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- 医療福祉の現場で実践してみよう!インテリアリハビリテーション
商品情報
内容
住環境デザインは、医療福祉施設の経営的な側面からも、医療・介護の質的側面からも、その重要性を誰もが認めるものとなりました。一方で、現場の職員や経営者にとって、「どのように環境を整えていくのか」は、大きな課題の一つとなっています。
そんな課題を解決するために、著者が提唱しているのは、「インテリアリハビリテーション」という考え方です。本書は、この「インテリアリハビリテーション」を体系的に解説する初の書籍です。
本書では、①うまくいっていない環境を再び適切にすること、②改善された環境の中でそこに集う人が心も体も元気になっていくこと、これらを実現するための環境づくりの考え方や具体的な実践方法、職員への指導方法等を、写真やイラストによる事例を交えながら紹介しています。
序文
はじめに
医療福祉施設のインテリアを元気にするインテリアで人々が元気になる
読者の皆様
本書をお手に取っていただき、心より御礼申し上げます。
「お年寄りが落ち着いて過ごせる、自然と笑顔になる環境づくりに取り組みたい」
「癒しの環境、家庭的な雰囲気づくり、を実践できるスタッフを育成したい」
「新築(リフォーム)したばかりなのに、施設開設後からなぜかちぐはぐで落ち着かない」
「小予算でアメニティの改善を図りたいが、どうしたものか」
本書では、このようなお悩み、ご要望を解決するための考え方や実践方法をまとめました。見た目だけではない、“環境を医療や介護の味方につける”実践的方法を解説しています。清潔であたたかみのあるインテリアは、地域で選ばれる施設になるためにも必須の要素です。開設から年月を経た施設も、模様替え、備品購入、職員による環境づくりの実践で変わることができます。
医療福祉施設の住環境デザインについて、経営的な側面からも、医療や介護の質的側面からも、その重要性は誰もが認めるものとなりました。しかし、新築やリフォームの機会以外に、どのように施設環境を整えていけばよいのか、経営者、現場の職員は悩ましい課題に直面しています。
仮に何らかのリフォームに取り組んだとしても、空間デザインと運営が噛み合っていなければ、せっかくの設備投資も活かされません。デザイン性に優れた施設であるほど、それを使いこなし、ケアに活かす方法をスタッフが理解し、実践していく必要があるのです。筆者は、医療福祉施設における環境づくりの取り組みを「インテリアリハビリテーション®」と名づけました。のちほど詳しく説明いたしますが、本来安らげる、居心地よくあるべき住環境がそのように感じられないとき、環境を再び適切にすること、改善された環境のなかで、そこに集う人々が心も体も元気になっていくこと、という二つの意味を込めています。本書は「インテリアリハビリテーション®」に関して体系的に解説する初の書籍でもあります。ぜひ、次のような場面でお役立てください。
・スタッフの皆さんが、環境づくりについて悩んだら本書を開き、ヒントにする。
・施設経営者や管理者が、環境づくりを指導するために活用する。
・施設建設やリフォームを検討中(進行中)の経営者が、参考資料とする。
・ 建築家やデザイナーが、インテリアリハビリテーション®を意識した空間設計や、スタッ
フへの環境づくり指導を学ぶ。
Chapter1は主に経営者、管理者の方へ、環境づくりの重要性や考え方についてまとめました。Chapter2以降は実際に環境づくりを実践する方へ向けて、現場でありがちな悩みを見出しにし、事例を多く掲載し、行動に移しやすい構成を心がけました。さらに、環境をいかに医療、ケア、リハビリテーションにつなげていくか、スタッフ自ら考え、実践し、継続するための具体的な方法も紹介しています。
「興味はあるが、“センス”に自信がない」という方も、ご心配は無用です。取り組みやすい“法則”を実践するだけで、家庭的で居心地よい環境が完成します。継続するうちに、自分なりの創意工夫の面白さを感じていただけることと思います。ぜひ、本書を活用し、快適な環境のもと、心が通うあたたかい医療や介護の提供にお役立てください。
2024年6月
株式会社リハブインテリアズ 池田 由里子
目次
chapter 1 インテリアリハビリテーションの基本的な考え方
01 選ばれる施設は何が違うのか?
02 なぜ環境づくりが必要なのか?
03 環境づくりがうまくいかない理由
04 施設インテリアの再生、環境をリハビリテーションするという考え方
05 先人の英知に学ぶ環境づくり
06 環境づくりに消極的な職員に伝えたい、仕事のやりがいに通じるメリット
07 重要なのは、施設理念、行動、環境を一致させること
08 ぶれない軸、環境づくりコンセプトのつくり方
09 「認知、共感、信頼へ」一貫性のあるデザイン戦略
10 環境づくりコンセプトを再考してリニューアルした事例
11 さあ実践してみよう
chapter 2 インテリアリハビリテーションの実践 ~5つの方法~
2-1 寄り添う時間を生み出せる「整理収納」
環境づくり日記①
01 「片付けは苦手なんですが……」―5S活動の重要性―
02 「なぜ片付けないといけないの?」―整理の効果―
03 「壊れてないのに、捨てられません」―モノを減らすための整理の仕方―
04 「使いやすい収納の仕方がわかりません」―収納方法―
05 「これならできそう!」―事例と解説―
2-2 認識しやすく美しい「色彩活用術」
環境づくり日記②
01 「カラーのセンス、自信ないです」―色づかいの基礎―
02 「癒される色、元気になる色、知りたいです」―色彩心理―
03 「テーマカラーってどうやって決めたらいいですか?」―コンセプトと色―
04 「白内障の方はこんな風に見えているなんて!?」―高齢者の視覚特性―
05 「お年寄りには、やさしい色づかいがよいかと思っていました」―高齢者に配慮した色彩計画―
06 「これならできそう!」―事例と解説―
2-3 意欲や笑顔があふれだす「掲示、装飾の方法」
環境づくり日記③
01 「飾ることに、そんな効果があったなんて!?」―飾り方の現状と改善の効果―
02 「その展示の仕方、早速今度やってみます!」―実際の利用者作品飾りを考えてみよう―
03 「コツってありますか?」―飾り方のポイント―
04 「これならできそう!」―事例と解説―
2-4 座位の質は生活の質~椅子の役割と配置
環境づくり日記④
01 「痛みを我慢して座っているご利用者様もいるのかも…」―デザインとしての椅子、福祉用具としての椅子―
02 「曾祖父の家には、そういえば椅子はありませんでした」―日本における椅子の歴史―
03 「椅子を購入するときは、このリストでチェックします!」―良い椅子の選び方―
04 「買い替えなくても、座り心地は改善できますか?」―既存椅子への対応―
05 「テーブルにも配慮が必要でした」―椅子とテーブル―
06 「次の福祉機器展で、いろんな椅子を座り比べてきます」―椅子をより深く理解するために―
07 「サイドテーブルなら、すぐに導入できそうです」―施設におけるおススメ家具―
08 「家具のレイアウトの考え方、教えてください」―家具配置の方法―
09 「これならできそう!」―事例と解説―
2-5 真似ではなく日本文化に訳して活用「北欧高齢者施設に学ぶ」
環境づくり日記⑤
01 「視察や見学の心得ってありますか?」―参考にする要素を探り、実践すること―
02 「海外の施設の様子を見てみたいです」―北欧高齢者施設の印象的な風景―
chapter 3 楽しみながら環境づくりに取り組もう~インテリアリハビリテーションの実践と継続
01 実践と継続の仕組みをつくる
02 実践プロセス
03 継続プラン
chapter 4 インテリアリハビリテーションで創造しよう~環境づくりに取り組むあなたへ
01 インテリアリハビリテーションで創造しよう―7つの提言―
02 提言① プロとしての自覚をもとう
03 提言② 連携につなげよう
04 提言③ 歴史を学ぼう
05 提言④ 仕掛けをつくろう
06 提言⑤ ピンチをチャンスに変えよう
07 提言⑥ ケアの距離感を操ろう
08 提言⑦ 環境を大切にしよう
巻末資料
椅子選びチェックリスト
家具リスト
環境づくり実践企画書
環境づくり実践計画書
発表シート
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書籍情報
- ISBN:9784895907798
- ページ数:168頁
- 書籍発行日:2024年7月
- 電子版発売日:2024年7月9日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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