• ページ数 : 136頁
  • 書籍発行日 : 2024年9月
  • 電子版発売日 : 2024年8月28日
4,950
(税込)
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商品情報

内容

「杖を使わなくても、まだ十分に歩けると思うんだけどね~」
「時々、突いたときに滑って転びそうになるんだよ。なんとかならないものかね!」
患者さん、杖の利用者さんから、こうした言葉を言われたことはありませんか?
そして、納得してもらえるような対応ができていると自信をもって言えるでしょうか?
この本はこれまでほとんど刊行されたことがない、「杖の正しい使い方」を示した書籍です。
それぞれの杖ごとに備わっている機能・効果、持ち方・合わせ方、
さらには運動器や脳・神経に関する疾患ごとに、どのような杖をどう使用すればいいのかなど
まるごと1冊、医療的な杖の使用に役立つ知識にあふれています!

歩行の補助具として幅広く活用されている一方で
誤った使用による痛みの発生や、転倒事故なども起きているなか
正しく杖を使ってもらうためにも、ぜひ本書を役立ててください!

序文

はじめに


「転ばぬ先の杖」という言葉があります。転倒しやすい高齢者の転倒を予防するために、真っ先に思いつくのが杖です。日本転倒予防学会では多職種で転倒の予防に取り組んでいます。しかしながら、転倒との戦いは長く険しく、終わりが見えない現状です。そんななかでも「杖」は強力な武器となります。

わが国では2019年時点で65歳以上の人口は3,589万人に達し、総人口に占める割合(高齢化率)は28.4%となりました。総人口が減少する中で、65歳以上の人口が増加し続けることにより、高齢化率は上昇の一途をたどっています。2036年には高齢化率が33.3%に達し、3人に1人が高齢者となると予想されています。さらに2042年以降、65歳以上の人口が減少に転じても、高齢化率は上昇し続け、2065年には38.4%に達する見込みです。加齢に伴い転倒発生率が上昇するため、今後、杖が必要となる方は増え続けることが予想されます。

一言で「杖」と言っても、その種類は多岐にわたります。年齢や病態に応じて使用すべき杖が異なりますので、「どの杖を使えばよいのか」と尋ねられることも多いでしょう。その際、医療関係者であっても、どのような杖を購入し、どのように使うべきかを的確に説明できる方は少ないのではないでしょうか? さらに、杖をどちらの手に持つべきかという基本的な知識さえも、多くの方にとっては曖昧かもしれません。実際、医学部の学生に「杖はどちらの手に持つべきか」と質問すると、半数が正しく答えられないことがあります。テレビ番組やドラマで、脚にギプスをしている側の手に杖を持つシーンが頻繁に見られる影響かもしれません。

本書では、杖に関する基本知識や使い方に加えて、さまざまな疾患に対する転倒予防策として、どのような症例にどのような方法でどの杖を使用すべきかを詳細に解説しています。例えば、脳卒中後の片麻痺患者に適した杖の選び方や、変形性膝関節症の患者にとって最適な杖の使い方など、実践的なアドバイスが豊富に含まれています。関節リウマチやパーキンソン病患者に適した杖の選定方法なども詳しく取り上げています。杖以外の歩行補助具についても具体的でわかりやすい説明がなされており、転倒予防のための杖をはじめとする歩行補助具の使用に関する網羅的な解説が特徴です。さらに、多数の実際の使用例を具体的に提示している点も、本書の大きな魅力です。コラムには杖に関する歴史的な話題が綴られており、職場での話のネタとしても非常に役立ちます。

本書は、看護師や医師をはじめとする医療・介護の現場で転倒予防に取り組んでおられるスタッフだけでなく、医療機器開発メーカーや製薬メーカーの方々にも有用な知識を提供しています。また、高齢者をケアする家族にとっても、実践的なガイドとして大いに役立つことでしょう。転倒予防の重要性がますます高まる中で、本書が皆様の実務に役立つ一助となることを願ってやみません。

最後に、本書を執筆いただいた転倒予防プロフェッショナルの皆様のご努力とご尽力に深く感謝申し上げます。


2024年6月

労働者健康安全機構山陰労災病院院長
萩野 浩>

目次

編集・執筆者一覧

序文

第1章 杖の基本知識

1.杖の分類と機能・効果

2.杖の形と構造

3.歩行のバイオメカニクスの基礎

4.杖歩行の生体力学・動作分析等

第2章 医療現場での杖歩行の患者指導・教育

1.どうすれば杖を使ってもらえるか?―杖歩行に抵抗のある方への勧め方―

2.杖のサイズの合わせ方

3.杖の使い方

4.白杖の特性と使い方および新技術の応用

Interview 木村敬一  白杖は、手の延長 持っていないとバランスが悪い

5.歩行器の構造と使い方

6.シルバーカーの構造と使い方

7.杖の指導・教育 ①リハビリテーション医学の立場から

8.杖の指導・教育 ②看護の立場からⅠ

9.杖の指導・教育 ③看護の立場からⅡ

第3章 運動器疾患、フレイル・サルコペニア、肢体不自由児における杖の選択と使い方

1.脊椎・下肢の骨折

2.変形性股関節症・変形性膝関節症

3.変形性脊椎症・腰部脊柱管狭窄症

4.関節リウマチ

5.下肢の切断

6.脊髄損傷(対麻痺)

7.その他の運動器疾患―通風性関節炎と足底筋膜炎―

8.フレイル・サルコペニア

9.肢体不自由児

第4章 脳・神経疾患における杖の選択と使い方

1.脳卒中後遺症

2.パーキンソン病(およびパーキンソン症候群)

3.運動失調

4,特発性正常圧水頭症

5.末梢神経障害

6.頭部外傷

column 「私と1本の杖との出会い」―ロフストランドクラッチのアトリエを訪ねて―

Special Topics スポーツと舞台芸術における杖

1.スポーツにおける杖

2.パラリンピックと杖

3.舞台芸術における杖

巻末 転倒予防川柳と杖

索引

column 杖百景……患者・使用者との会話のきっかけになる杖雑学

1.アスクレピオスの杖と医学

2.鬼平と杖

3.ウイスキーと杖

4.モーゼの杖

5.チャップリンの杖

6.シャーロック・ホームズの杖

7.ベートーベンの杖

8.刑罰と杖

9.杖の遊び

10.スフィンクスの謎々と杖

11.ヤマトタケルと杖突坂と芭蕉

12.正倉院の杖

13.弁慶と金剛杖

14.ツタンカーメンの杖

15.大津事件と杖

16.同行二人と延寿杖

17.駕籠かきの息杖

18.チャーチルの杖

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書籍情報

  • ISBN:9784880021348
  • ページ数:136頁
  • 書籍発行日:2024年9月
  • 電子版発売日:2024年8月28日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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