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- 眼科検査LvUP(レベルアップ)エッセンス
商品情報
内容
眼科検査は、保険請求ベースで60項目存在する。どれも重要な検査だが、日常診療で行われている数には大きなばらつきが存在する。よく実施される眼科検査は上位11%で全体の8割、17%で9割を占めている。眼科では対象の疾病に対して、どのような検査が必要かの判断が決定的に重要である。
そこで優先順位をつけて学ぶために、多数ある眼科検査の中から疾患ごとに、オーダーされる頻度や重要度の高い検査項目に着目しピックアップ。従来の検査関連の教科書は分厚い辞書のようなものが多いが、本書はそのようなアプローチはとらず効率良くエッセンスを学べることを目指した。各検査の概論は他書に譲り、本書ではよく経験する疾患ごとに必要な検査を示し、細かい説明は省き「検査を行うときの注意点・ポイント」に焦点を当てた。
若手眼科医・視能訓練士がまずは知っておくべきコツやポイントを習得でき、検査手技をレベルアップする合理的かつ実践的なエッセンスのみを掲載している。
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序文
序
新しいことを習得するときの最良の方法は? 全体を知ってから,優先順位をつけて学ぶことである.世の中には楽しいことが無数に存在する.眼科検査の修練に一生を捧げることはできない.しかしプロフェッショナルは,神様と自分との間で偽りなく,質の高い仕事をしなければならない.では,どうするか.まさに,眼科検査の全体像を知り,優先順位をつけてエッセンスから学ぶことが重要となる.本書はその方法を提供するものである.
眼科検査は保険請求ベースで60 項目存在する.どれも重要な検査だが,日常診療で行われている数には大きなばらつきが存在する.イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(1848~1923)は,2割の高額所得者に社会全体の8 割の富が集中するような“富の偏在”を明らかにし,これが一般に「パレートの法則」と呼ばれるようになった.売上の8 割は2 割の社員が上げている,使っているスマホ機能の8 割は2 割の限られた機能だけである,よく会う知り合いの8 割は2 割の友人である.眼科検査も同様である.いや,それ以上である.よく実施される眼科検査は上位11%で全体の8 割,17%で9 割を占めている.優先順位をつけて学ぶことの重要性がわかるだろう.眼科では対象の疾病に対して,どのような検査が必要かの判断が決定的に重要である.必要な検査の優先順位がわかれば,診察室と検査室の無駄な往復も減らすことができる.
本書は,これから眼科検査を学ぶ若手眼科医や視能訓練士などを対象としている.従来の検査関連の教科書は,分厚い辞書のようなものが多い.本書はそのようなアプローチはとらず,エッセンスを効率良く学べることを目指した.よく経験する疾患ごとに必要な検査を示し,細かい説明は省き,“検査を行うときの注意点・ポイント”に焦点を当てた.まずは重要な部分を押さえてから,詳しい勉強は多くの素晴らしい既存の教科書に当たっていただきたい.本書の内容をしっかりマスターすれば,検査トラブルの8 割を発生させる2割の眼科医や視能訓練士になる心配はない.
本書の作成にあたり,ご協力・ご助言をいただいた順天堂大学医学部附属順天堂医院 視能訓練士の秋場ひろみさん,新澤有可さん,稲葉志帆さん,三樹亜弥佳さん,山口伶美さんに感謝するとともに,撮影にご協力いただいた同大学 視能訓練士の皆様にも心より御礼申し上げる.
最後に,本書の切り口は同大学の同僚 根岸貴志先生と練ったものである.深く感謝申し上げる.
2020年4月
平塚義宗
目次
基本編
検査01 細隙灯顕微鏡検査
各部位の観察
眼圧測定/ゴールドマン圧平眼圧計
検査02 眼底検査
倒像鏡による眼底検査
細隙灯顕微鏡(前置レンズ)による眼底検査
眼疾患編
症例01 白内障
機器に共通した注意点
屈折検査/オートレフケラトメータ
眼圧測定/非接触眼圧計
視力検査/視力表
角膜内皮細胞顕微鏡検査/スペキュラーマイクロスコープ
光学的眼軸長測定/OA-2000・IOLマスター
症例02 眼底が見えない白内障
網膜電図検査/視覚誘発反応測定装置(LE-4000)
超音波検査Bモード/超音波画像診断装置
超音波検査Aモード/超音波画像診断装置
症例03 小児の視力障害
視力検査/字ひとつ視力表・絵視標(鳥/犬/蝶/魚)
心因性視力障害・詐盲の視力検査
症例04 糖尿病網膜症
眼底撮影/眼底カメラ
眼底撮影/超広角走査型レーザー検眼鏡
フルオレセイン蛍光眼底造影検査/蛍光眼底造影撮影装置
症例05 緑内障
眼圧測定/ゴールドマン圧平眼圧計
眼圧測定/トノペン
眼圧測定/アイケア
静的量的視野検査/ハンフリーフィールドアナライザー
動的量的視野検査/ゴールドマン視野計
光干渉断層法/シラスHD-OCT
角膜厚さ計測/パキメーター
前眼部OCTによる隅角撮影/SD-OCT(SS-1000)
症例06 眼球打撲
ヘス赤緑試験/ヘスコージメーター
眼球突出度測定/ヘルテル眼球突出計
症例07 斜視
眼位検査(遮閉試験)/遮閉板
眼位検査(プリズム遮閉試験)/プリズム
眼球運動検査〔単眼運動(ひき運動)検査・診断的両眼共同運動(むき運動)検査〕
眼球運動検査(輻湊近点検査)
立体視検査/Lang-stereotest
立体視検査/Titmus stereo test
立体視検査/TNO stereo test
網膜対応検査(バゴリーニ試験)/バゴリーニ眼鏡
網膜対応検査(赤ガラス試験)/赤ガラス
網膜対応検査(ワース4灯検査)/ワース4灯
両眼視機能検査/大型弱視鏡
症例08 加齢黄斑変性
インドシアニングリーン蛍光眼底造影検査/蛍光眼底造影撮影装置
光干渉断層法/シラスHD-OCT
光干渉断層法/スペクトラリスOCT
光干渉断層血管撮影/PLEX Elite 9000
中心暗点検査/アムスラーチャート
症例09 色覚異常
共通した注意点
色覚検査/石原色覚検査表Ⅱ
色覚検査/標準色覚検査表
色覚検査/パネルD-15テスト
色覚検査/アノマロスコープ
症例10 角膜ヘルペス
角膜知覚計検査/角膜知覚計
症例11 ドライアイ
涙液分泌機能検査(シルマー試験)/シルマー試験紙
角結膜生体染色検査/フルオレセイン染色・ローズベンガル染色
涙液層破壊時間検査/フルオレセイン試験紙
症例12 コンタクトレンズ処方
共通した注意点
ハードコンタクトレンズ処方
ソフトコンタクトレンズ処方
症例13 眼鏡処方
レンズの測定/レンズメータ
瞳孔間距離測定/三田式万能計測器
眼鏡処方
症例14 網膜色素変性
網膜電図検査(皮膚電極ERG)/視覚誘発反応測定装置(LE-4000)
その他のERG(局所ERG・多局所ERG)/視覚誘発反応測定装置
静的量的視野検査(エスターマンテスト)/ハンフリーフィールドアナライザー
症例15 円錐角膜
角膜形状解析検査/前眼部解析装置(TMS-4/5)
角膜形状解析検査/前眼部解析装置(ペンタカム)
角膜形状解析検査/前眼部OCTによる角膜撮影〔SD-OCT(SS-1000 CASIA)〕
症例16 弱視
調節麻痺下屈折検査/アトロピン・シクロペントラート
検影法/検影器
症例17 視神経炎
限界フリッカ値測定/中心フリッカ値測定装置(ハンディフリッカHF-Ⅱ)
交互点滅対光反射試験/ペンライト
症例18 ぶどう膜炎
前房蛋白測定/フレア・セルフォトメータ(FM 600)
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書籍情報
- ISBN:9784895906890
- ページ数:160頁
- 書籍発行日:2020年4月
- 電子版発売日:2020年6月10日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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