医療従事者のための マンガならわかる漢方入門

  • ページ数 : 146頁
  • 書籍発行日 : 2023年7月
  • 電子版発売日 : 2023年7月6日
3,300
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商品情報

内容

生薬のはたらきがマンガで楽しく学べる

漢方薬を処方することの本来の目的は、症状を引き起こしている原因そのものを改善すること。そのためには漢方薬の効能とともに病気になるメカニズムを知り、臓腑の働きを調整することが重要である。本書は入門者にも覚えやすいよう、マンガでわかりやすく解説する。

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序文

序文

「漢方薬」を知らない人はいないと思います。しかし、西洋医学の薬と漢方薬の違いをきちんと言える人は少ないでしょう。当たり前のように浸透しているから、深く考えないというのもあるかもしれません。ですが、中医学を専攻している私としては、「違うんです。いや全然違うんですよ」と言いたくなっちゃいます。

だってすごいんですよ、漢方薬は。いろいろなことができるんです。例えば、虚を補うことができますし、元気を補うこともできます。「ん? 元気ってなに?」と思ったでしょうね。医学用語としては、「元気」という言葉は使わないので、ピンとこないですよね。胃が元気になると聞いて、イメージは湧きそうですが、どういうことかはわかりませんよね。では、血を補うことができます、と聞いてどう思われるでしょうか。それは西洋医学にもあるって? 例えば漢方薬であれば、血を補う方法として、血をつくる脾臓を強化することもできるし、血を蓄える肝臓を強くすることもできます。さらに腎臓を強化して利尿させ、薄い血を濃くして貧血を改善することもできます! なんて話をすると、ますます顔にハテナマークが現れます。

どうすれば、もっと漢方の魅力や中医学の面白さを伝えることができるんだろう…。その想いが詰まったのが本書です。この本を書くにあたり、たくさんの意見をいただきました。漢方は難しい。慣れない言葉が多いから頭に入らない。漢字が多すぎて無理。そうだよなぁ…と思った矢先に私に降りてきました。「そうだ! マンガにしよう♪」マンガなら手にとってもらいやすい。イラストならイメージとして頭に入る。漢字も減るかも。という流れで生まれました。しかし、マンガと思って侮るなかれ。中身は中医学の理論に沿った、本格的な漢方指南書です。漢方薬の考え方を、基礎からバッチリとお伝えしています。なんでもそうですが、物事の基礎はすべてシンプルです。漢方薬ももともとはとてもシンプルでした。それを改良に改良を重ねて今の形になりました。しかしそれでは理解するには少し難しいですよね。そのため、まずは漢方の入門書として複雑さを削除していきました。読み進むにつれ、「わかりやすい」「楽しい」「もっと知りたい」この3 つのワードが出てきてくれるととても嬉しいです。

マンガならわかる、漢方入門の世界の扉を開いてください。


2023年6月

中医師
神戸大学大学院非常勤講師
今中健二

目次

【第1章】漢方薬

漢方薬/中医学と漢方薬の関係

漢方薬の歴史

漢方薬を取り巻く問題点とこれからの課題

<Column>「漢方」と「漢方薬」と「中医学」の違いって?

【第2章】体の仕組み

体の仕組み/2種類の治療方法

五臓とは

五臓の役割と特徴

 心

 肺

 脾

 肝

 腎

漢方薬の基本は五臓にあり

<Column>血液循環

【第3章】方剤学

方剤学/体の元気を補う漢方薬:補気薬

元気をつくる6種類の漢方薬

 四君子湯【人参・白朮・茯苓・甘草】

 六君子湯【人参・白朮・茯苓・甘草・陳皮・半夏】

 二陳湯【茯苓・甘草・陳皮・半夏】

 理中丸(人参湯)【人参・白朮・甘草・干姜】

 枳実理中湯【人参・白朮・茯苓・甘草・枳実】

 苓姜朮甘湯【白朮・茯苓・甘草・干姜】

マンガ 四君子湯

血を増やす漢方薬

血を増やす5種類の漢方薬

 四物湯【当帰・芍薬・熟地黄・川芎】

 八珍湯【当帰・芍薬・熟地黄・川芎・人参・白朮・茯苓・甘草】

 芍薬甘草湯【芍薬・甘草】

 当帰補血湯【当帰・黄耆】

 当帰芍薬散【当帰・芍薬・川芎・茯苓・沢瀉・蒼朮】

<Column>中医芳香療法

マンガ 四物湯

かぜをひいたときの漢方薬:解表剤

かぜのひきはじめに効く5種類の漢方薬

 桂枝湯【桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗】

 葛根湯【桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗・葛根】

 麻黄湯【麻黄・桂枝・杏仁】

 麻杏甘石湯【麻黄・杏仁・甘草・石膏】

 大青竜湯【麻黄・桂枝・杏仁・甘草・生姜・大棗・石膏】

<Column>漢方薬の煎じ方は?

<Column>漢方薬は長く飲まなくてはいけない?

マンガ 桂枝湯

気の流れを良くする漢方薬:行気

気の流れを良くする2種類の漢方薬

 四逆散【枳実・柴胡・芍薬・甘草】

 逍遙散【柴胡・芍薬・甘草・当帰・白朮・茯苓】

マンガ 四逆散

陽の病気に作用する清熱の漢方薬

陽の病気に作用する清熱の4つの漢方薬

 白虎湯【石膏・知母・甘草・粳米】

 黄連解毒湯【黄連・黄岑・黄柏・山梔子】

 温清飲【黄連・黄岑・黄柏・山梔子・熟地黄・当帰・芍薬・川芎】

 茵蒿湯【茵蒿・山梔子・大黄】

マンガ 白虎湯

咳止めの漢方薬

咳止めの3種類の漢方薬

 二陳湯【茯苓・甘草・陳皮・半夏】

 温胆湯【半夏・竹筎・枳実・陳皮・甘草・茯苓】

 五虎湯【石膏・杏仁・麻黄・甘草・桑白皮】

<Column>お屠蘇は漢方薬?

マンガ 二陳湯

むくみを解消する利湿の漢方薬

むくみを解消する利湿の5種類の漢方薬

 五苓散【猪苓・沢瀉・白朮・茯苓・桂枝】

 苓桂朮甘湯【白朮・茯苓・桂枝・甘草】

 平胃散【蒼朮・陳皮・厚朴・甘草】

 胃苓湯【蒼朮・陳皮・厚朴・甘草・猪苓・沢瀉・白朮・茯苓・桂枝】

 半夏厚朴湯【半夏・厚朴・茯苓・生姜・蘇葉】

<Column>日本古来の処方の紹介

<Column>漢方薬の○○散、○○湯、○○丸って?

マンガ 五苓散

陰を補う漢方薬:補陰

陰を補う4つの漢方薬

 六味地黄丸【熟地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮】

 麦味地黄丸【熟地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・麦門冬・五味子】

 知柏地黄丸【熟地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・知母・黄柏】

 杞菊地黄丸【熟地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・菊花・枸杞子】

<Column>中国で中医学を学ぶということ

マンガ 六味地黄丸

体の元気を補う漢方薬:補腎陽

元気を補う補腎陽の3つの漢方薬

 八味地黄丸【熟地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・桂枝・附子】

 牛車腎気丸【熟地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・桂枝・附子・牛膝・車前子】

 人参湯【干姜・甘草・蒼朮・人参】

<Column>心・肺・脾・肝・腎

マンガ 八味地黄丸

冷えを改善する漢方薬

冷えを改善する4つの漢方薬

 大建中湯【山椒・干姜・人参】

 小建中湯【桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗・飴糖】

 黄耆建中湯【桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗・飴糖・黄耆】

 当帰建中湯【桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗・飴糖・当帰】

<Column>中医学に存在するさまざまな「気」

マンガ 大建中湯

【第4章】生薬学

生薬学/性・味・帰経

 性

 味

 帰経

代表的な生薬の効能と特性

 人参~気をつくる生薬の代表格~

 白朮~補気と健脾の生薬~

 茯苓~むくみを取る生薬~

 甘草~補益と調和に最適~

 熟地黄~陰を補う生薬~

 当帰~血を補う生薬~

 陳皮~気の流れを調整する生薬~

 半夏~湿を取り気を流す生薬~

 桂枝~解表剤の一角~

 麻黄~風寒を散らす生薬の代表格~

 石膏~清熱をするならこの生薬~

 沢瀉~利水効果ならこの生薬~

 山薬~気を増やし、脾・肺・腎を助ける生薬~

 牡丹皮~血に入った熱を取る~

 山梔子~五臓にこもった熱を取る~

【第5章】診断学

診断学

病気が体に入ってくる順序

病気が体に入ってきたときの治療

病気の原因が体内にある場合

 実証(気が盛んな状態):機能亢進している場合

 虚証(気が衰えている状態):機能低下している場合

中医学の診断方法 四診

四診ごとの陰陽の分け方

 望診

 聞診

 問診

 切診(脈診)

漢方薬治療の進め方

 気血の虚証

 実証

 湿証

 実熱証

 陰虚証

 陽虚証

 寒証

【第6章】症状別処方

症状別処方/めまい

頭痛

腹痛

むくみ

下痢

便秘

頻尿

月経痛

だるさ・倦怠感

眼精疲労

食欲不振

骨粗鬆症

不眠

・索引

・著者紹介

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書籍情報

  • ISBN:9784840481960
  • ページ数:146頁
  • 書籍発行日:2023年7月
  • 電子版発売日:2023年7月6日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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