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- コメディカルのための邪道な脳画像診断養成講座
商品情報
内容
「この病気で、正常な脳がこれぐらい残っているから、のびしろはこれぐらいかな?」と“わかるコメディカル”になるのが本書の最終目標です。そこまでは目指してない、脳画像にアレルギー反応を示すような方にも、脳画像で患者さんを評価・アセスメントすることに興味をもってもらえるように、漫画中心で解説されているので、わかりやすく楽しく学べます!
序文
序
「脳画像は診断に用いるものであって、治療の評価やアセスメントに用いるものではない」...と思っている方が多いと思います。特にコメディカルでは、患者さんのアセスメントに脳画像は使っている人はほとんどいないでしょう。結果として、地域支援やリハビリテーション・デイケアなどの、コメディカル主体の治療・支援が脳にどのような影響を与えているのか、現在ほとんど知られていません。
この現状のままでいいのでしょうか? 患者さんやその家族に、「治療や支援で脳のどこが良くなるのか?」と尋ねられたら、答えられますか?近年、リハビリテーションやデイケアが脳にどのような影響を与えているのか、ようやく報告されるようになってきました。例えば私は、高次脳機能障害の患者・家族に対する通院支援プログラム(オレンジクラブR)の前後で、患者さんたちの社会的行動が改善し、同時に前頭前野をはじめとする領域の脳循環代謝の改善を認めたことを発表しています(図)。こういった知見を蓄積させていかないと、コメディカルによる治療・支援の科学的根拠は確立されていかないでしょう。そのためには、脳画像を患者さんの評価やアセスメントに積極的に用い、治療・支援の成果との関連をどんどん発表していく必要があると思います。
これらの研究報告では、SPECTやPETなどの「脳機能画像」が用いられていますが、ルーチンで脳機能画像検査を行っている病院は少なく、結果の解釈も難しいためコメディカルには敷居が高いと思います。実際にコメディカルが評価・アセスメントに使えるとしたら、CT・MRI まででしょう。
CT・MRIで脳機能は評価できませんが、「正常な脳がどれだけ残っているのか?」は十分わかります。ADLや自己管理能力等の、高い次元の複雑な能力は、脳全体を使うので、脳のどこが損傷しているかよりも、「正常な脳がどれだけ残っているのか?」が深く関わってきます(これを量の原理とよびます)。よって、CT・MRI画像で、「正常な脳がどれだけ残っているのか?」評価できれば、患者さんの社会復帰のための潜在能力(のびしろ)を予想するのには十分に役立ちます。
本書では、「それぞれの脳疾患でどのように正常脳が減ってしまうのか?」を中心に、CT・MRIの見方を解説しています。同時に、この脳疾患でこのぐらい正常脳が減ると、これぐらいのADL・社会生活能力になる、ということにも言及しています。
日常的な臨床を、本書片手に患者さんのCT・MRI と見比べながら行ってみてください。そうすれば、将来的に、脳画像から患者さんの“のびしろ”をある程度予想できるようになると考えています。
こういったねらいの画像の解説本は今までなかったと思います。脳画像は診断に使うことが“王道”なのでしょうから、そういう意味では本書は“邪道”な内容ですね。
「この病気で、正常な脳がこれぐらい残っているから、のびしろはこれぐらいかな?」と、“わかるコメディカル” になるのが本書の最終目標です。そこまでは目指してないよ!という方や脳画像にアレルギー反応を示すような方にも、脳画像で患者さんを評価・アセスメントすることに興味をもってもらえるように、漫画中心で読みやすさ重視の構成になっています。
脳画像を極めようという方にも、これから勉強してみようという方にも、本書がコメディカルの皆さんのお役にたてば幸いです。
2016年5月
粳間 剛
目次
本編
養成講座第 1回 量の原理とはッ!
養成講座第 2回 MRIの白と黒ッ!
養成講座第 3回 CTの白と黒ッ!
養成講座第 4回 認知症の白と黒ッ!
養成講座第 5回 脳血管障害①梗塞編!
養成講座第 6回 脳血管障害②出血編!
養成講座第 7回 脳血管障害③くも膜下出血編!
養成講座第 8回 脳外傷の白と黒ッ!
養成講座第 9回 脳腫瘍の白と黒ッ!
養成講座第10回 水頭症と脳ヘルニアの白と黒ッ!
養成講座第11回 Treatable dementiaとアイウエオチップスッ!
養成講座第12回 CT/MRIで白黒つかないモノ!:(非器質性)精神疾患編
特別編
養成講座第1.5回 量の原理の補足ッ!
養成講座第2.5回 正常MRIの白と黒ッ!
養成講座第3.5回 正常CTの白と黒ッ!
養成講座第5.5回 MRI―DWIの白と黒ッ!
養成講座第7.5回 MRAの白と黒ッ!
養成講座第8.5回 MRI T2*強調画像とSWIの白と黒ッ!
疾患各論編
脳外傷と量の原理、その事例
脳外傷例における正常脳の量と社会生活能力との関係
36歳男性の脳外傷(びまん性軸索損傷)例:日常生活に見守りを要するケース
25歳男性の脳外傷例:元の職場へ復職できたケース
認知症と量の原理、その事例(変性疾患例)
変性疾患例における正常脳の量と社会生活能力との関係
81歳男性のアルツハイマー病(認知症発症から3年の経過で全介助になった例)
72歳男性の前頭側頭型認知症(軽度認知機能障害+進行性非流暢性失語症例)
脳血管性認知症と量の原理、その事例
脳血管性認知症例における正常脳の量と社会生活能力との関係
60歳女性の脳血管性認知症(MCI-mild VaD):術後廃用から回復したケース
72歳男性の脳血管性認知症(中等度):回復に乏しかったケース
脳梗塞・脳出血(巣症状型)と量の原理、その事例
脳梗塞(巣症状型)例における正常脳の量と社会生活能力との関係
56歳女性(発症時)の脳梗塞7年の経過(右片麻痺が残るもADL自立を維持)
27歳男性(発症時)の脳出血の経過(左片麻痺が残るも生活自立、復職は困難)
脳腫瘍と量の原理、その事例
脳腫瘍(巣症状型)例における正常脳の量と社会生活能力との関係
38歳男性の脳腫瘍例:巣症状があるも早期に復職できたケース
23歳男性の脳腫瘍例:治療関連の全脳萎縮があり就労不可だったケース
低酸素性脳症と量の原理、その事例
低酸素性脳症における正常脳の量と社会生活能力との関係
49歳男性の一酸化炭素中毒による遅発性低酸素脳症:早期復職できたケース
40歳女性の心肺停止後低酸素脳症(ADL全介助例)
量の原理が使えない事例①くも膜下出血・水頭症・脳ヘルニアなどの圧損傷例
くも膜下出血+水頭症における正常脳の量と社会生活能力との関係
73歳女性の脳外傷後の水頭症例(本編養成講座第10回と同一症例)
量の原理が使えない事例②精神疾患
精神疾患全般における正常脳の量と社会生活能力との関係
43歳男性のうつ病例:復職困難なケース(外傷歴なし、成長発達歴問題なし)
36歳男性の注意欠如多動症例:常勤困難なケース(外傷歴なし、成長発達歴問題あり)
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書籍情報
- ISBN:9784895905671
- ページ数:100頁
- 書籍発行日:2016年5月
- 電子版発売日:2016年10月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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