>

◆臨床的意義

・胎児睡眠サイクルの違いによる胎児心拍数モニタリングの違い

・胎児刺激による一過性頻脈の評価

・胎児睡眠サイクル(behavioral status)と一過性徐脈の関係

<6.胎児心拍数モニタリング(分娩監視装置)の装着>

◆定義

・外測法と内測法の違い

・陣痛圧モニタリング

<7.「産科医療補償制度・再発防止に関する報告書」に学ぶ①>

・間欠的胎児心拍数聴取について

・一定時間の分娩監視装置の装着が必要な状況について

・連続モニタリングが必要な状況について

・正確な胎児心拍数および陣痛計測について

・適正な胎児心拍数聴取の記録について

<8.「産科医療補償制度・再発防止に関する報告書」に学ぶ②>

◆どんな胎児心拍数モニタリングが判読できていないのか?

・遅発一過性徐脈を見逃さない,基線細変動を正しく評価する!

・産科医療関係者に対する提言

【第2章 胎児心拍数基線】

<1.胎児心拍数基線(FHR baseline)>

◆定義

・胎児心拍数モニタリング中の胎児心拍数基線

◆臨床的意義

・胎児心拍数基線は胎児状態や母体環境を反映

・胎児心拍数基線の変更

<2.胎児心拍数細変動(FHR variability)>

◆定義

・胎児心拍数基線細変動(FHR baseline variability)

・胎児心拍数細変動(FHR variability)

◆臨床的意義

・胎児心拍数基線細変動と胎児心拍数細変動

<3.頻脈(tachycardia)>

◆定義

・頻脈(tachycardia)

◆臨床的意義

・胎児不整脈

・頻脈性不整脈

<4.徐脈(bradycardia)>

◆定義

・徐脈(bradycardia)

◆臨床的意義

・徐脈性不整脈

【第3章 胎児心拍数一過性変動】

<1.一過性頻脈(acceleration)>

◆定義

・一過性頻脈(acceleration)

◆臨床的意義

・一過性頻脈とアシドーシス

・一過性頻脈とNST

<2.早発一過性徐脈(early deceleration)>

・胎児心拍数一過性変動の分類

◆定義

・早発一過性徐脈(early deceleration)

◆臨床的意義

・早発一過性徐脈の出現

<3.遅発一過性徐脈(late deceleration)>

◆定義

・遅発一過性徐脈(late deceleration)

◆臨床的意義

・遅発一過性徐脈とアシデミア(acidemia)

・遅発一過性徐脈の発現機序

<4.変動一過性徐脈(variable deceleration)>

◆定義

・変動一過性徐脈(variable deceleration)

◆臨床的意義

・変動一過性徐脈の出現

<5.遷延一過性徐脈(prolonged deceleration)>

◆定義

・遷延一過性徐脈(prolonged deceleration)

・サルタトリパターン(増加した細変動≧26bpm)

◆臨床的意義

・遷延一過性徐脈の出現

・サルタトリパターンの出現

【第4章 その他の症例】

<1.サイナソイダルパターン(sinusoidal pattern)>

◆定義

・サイナソイダルパターン(sinusoidal pattern):Modanlouの定義

◆臨床的意義

・サイナソイダルパターンの出現

・サイナソイダルパターンの発現機序

<2.珍しい症例>

◆臨床的意義

・オーバーシュート(overshoot)の出現

◆臨床的意義

・チェックマークパターン(Checkmark pattern)の出現

◆臨床的意義

・Wandering baselineの出現

・胎児中枢神経異常と胎児心拍数モニタリング

<3.双胎の胎児心拍数モニタリング>

◆臨床的意義

・症例の検討

<4.子宮内感染例の胎児心拍数モニタリング>

・絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis:CAM)とは?

・絨毛膜羊膜炎と脳性麻痺

【第5章 胎児心拍数モニタリングにおけるピットフォール症例】

<胎児心拍数モニタリングのピットフォール症例>

◆解説

・母体心拍:胎児心拍から母体心拍への移動(取り違え)

・分娩中における母体心拍数の特徴

・母体心拍との取り違えを防ぐためには?

・ドプラプローブ装着不良による雑音:ジッタ(jitter)

・凹の陣痛波形

・一過性頻脈様の変化に注意

・索引

・著者紹介

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書籍情報

  • ISBN:9784840478229
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2021年12月
  • 電子版発売日:2022年1月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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