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わかる・できる脳神経疾患の看護トータルガイドー脳画像によるアセスメントから疾患の理解、全身管理、リハビリテーションまで

  • ページ数 : 246頁
  • 書籍発行日 : 2023年3月
  • 電子版発売日 : 2023年3月2日
3,080
(税込)
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商品情報

内容

患者の「いま」がわかり、次の看護ケアがわかる!病棟看護にも活かせる臨床Tipsが満載!

「脳神経疾患って難しい、こわい」「脳画像がよくわからない」「脳画像は,看護に必要?」と食わず嫌いになっていませんか?脳画像や脳神経を評価することで、患者さんの「いま」の状態がわかり、次に行うべき看護ケアを予測することができます。そして、患者の状態に応じた個別的看護を提供することができるようになります。
本書では脳神経疾患の集中治療や脳神経外科病棟における看護実践で役立つ脳画像のみかた、脳神経アセスメントから、疾患の病態と治療、せん妄、高次脳機能障害、失語症、栄養管理、嚥下障害、循環と呼吸管理、凝固・線溶、リハビリテーションの理解と対応まで、トータルにわかりやすくまとめています。
わかれば、こわくない!脳神経外科看護に自信をつけたい人にぜひ読んでほしい1冊。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

監修の言葉


神経疾患は,例えば循環器疾患と比較し,機器によりモニタリングできるものが少ない,ということがあるのではないかと推測している.例えば,循環器疾患であれば心電図を通して,心臓の電気的活動のモニタリングを簡便に,そして持続的に行うことができる.しかしながら脳神経疾患では,看護師自らがベッドサイドで所見を取りにいかないと何も得られない.

では,どのような所見が必要なのか,そしてその所見をどのようにアセスメントするのか,ということが問われることになる.逆説的に言えば,看護師が取る所見が重要であるという点で,脳神経疾患の看護はやりがいのあるものであり,私もそのやりがいにはまったひとりである.

本書では,編者の鎌田佳伸さんを中心に,脳神経のスペシャリストたちが執筆をしている.特に画像と病態を結びつけることは,脳神経のアセスメントには非常に重要なのだが,その点に関しても非常に詳細に,そしてわかりやすく記載されている.また,豊富な事例を用いて,実際のアセスメント例が記載されている点は,読者の理解を深めることにつながるだろう.

さらに,脳神経疾患の全身管理まで述べられており,特に急性期での看護師にとって有用であろうと思う.加えて,リハビリテーションに関しても詳細に述べられている部分は,急性期のみならず,慢性期の看護師をも本書の対象にするであろう.全体的に,平易な表現で,かつ,イラストを多用し,わかりやすく記載しているため,この一冊があれば苦手を克服することにも役に立つし,また,比較的得意な看護師にも復習,あるいはより深めたい場合に役に立つであろう.

本書が,多くの脳神経疾患に関わる看護師の救世主的なハンドブックとなり,また,それを通じて多くの患者さんに良いケアが届けられることができれば監修者としてこれ以上ない喜びである.そして,脳神経外科疾患の患者さんへの看護が好きになる看護師が増えることを祈っている.


札幌市立大学 看護学部 卯野木 健



序文 脳神経アセスメントの世界へようこそ


集中治療に関わる仲間や病棟での看護実践の際,多くの看護師が「脳神経外科(脳外科)ってむずかしい」「頭の画像がよくわからない」と話しているのを聞くことがあります.たしかに私も脳外科病棟で勤務し始めた頃はまったく脳画像はよめませんでしたし,脳外科はむずかしいなと感じたものです.ただ解剖生理に治療や看護などさまざまなことを学ぶ中で,今は脳外科看護がちょっとだけわかってきました.その中で感じたことは脳外科看護師も,脳画像を読めたほうがよいということです.

絶対に画像を読めなければいけないかと問われれば,絶対ではないけれど,読めたほうがいいと答えます.

最近は患者の重症化回避・合併症予防・さらには患者のQOLの向上に多職種でのチーム医療が注目されています.さらにはタスクシフトやタスクシェアといった言葉も聴かれてきています.一昔前は医師や放射線技師が画像を読んで判断すればよかったかもしれません.しかし現在は多職種で取り組むことで,より正確な診断や治療へつなげることが標準的になりつつあります.看護師であっても一緒に取り組むことは可能ですし,またこれらの取り組みが私たちの「看護」につながるのだと感じています.画像を読むということは,患者の今の状態を知るだけでなく,今後起こるであろう事象を予測するツールとして看護を行ううえでの大きな武器になります.

本書は,基本的な脳の解剖生理や治療だけでなく,異常の早期発見・重症化回避のための手法やリハビリテーションについて,そして2025年に向け地域包括システムまで,急性期だけでなく回復期・維持期までも網羅し,またさまざまな職種の方に役立ててもらえる内容となっています.札幌市立大学の卯野木健教授へお力添えをいただくとともに,エキスパートである執筆者たちのたくさんの知識と経験が詰まった一冊となっています.

ぜひ日々の臨床にご活用いただき,患者の回復への一役を担うのに役立ててもらえれば,大変嬉しく思います.


執筆者を代表して
2022年12月 鎌田佳伸

目次

監修の言葉

序文 脳神経アセスメントの世界へようこそ

第1章 脳神経アセスメントに役立つ脳画像

1.1. なぜ脳神経アセスメントに脳画像が必要か

1.2. 意識障害の評価を確実にできるようになる

1. 意識障害を評価するツール

1.3 押さえておきたい脳画像の基礎知識

1. 脳画像を見る流れーどの脳画像を見たらよいか

2. この画像を見れば病態と病気がわかる─MRIとCT,MRA

3. 大脳の脳血管支配領域と脳画像

4. 脳疾患の症状と脳スライスレベルの見かた

第2章 身につける脳神経アセスメントのポイントと実践〜脳神経系〜

2.1. 脳の12神経とNIHSSの関係─神経学的所見をマスターしよう

1. 意識障害と脳の12神経による神経学的評価

2. NIHSSと脳の12神経による機能評価

3. 脳の12神経の評価を用いた看護の実際

 コラム 脳の12神経に対する私の苦手意識

2.2. 運動機能編─運動機能を正しく評価しよう

1. 正しいMMT評価

 コラム 看護的MMT?

 コラム MMTを学びアセスメントが変わる

2. バレー徴候試験   

3. ミンガッチーニ徴候試験

4. フーバー徴候試験

2.3. 言語機能と脳画像の評価―言語障害といっても病態はさまざま

1. コミュニケーションとしての言語機能

2. さまざまな言語障害

3. 言語障害と脳画像

4. 失語症への看護ケア

 コラム 言語はコミュニケーション

2.4. 脳幹と瞳孔所見─異常の早期発見が生命の維持に結びつく

1. 対光反射と脳神経

2. 瞳孔対光反射の経路の障害

3. 看護における対応

 コラム 「眼は心の窓」

2.5. 高次脳機能障害―目に見えない障害を理解しよう

1. 記憶障害

2. 遂行機能障害

3. 注意障害

4. 半側空間無視

5. 社会的行動障害

6. 看護でのポイント

 コラム コミュニケーションの講演会で

2.6. 脳疾患と摂食嚥下の関係─摂食嚥下障害患者の理解とケアのポイント

1. 摂食嚥下のモデルと評価

2. 摂食嚥下障害の脳画像

3. 摂食嚥下障害患者のケアと看護師の役割

第3章 身につける脳神経アセスメントのポイントと実践~全身管理

3.1 脳神経と循環の関係―急性期の循環管理

1. 頭蓋内圧(ICP)の管理

2. 脳灌流圧(CPP)の管理

3. 急性期の血圧の管理

3.2 脳神経と呼吸の関係―急性期の呼吸管理

1. 呼吸のメカニズム

2. 急性期の呼吸管理

3.3.脳神経と痛み・せん妄・不穏

1. せん妄とは何か

2. ステップで学ぶ!不穏・痛み・せん妄の対応

3.4. 栄養管理―栄養なくして患者ケアはできない

1. 重症患者の栄養アセスメントのポイント

2. 栄養管理の実践

3. 栄養管理における看護師の役割

3.5. 血液凝固・線溶の理解―出血?梗塞?凝固・線溶のポイントを学ぶ

1. 血液の止血機能と線溶

2. 血液凝固・線溶の評価と看護ポイント

第4章 身につける脳神経疾患の知識と看護のポイント

4.1. 脳梗塞─急性期治療の現状と看護のポイント

1. 脳梗塞のさまざまな病態

2. 脳梗塞の治療

4.2. 脳出血

1. 脳出血の好発部位

2. 脳出血の治療

3. 脳出血のさまざまな症状

4. 看護のポイント

 コラム わかったつもりの脳出血

4.3. クモ膜下出血─急性期治療の現状と看護のポイント

1. 病態

2. クモ膜下出血の治療

3. 看護のポイント

 コラム ラスボス的な存在─クモ膜下出血

4.4. 頭部外傷(急性硬膜外血腫・急性硬膜下血腫・慢性硬膜下血腫)

1. 頭部外傷の特徴

2. 局所性脳損傷の特徴

3. 局所性脳損傷の治療

4. 看護のポイント

第5章 急性期から回復期までのリハビリテーションの実際

5.1. リハビリテーションが患者の予後を左右する

1. 脳卒中におけるリハビリテーションの目的

2. 臥床がもたらす弊害

3. リハビリテーションを開始する時期

4. 入院から退院後までーリハビリテーションの継続

5.2. 脳神経疾患患者の看護ケアとリハビリテーションのポイント

1. リハビリテーション治療の流れ

2. 看護ケアとリハビリテーションのポイント

5.3. リハビリテーションの実際

1. 急性期リハビリテーションの実際

2. 回復期リハビリテーションの実際

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書籍情報

  • ISBN:9784895907736
  • ページ数:246頁
  • 書籍発行日:2023年3月
  • 電子版発売日:2023年3月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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