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- 覗いてみたい!?先輩OTの頭の中 臨床のリアルに触れる
商品情報
内容
リハビリテーションの難しさを感じたとき、いつの間にか後輩を指導する立場になっていたとき、養成校から実習を受けてほしいと依頼されたとき、逆に教え子を実習先に送り出すとき……。そんな場面で著者は何を考え、どう行動したのか。いつも気の置けない友人や職場の仲間と一緒だった著者の“リアル”をお届け。
序文
はじめに
中学生時代,学びのためと母親が図書館から「故事成語」の本を図書館から借りてきて読まされたことがある.青いハードカバーの本でおもしろいと感じたことを覚えている.本書の「はじめに」を書くにあたり,その記憶が蘇ってきた.武将が戦いの帰路で道に迷った.武将は年老いた馬ならば道を通った経験があるので覚えているであろうと老馬を放ち,その跡を追い,無事に進むべき道にたどり着いたというような話である.これが高校の漢文の模試か何かで出たのか,記憶に残っていた.しかし,その故事成語が何であったのか思い出せずGoogleで検索した( 今時の学びである).「管かん仲ちゅう随ずい馬ば 」.管仲は武将の名で,名将と呼ばれた管仲でさえ年老いた馬に頼った.そこから転じた意味が,「先輩たちの知恵や経験を尊重する,借りる」である.ここが本書のタイトルと結びついた.ただし,私が老馬のような役割を果たせるかどうかは相変わらず自信がない.とかく「先輩」と言われ頼られるほどのいいことをしている自信はないが,精いっぱいやっているということだけは自負がある.
近年,私も書籍等を執筆する機会をいただくが,その際は先人たちの知恵である研究成果等のエビデンスを基に執筆するのが通常である.しかし,本書は私の勝手な解釈による「経験談」を基に執筆している.そのため,エビデンスのレベルとしては低い( というかない).反面,読みやすい文面になっているのではないかと思う.どのシーンも私の作業療法観を創り上げた外せないエピソードであり,懐かしい思いで執筆させていただいた.
本書は『作業療法ジャーナル』で連載した「覗いてみたい!? 先輩OTの頭の中」の内容を基本としており,成長編・臨床編・教育編・管理編の4部に分けて各エピソードが綴られている.また,半分以上のページを新たに書き下ろしているため,すでに『作業療法ジャーナル』の連載の原稿を読んでいただいた読者の方にも別の読み物として楽しんでいただけるのではないかと考えている.エピソードの中には,作業療法業界でよく耳にする話題ではあるが,書籍や論文では書かれていない(書くことができない)内容も積極的に取り扱ってみた.その点でも破天荒な書籍になるのかもしれないが,他にない実践の一助となる書籍になれば幸甚である.
本書の刊行にあたり,これまでに私の作業療法観を作り上げてくれたメンターの先生,職場の先輩・同僚・後輩,学生諸君,そして出会ったすべてのクライエントとともに,筆者に辛抱強く,丁寧にご対応いただいた三輪書店の高野裕紀氏,森山亮氏およびイラストを描いてくれた愛娘に深謝したい.
2023年8月 蝉時雨を聴きながら
澤田 辰徳
目次
成長編
第1章 内省 先輩作業療法士は成功し続けてきたのか?
シーン1 腕神経叢麻痺を受傷した女性クライエント(作業療法士1年目)
シーン2 着衣失行のクライエント(作業療法士4年目)
シーン3 クライエントの作業ニード(作業療法士5年目)
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ書籍
第2章 希望 作業療法の専門性に希望をもとう!
シーン1 PTはOTより頭がいい?(作業療法士4年目)
シーン2 作業療法とは?(作業療法士5年目)
シーン3 誰がための作業療法(作業療法士3年目)
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ書籍
第3章 研鑽 研鑽を始める,そして継続するモチベーションはどこから?
シーン1 勉強会(作業療法学生3年目)
シーン2 学会参加(作業療法士1年目)
シーン3 技術研鑽(作業療法士3年目 新職場1年目)
シーン4 他病院見学(作業療法士14年目 管理職時代)
シーン5 海外研修(作業療法士17年目)
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で気になるであろう研修
Column1 志を同じくする仲間を創る
第4章 資格 何のために資格取得をするのか?
シーン1 AMPS(作業療法士3年目)
シーン2 そうだ,大学院へ行こう(作業療法士5年目)
シーン3 認定作業療法士(教員2年目 作業療法士9年目)
シーン4 訪問リハビリテーション管理者養成研修会(作業療法士13年目)
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で気になる資格
臨床編
第5章 機能 作業療法における機能回復の捉え方
シーン1 料理人に戻りましょう!
シーン2 作業療法は上肢だけか?
シーン3-1 麻痺手と作業療法
シーン3-2 麻痺手と作業療法(5日後)
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ書籍
第6章 協働 作業療法士不信のクライエントとの壁をなくした寄り添い方
シーン1 作業療法経過報告書
シーン2 作業療法面接1(クライエントの思い)
シーン3 作業療法面接2(作業療法士の提案)
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ書籍
第7章 共創 ものがなければ作ればいい(柔軟な発想こそ作業療法)
シーン1 作業の意味
シーン2 作業遂行分析
シーン3 箸作製のための頭の中1
シーン4 箸作製のための頭の中2
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で紹介したい筆者のOTバッグとたまに寄る店
第8章 自尊 クライエントと家族の尊厳を守る作業療法士
シーン1 担当変更
シーン2 クライエントを知る
シーン3 社会的環境へのアプローチ
シーン4 ただ与える作業ではない
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ書籍
第9章 推論 先輩OTの頭(リーズニング)を共有することで成長を支援する
シーン1 革細工で復職?
シーン2 実際の作業ストーリーに気づく(数日後)
シーン3 作業療法の力
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ書籍
第10章 充実 実習生が主体的に動き,作業療法を好きになるには?
シーン1 実習初日
シーン2 最強の助手!(実習開始2日目〜数日後)
シーン3 作業療法を好きになろう
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ書籍
Column2 現在の浅田さんに,当時のことを聞いてみた
第11章 機会 誰が為の実習(養成校と実習地の両者の視点)
シーン1 教育側の立場
シーン2 実習受け入れ施設の立場
シーン3 学生・臨床教育者・養成校三つ巴の実習
シーン4 丸投げで何がわかる?
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章でお勧めする映画
Column3 職場を選ぶ
第12章 指導 職員の教育のために叱らねばならない視点は?
シーン1 遅刻
シーン2 不正
シーン3 絶対評価
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役に立つかもしれない書籍
管理編
第13章 収益 適正単位数は? 常に付きまとう収益の問題の考え方
シーン1 収益
シーン2 専門職の業務
シーン3 職員あっての組織
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章でお勧めする映画
第14章 未来 管理で支援する産前産後の労働問題
シーン1 男性が育休をとったらダメですか?
シーン2 エンパワメント
シーン3 託児所がないっ!
シーン4 みんなあってのリハビリテーション科!
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ漫画
第15章 連携 医療職の大きな悩みの一つ,他職種連携を促す!
シーン1 看護師のやりがい
シーン2 ソーシャルワーカーの専門性
シーン3 理想と現実
シーン4 他職種から見る作業療法の専門性
これだけは伝えたいこの章のまとめ
この章で役立つ文献
第16章 改革 よりよい組織にするために皆で走り続ける
シーン1 評価がない??(療養型病床群での場面)
シーン2 インテーク面接(養型病床群での場面)
シーン3 収益確認と書類業務
シーン4 カンファレンス
シーン5 訪問リハビリテーション
シーン6 年功序列
これだけは伝えたいこの章のまとめ
著者がお勧めする作業活動
おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784895907941
- ページ数:152頁
- 書籍発行日:2023年11月
- 電子版発売日:2023年11月17日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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