• ページ数 : 250頁
  • 電子版発売日 : 2011年3月3日
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商品情報

内容

聖路加国際病院内科チーフレジデントによる執筆の診断トレーニング 「最速!聖路加診断術」が電子書籍になりました。

序文

 本書は,症例の最終診断に至るまでの推論を楽しんでいただく本です.「ん ?,これは○○なんじゃない ?」,「へぇー,そんなことがあるの!」,「そうか,やっぱり思ったとおり!」などと,診断推論を楽しみながら診断力を高めていただ く本です.

 最初は重要な病歴と身体所見,次は基本的な検査所見だけと,少しずつ情報が追加されていきます.その度に診断を推論し,ときにはドンデン返しの思い をしながら,最終診断までの思考過程を楽しんでください.推理小説を読みながら犯人を推理するように,まず容疑者を洗い出し,裏(ウラ)を取り,真犯人(ホシ)を追いつめる,ということです.

 診断(推論)力は,臨床医にとって必須の能力です.診断力を高めるには,診断の理論だけをいくら学んでもダメで,一定以上の臨床経験が欠かせません.でも臨床経験十分といっても,自分の頭で考える経験を積まなければ,診断力は身につきません.限られた臨床情報のなかで,「最も考えられる疾患は何か ?」「見逃している重大な疾患はないか ?」と診断推論を繰り返すことが必要なので す.

 診断推論の方法には,仮説演繹法,網羅的検討法,アルゴリズム法,パターン認識法(直観法)などが知られています.仮説演繹法とは,まず鑑別診断を いくつかあげて,それぞれの可能性を吟味していく方法です.網羅的検討法とは,網羅的に鑑別診断を作っていく方法です.VINDICATE-P(Vascular, Infection, Neoplasm, Degenerative, Intoxication, Congenital, Auto-immune, Trauma, Endocrinopathy, Psychogenic)が有名です.アルゴリズム法とは,プロブレムに対する診断手順(アルゴリズム)に従って,分岐する質問に順次答えることにより診断にたどりつく方法です.パターン認識法(直観法)とは,患者の特徴と過去に学んだ疾患パターンとを対応させて瞬間的に診断する方法です.経験のある臨床医が最もよく用いる方法は,仮説演繹法とパターン認識法ですが,本書でも主にこの2つの方法を使っています.

 臨床現場には,実に多くのピットフォールが潜んでいます.トリッキーな症例に遭遇して,「見事にだまされた!」という経験がある読者も少なくないと思います.本書は全部で40症例からなりますが,どの症例も,数年以上の臨床経験があれば一度は遭遇したであろう比較的ありふれた疾患です.ところが,「最終診断は,最初の印象からはまったく予想外」というような症例が多いのです.「ありふれた疾患だけれど,ありふれていない臨床像を呈した症例」という わけです.

 各症例とも,まず,主訴と主な病歴身体所見が呈示され,「最も考えられる疾患」と「見逃してはいけない重大疾患」を推論します.次に,主な検査所見が加わり,プロブレムリストから「最も考えられる診断」を推論します.さら に,最終診断に必要な追加検査を考え,その結果からようやく最終診断に至ります.最後に,全体の診断推論をまとめ,診断のキーポイントここが肝!でしめくくります.診断推論を助け,知識を整理するために,!ポイントひと口メモを挿入しています.

 執筆者は,チーフレジデント経験者で卒後5年目の森,水野,山口,津川と血液内科の岡田です.当院内科では4年目の途中まで内科全般の研修を行いますが,チーフレジデント経験者で5年目のシニアレジデントと言えば,病棟,外来,当直,救急のあらゆる診療・教育場面で大活躍中の面々です.いわば, 当院屋根瓦教育の要(かなめ)です.

 執筆者の"イキがいい"のもユニークですが,本の作り方もユニークです.
(1)各自,とっておきの症例を原稿にまとめる.(2)毎月,全員集合してその原稿を遠慮会釈もなく批判する(される).(3)それを受けて各自原稿を書き直す.(4)それをさらに岡田が修正する.(5)最終原稿を各分野の専門医のチェックを受ける.というわけですから,本書の診断推論は,執筆者5人のコンセンサスであり,聖路加流の診断術なのです.

 どうぞ,本書によって小さなハラハラドキドキをお楽しみください.その結 果,「診断(推論)力がついた!」と少しでも感じていただければ,執筆者一同 これほどうれしいことはありません.

 最後に,今回も大変お世話になった三輪書店の青山智社長と大島登氏に感謝申し上げます.


2009 年 秋

聖路加国際病院 血液内科部長
岡田 定

目次

1. 青あざがひどい

2. 熱があって動くと息が切れる

3. 左足がむくんで痛いんです

4. 吐き気が止まらない

5. 肝臓が悪い

6. 腕が動かしづらい

7. 熱と咳がつらいです

8. 首が痛い

9. 意識がありません!

10. おしっこがよく出る

11. 熱が出て, 息苦しい

12. 痛くて夜も眠れない

13. ウトウトしていて起きてこないんです

14. 体ににきびができた

15. 熱があって腰が痛い

16. 眼が赤い, 関節が痛い

17. 風邪をひいた

18. おしりから赤い血が出た

19. 熱があって息切れする

20. 足がしびれる

21. 微熱と咳がよくならないんです

22. 足がむくむんです

23. 腰が痛い

24. 熱が出て眼が充血した

25. 顔色が...

26. 関節が痛い

27. 熱が続いてしんどい

28. 手足が動かない

29. 息苦しくて, ぼーっとします

30. 関節が痛くて歩けない

31. 脂汗が出ます

32. フラフラするんです

33. 熱があってわき腹が痛い

34. お腹がはる

35. 腰が痛い

36. 首の後ろが痛くて, いてもたってもいられない

37. 足がぷるぷるする

38. 歯を治療した後, 腰が痛くて歩けない

39. ずっと熱がある

40. 眼が赤くて, のどが痛い

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書籍情報

  • ISBN:9784895903479
  • ページ数:250頁
  • 電子版発売日:2011年3月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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