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- 児頭回旋を極める~WEB動画でよくわかる 回旋異常のメカニズムとその対応
商品情報
内容
児頭回旋について、分娩の生理(正常回旋の機序)や診断、回旋異常時の対応に加えて、著者が考案した用指回旋手技“Dial Phone Technique”をわかりやすく解説。児頭回旋を理解し、実際の分娩の場で経過やリスクを把握し、また回旋異常時の対応に役立つ。
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序文
はじめに
30年以上も前の話である。筆者が研修医としての教育期間を終了し、はじめて大学病院の産科当直を一人で任されたときのこと、ある初産婦が陣発入院してきた。まずカルテを見て驚いた。その人は教授の特別な患者、すなわちV.I.P. だったのである。分娩は順調に経過し、子宮口全開大となったところで分娩室に呼ばれた。ところが、そこからなかなか生まれない。若かったし多少の自信もあったのだろう、さほど恐れることもなく吸引分娩を選択した。助産師にクリステレル圧迫をさせつつ牽引を試みた。だが、児頭はびくともしない。冷や汗をかきながら続けて3回ほど行ったが、吸引カップは虚しく外れ、ただ産瘤が大きくなるばかりで生まれる気配はまったくない。そこで、心を落ち着けてもう一度内診してみた。何と、後方後頭位であった。分娩監視装置の胎児心拍音は一過性徐脈というより持続的徐脈に近かった。頭からは血の気が引き、目の前が真っ暗となり、立っているのが辛かった。自分の医者人生もここで終わるのかと思った。緊急帝王切開すべく、震える声で病棟医長に連絡をとり、彼が到着するまでの40分間は永遠とも感じられた。その後の結末はといえば……幸いにも、筆者はこれまでこうして医者を続けられている。そして、その時から30年以上続く自問自答が始まったのである。はたして回旋異常とはいったい何なのだろうかと。今回、そろそろ産科医としての終末期を迎えるに際し、現時点での自分なりのその答えを披露してみたい。
2022年10月
飯田 俊彦
目次
はじめに
第1章 人類の進化と回旋異常
1)ヒトの出産だけの児頭回旋現象
2)二足歩行と児頭回旋現象
第2章 回旋異常と難産
回旋異常はなぜ難産となるのか
回旋異常はなぜ微弱陣痛となるのか
①ファーガソン反射
②力学的ブジー効果
第3章 児頭回旋異常の診断
児頭回旋表記の混乱:胎向、胎勢、児頭先進部をどのように扱うべきか
外診による回旋異常の診断
内診による回旋異常の診断
超音波検査による回旋異常の診断
第4章 第1回旋
第1 回旋の機序とその異常―屈位と反屈位の分かれ道
尖腹と反屈位
子宮の前屈と反り腰
反り腰の原因とその対応
第5章 第2 回旋
正常第2回旋の機序
1)軟産道と第2 回旋
2)骨産道と第2 回旋―鍵と鍵穴理論
3)第2 回旋機序とde-Snoo の実験 47
第2回旋異常と胎勢
1)児頭の応形機能と回旋異常 51
2)第2 回旋異常の機序
3)回旋異常と無痛分娩 55
①分娩に関わる神経の支配
②硬膜外麻酔と子宮収縮
③硬膜外麻酔は回旋異常の誘因となるか
4)回旋異常と胎児機能不全
第6章 回旋異常に対する一般的対応
回旋異常と分娩体位―四つん這い体位の効能
回旋異常と陣痛促進―人工破膜の効能
第7章 回旋異常に対するDial Phone Technique とは
古典的用手的回旋術
1)用手回旋手技の実際 69
2)用指回旋手技の実際 70
3)用手的回旋術をいつ行うか 71
器具を利用した内回旋術
Dial Phone Technique の実際
1)Dial Phone Technique の実際
①第1 段手技
②第2 段手技
③第3 段手技
2)Dial Phone Technique の至適条件の検討
①子宮口開大度とDial Phone Technique
②児頭下降度とDial Phone Technique
③骨重積とDial Phone Technique
④産瘤とDial Phone Technique
⑤破水とDial Phone Technique
⑥ Dial Phone Technique を成功させる至適条件とは
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書籍情報
- ISBN:9784840479097
- ページ数:120頁
- 書籍発行日:2022年12月
- 電子版発売日:2022年12月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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