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これさえあれば自信をもって心カテ室に入れる 心臓カテーテルのギモン104

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2023年4月
  • 電子版発売日 : 2023年3月23日
3,080
(税込)
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商品情報

内容

看護師 約180人のアンケートからできた

心臓カテーテル室での経験が少ない病棟看護師や緊急カテに携わる救急看護師のために、よくあるギモンを収載。
新人や若手への指導でも使えるように、要点を簡潔にまとめている。
ベテラン循環器看護師と臨床工学技士らがすべての心カテ看護師に贈る、“お守り”の一冊。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

はじめに

「業務ができるだけ」からの脱却!“心カテ”を理解する!

「とりあえず“ 心カテ” の本ない?(お金払うんだから、できるだけ簡単なやつね!)」、「心臓カテーテル室に配属された! わあぉ!」、「ずっと心カテ室やってるけど、なんかいまいちわからない……」、「質問されるけど実はこっちもよくわからんて……」なんて人には、どんな本がいいんだろうか……と、野崎さんと編集さんと相談してできたのがこの本のコンセプトでした。

本書を企画するにあたって、約180人の看護師らにアンケートにご協力いただきました。その回答で明らかになったように、「病棟兼務」だったり、「救急の患者さんだけはするけれど、ほかではしない」、「専属配置だけど症例数がそんなにない」だったりで、「症例数をこなして覚えることが難しい」という実態がわかりました。また、国内の環境として、「経皮的冠動脈インターベンション(PCI)をできる施設が増えた」ことや、「適応がより慎重に確認されるようになった」といった理由などにより、症例数が減ってきていることもあり、“ 数をこなす”ということは難しくなってきていると思います。

このような環境のなか、心臓カテーテル治療・検査のことを覚えるというのはなかなか大変であり、「業務を覚えることはマニュアルでできても、深く知ってよりよい看護に結びつけるということが難しいのではないか」と考えました。ですので、「業務中心の心カテ室勤務になってしまったら、きっとつまらないだろうな〜」とも思いました。そこで、この本は、あまり心カテ室に入らないような看護師さんや、「ちょっとまだよくわからないな……」というような方々を対象に、「さらっと読んで必要なときに必要なことを解決してもらえる」ような本にしました。ですので、内容としては本当に「エッセンスを詰め込んだら、こうなりました」、「実際の現場で遭遇する疑問が、かゆいところに手が届くようにわかる」というような本になったと思います。

さて、病院という場所は、「直接にはかかわりがなくても、いろんな職種がいないと成り立たない場所」であるというのはいうまでもありません。例えば、看護師が(施設によっては多少の差はあるかもしれませんが)患者さんの会計にかかわる作業まですべて行うとなると、本来の看護師としての仕事は疎かになってしまうでしょう。いろいろな専門職があり、それぞれが担うことによって、より患者さんのために自分の専門性を発揮することができると思います。

心カテ室では、さまざまな職種の方々が一緒になって働きます。ですので、「多職種との協働」ということを実感することができる環境です。誰か一人欠けてもうまく手技がまわらず、患者さんに迷惑をかけるということが実感できます。また、ほかの職種への尊敬も生まれる非常に貴重な現場であるとも思います。そんな心カテ室にかかわれるのは、ほんとうはとってもとっても患者さんのためになることだと思っています。自分も管理職になりましたが、とにかく心カテ室の看護や勉強は、急変や予期せぬ出来事などもありますが、「奥深く、ときに面白くて楽しいもの」ですし、「自分たちで作っていくもの」ということを伝えていきたいと思っています。

最後になりましたが、このような難しい主旨を理解して快くご執筆いただいた著者の先生方、また野崎暢仁先生、メディカ出版の編集担当の皆さんに感謝申し上げます。心カテ室にかかわる皆さまのお役に立てる本になっていると、うれしいです!


2023年1月

中村康雄


日ごろの疑問を解決して、“心カテ”を好きになるために

「心カテって怖い」 そんなことをよく聞きます。

“ 心カテ”は何をしているのかわからない。だから、「心カテが怖い」ってなってしまうのではないでしょうか?

心カテは侵襲的に心臓を検査・治療するもので、合併症や急変が万一起きれば、重篤な状況になりかねません。しかし、それは理由なく起こることはありません。必ず理由があります。そして、「なぜそうなるのか?」を知っていれば、合併症や急変を予測することができ、素早い対応ができるようになり、患者さんを救うことにつながります。

心カテでは、複数の職種で一つのチームを作って取り組みます。それぞれの職種には、それぞれに得意分野があります。その得意分野を生かし、チームで一つの目標に向かって取り組みます。「誰かが何かをするだろう」ではなく、看護師さん、あるいは臨床工学技士さんがこれをしてくれるから、「私にはこれを任せて!」と言える。これをお互いに理解し合うことによって、患者さんの治療の安全・成功が守られるのです。心カテ室にはさまざまな視点があります。一人で行うものではありません。それだけに、すべてを知っている、あるいはすべてをできる必要はないのです。チームで一つの医療を提供できれば、患者さんに安全・安心を届けられるのです。

今回、この本には皆さんから寄せられたたくさんの疑問に、たくさんのスペシャリストが答えてくれています。

一人の疑問は多くの人にとっても疑問なんだと、今回この企画を通してあらためて感じることができました。日ごろの疑問を解決することによって、少しでも多くのことを知って、チームのメンバーとして自分の得意分野のチカラを発揮することができれば、きっと心カテが好きになるでしょう。

この企画は、心カテの現場に看護師として長期にわたり携わっておられる中村康雄先生が「ぜひやりたい!」と考えられた企画です。現場のニーズにピッタリの企画だと思い、参加させていただきました。出版にあたり、私が尊敬する中村先生をはじめ、執筆いただいた諸先生方や仲間たち、そしてメディカ出版の方々に心より感謝申し上げます。

この本によって、一人でも多くの方に心カテが好きになっていただけるお手伝いができれば、とてもうれしく思います。手に取っていただき、ありがとうございます。


2023年1月

野崎暢仁


目次

【1章 緊急カテのギモン!】

1 胸痛患者が運ばれてきた!まず何を確認する?

2 胸痛での救急搬入時、鑑別すべき疾患は?

3 急変に備えて、どのようなものを準備しておけばよい?

4 急性心筋梗塞の処置って、どうして急ぐの?(緊急カテと定期カテの違い)

5 心電図の“ST変化”って何?

6 冠動脈と心電図変化って何か関係あるの?

7 急性心筋梗塞の心電図変化や不整脈が知りたいんだけど……

8 心電図や症状では緊急カテっぽくなかったのに、緊急カテになったのはどうして?

9 緊急カテになった! 血液検査のデータにはどんな変化が?

10 「採血データが出たら教えて」って先生が言うけど、何を伝えたらよいの?

11 緊急カテの穿刺部位ってどこ?

12 急性心筋梗塞“ならでは”の冠動脈って?

13 急性心筋梗塞を起こした冠動脈は、バイタルサインに影響するの?

14 再灌流障害って何のこと?

15 緊急カテで起こりうる患者さんの変化を教えて!

16 カテ室での救命処置って、どうしたらよいの?

17 急性心筋梗塞のときに血管を閉塞している血栓って、どんなもの?

18 緊急カテでの多職種の役割を教えて!

19 申し送りでは何を伝えたらよい?(カテ室→集中治療室)

20 申し送りでは何を伝えたらよい?(集中治療室→カテ室)

21 急性心筋梗塞後の合併症はどんなもの?

【2章 待機(予定)カテのギモン!】

22 患者さんへの声かけのタイミングは?カテの進行についていくのが精一杯で……

23 AHA分類とは?AHA分類が覚えられません

24 慢性完全閉塞(CTO)のとき、何ヵ所も穿刺するのはなぜ?

25 2剤併用抗血小板療法(DAPT)とローディングは、どう違うの?

26 薬剤溶出性ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)の違いは?

27 血流予備量比(FFR)と瞬時血流予備量比(iFR)の違いとカットオフ値について、教えて!

28 血管内エコー法(IVUS)と光干渉断層法(OCT)の選択基準は?

29 カテーテル検査に至るまでにどんな検査をしている?

30 カテ後に病棟看護師に申し送ることは?

31 カテ室に入る看護師として、どこまでできたら“ひとり立ち”?

32 カテ室での被ばくって大丈夫?

33 急変時はどうやって対応する?

34 ロータブレーター(R)やキッシングバルーン法(KBT)のとき、「ノルアドや硫アト、用意しておいて!」と言われたら?

35 圧がなまるのはどんなとき? どうしてそうなる?

36 12誘導心電図モニターで何がわかるの?心電図変化を把握するのが難しい……

37 造影剤によるアナフィラキシー、心原性ショック、迷走神経反射に、スムーズに対応できるアセスメントは?

38 注意すべき薬剤や確認しておくべき薬剤には、どのようなものがある?

39 分岐部病変の治療ストラテジーについて、教えてほしい!

【3章 特殊なカテのギモン!】

40 冠攣縮誘発試験って、どんなもの?

41 慢性完全閉塞(CTO)に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の方法は?

42 「DCA」ってどんなもの?

43 石灰化したプラークは、どうやって削る?

44 アテレクトミーをするときの観察ポイントは?

45 機能的評価法って何?

46 血流予備量比(FFR)検査で使用する薬剤は?

47 血管内エコー法(IVUS)の特徴的な画像を教えて!

48 血管内エコー法(IVUS)と光干渉断層法(OCT)の違いは?

49 スワンガンツカテーテルでわかる圧波形の特徴は?

【4章 補助循環のギモン!】

50 体外膜型人工肺(ECMO)って、どんなもの?

51 体外膜型人工肺(ECMO)の長所と短所は?

52 大動脈内バルーンパンピング(IABP)ってどんな効果がある?

53 カテ中に大動脈内バルーンパンピング(IABP)や経皮的心肺補助法(PCPS)はいつ必要?

54 大動脈内バルーンパンピング(IABP)における注意点や観察ポイントは?

55 「インペラ」ってどんなもの?

56 体外膜型人工肺(ECMO)の観察ポイントは?

57 体外膜型人工肺(ECMO)の導入手順と必要物品を教えて!

58 体外膜型人工肺(ECMO)や大動脈内バルーンパンピング(IABP)での申し送り内容は?

59 血管内エコー法(IVUS)の画像からわかる危険なサイン、見逃してはいけないところは?

60 カテ室で使う人工呼吸器について教えて!

61 テンポラリーペースメーカって、どんなもの?

62 ペーシングカテーテルを挿入したときに、必ずすることは?

63 テンポラリーペースメーカを入れたときの注意点は?

64 除細動が必要な心電図波形は?

65 除細動器ってどんなもの?使い方は?

【5章 患者・家族からのギモン!】

66 どれくらい入院する必要がある?

67 入院給付金はもらえるの?

68 カテ検査の費用や治療費はいくらかかるの?

69 高額療養費制度は、使える?

70 術前に飲み物や食べ物で注意するものは何ですか?

71 カフェインは、どうしてだめなの?

72 ワクチン接種は、カテ前後のどちらがよい?

73 尿道バルーンカテーテルが絶対に必要となる対象者は?トイレに行きたくなったらどうするの?

74 義歯や眼鏡は、つけていてもよい?

75 カテ治療を行った疾患が遺伝性の可能性はある?

76 どうして前日から生食の点滴をしないといけないの?

77 現在の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応基準は?予後はどんなもの?

78 糖尿病の薬を中止するのはなぜ?

79 いまのところ症状はないし、心電図も大丈夫……。検査をしないといけない?

80 遠位橈骨動脈アプローチ(dRA)は、ほかのアプローチより何がよいの?

81 疾患によって穿刺部位が違うのはなぜ?

82 血管の中に管を入れるって、何センチくらい入れるの?

83 1回のカテで、詰まってるところはすべて治せるの?

84 三枝病変に対して、手術ではなくカテーテル治療はできる?

85 カテーテル治療の適応にならない症例があります。バイパス手術とカテーテル治療は、どうやって選んでいるの?

86 ローターで削ったカスはどうなるの?

87 治療の成功率が知りたいのですが……

88 検査中に音楽かけるなど、リラックスできるものはない?

89 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)やカテーテルアブレーション(ABL)などの治療中は、動けないの?

90 カテ室が寒いのがつらいんです。寒いから靴下や下着はつけられる?

91 全身麻酔をかけてもらうことはできないの?局所麻酔だと、カテ中は意識があるもの?

92 鎮静薬の使用時に、夢を見ることはあるの?

93 ステントに寿命ってあるの?

94 治療は1回するだけで、大丈夫?

95 造影剤が入ってくると、どんな感じ?

96 カテ中は痛いもの?痛かったら我慢しなくてもよい?

97 穿刺部位を強く圧迫されるのはなぜ?

98 カテ時間が長い場合、家族が付き添ったほうがよい?

99 カテ後に採血をするのは、どうして?

100 カテ後に安静にしないといけないのはどうして?どのくらい動けない?反対の足なら動かしてよい?

101 カテ後、どのくらい薬を飲み続けるの?

102 入浴やシャワーは、いつからできるの?

103 リハビリテーションはいつから必要?治療後は、いつから普通の生活を送ってもよい?

104 帰宅後は、手で重いものを持ってもよい?

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書籍情報

  • ISBN:9784840479073
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2023年4月
  • 電子版発売日:2023年3月23日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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