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- 苦手からプロフェッショナルへ 集中治療室(HCU/CCU)deチーム医療最前線
商品情報
内容
集中治療室でチーム医療を行う際に、他職種との距離を感じたことはありませんか?
様々な職種がそれぞれ受けてきた教育や視点が違うので当たり前でしょう。
本書は学会発表で絶賛された枚方公済病院の集中治療室(HCU/CCU)におけるチーム医療を1冊にまとめました。
集中治療領域で大切な各専門職の知識に加え、普段聞けない各職種からの本音も踏まえて多職種連携を行ううえで必要な要素が書かれています。
この本を読めば、多職種連携での自分の役割も見えてくるはず。わかりやすい図説・イラストも満載、『これから集中治療を頑張りたい!』『多職種間でもっと連携していきたい』と思っている人にピッタリの一冊となっています。
序文
序文
本書を手にとっていただいた皆さんは,少なからずチーム医療の重要性を認識していて,集中治療・循環器疾患に対し,より深い理解を志していることでしょう.医療を提供するうえでは,一職種だけでは成り立ちません.
多くの専門職の方々が病院や診療所に集い,協調・協力して,患者に疾患面だけでなく,運動機能,栄養,精神的・社会的側面からアプローチするのは当然のことです.ただ多くの医療の現場では,業務の多忙さや各職種の隔たりによって,協調・協力の効果が十分に発揮できていないのではないでしょうか?
私たちが行っている医療行為をよりよいものとして患者へ還元するには,各職種の視点を理解しながら活かしあうことが重要です.またチーム医療には,相互の仕事の理解はもちろんですが疾患や治療の理解も非常に重要です.
とくにカテコラミンをはじめとする循環作動薬の使用方法や利尿薬の使い方といった,集中治療や内科系のなかでも循環器系の血行動態の把握とコントロールは,集中治療で必須の部分ですが多くの医療者が不得手としている領域です.詳細な解説は正書を参考にしていただくとして,本書では集中治療に必要な循環作動薬を含む薬剤や病態の知識を図解を用いてわかりやすく解説します.さらに各職種からの観察や適切な報告のポイントも解説しています.
超高齢社会におけるわが国で,「一秒でも長く生きる」ことだけを目的とした治療は決して持続可能な医療ではありません.救急医療や集中治療においては,意思決定や緩和医療も重要なポイントであることから,本書では,その現状を解説するとともに今後の課題も示していきます.
また自身の職種における考え方や問題点を共有するだけでなく,まわりの職種がどのようなことを重要視しているか,どんな意義を持って医療行為を行っているかを理解すると,皆さんが行っている医療に対してもかならず還元されるはずです.それぞれの職種が専門職であり,プロフェッショナルであるからこそ見えていない側面もあります.一つの気づきや再認識で,明日からの医療がグッとよりよいものになります.プロフェッショナルとして医療の仕事を行うにあたり,やりがいを持ちながら各職種を活かし,各職種に活かされることで,忙しくも楽しさを感じられる環境に近づいていくと確信しています.
本書が一人でも多くの医療に関わる皆さんへの「集中治療や循環器・内科診療におけるチーム医療実現」の手引きやヒントとなれば,このうえなく幸いです.
2023年秋
執筆者を代表して
国家公務員共済組合連合会 枚方公済病院 循環器内科
髙林健介
目次
第1章 医師 ― いつもリーダーでなくてもいい
1.集中治療チームと医師
2.集中治療領域における医師のテクニック
(1)集中治療の管理形式
(2)循環動態管理の必要性
(3)集中治療領域での評価と情報共有
(4)多職種間での医療者間評価と教育
3.チーム医療のためのアドバイス
(1)看護師より
(2)薬剤師より
(3)管理栄養士より
(4)理学療法士より
(5)臨床工学技士より
(6)ソーシャルワーカーより
(7)緩和ケア医より
4.チーム医療での医師の役割と多職種連携
コミュニケーション
第2章 看護師 ― 多職種チームと患者・家族の架け橋役
1.集中治療チームと看護師
2.集中治療領域における看護師のテクニック
(1)異常の早期発見と観察力を高めるポイント
(2)急変時の対応
(3)医師への報告・多職種でのコミュニケーション
(4)状態に合わせた安全なケアの行い方
(5)集中治療室 (ICU/HCUなど)の運営
(6)看護師の教育とモチベーション
3.当院での看護師の役割
4.チーム医療のためのアドバイス
(1)医師より
(2)薬剤師より
(3)管理栄養士より
(4)理学療法士より
(5)臨床工学技士より
(6)ソーシャルワーカーより
(7)緩和ケア医より
5.チーム医療での看護師の役割と多職種連携
6.診療報酬・加算算定について
胃管カテーテル,抜いたらイカン?
第3章 薬剤師 ― 循環器集中治療だからこそ気をつけるべきクスリとリスク
1.集中治療チームと薬剤師
2.集中治療領域における薬剤師のテクニック
(1)配合変化とルート管理
(2)簡易懸濁法や粉砕投与時の注意
(3)効果・副作用のモニタリング
(4)腎機能による薬剤投与量の決定
(5)せん妄コントロール
(6)排便コントロール
3.当院での薬剤師の役割
4.チーム医療のためのアドバイス
(1)医師より
(2)看護師より
(3)管理栄養士より
(4)理学療法士より
(5)臨床工学技士より
(6)ソーシャルワーカーより
(7)緩和ケア医より
5.チーム医療での薬剤師の役割と多職種連携
ウソやろ!? やっぱ連携!
第4章 管理栄養士 ― 心を込めた理論で行う栄養療法
1.集中治療チームと管理栄養士
2.集中治療領域における管理栄養士のテクニック
(1)わが国の急性期栄養療法
(2)重症患者の代謝変化
(3)投与エネルギー量の決定方法
(4)栄養投与経路
(5)リフィーディング症候群 (refeeding syndrome)
3.当院での管理栄養士の役割
(1)症例提示 急性重症肺炎患者に対する循環作動薬下において経管栄養管理を行い早期経口移行が可能となった1例
4.チーム医療のためのアドバイス
(1)医師より
(2)看護師より
(3)薬剤師より
(4)理学療法士より
(5)臨床工学技士より
(6)ソーシャルワーカーより
5.チーム医療での管理栄養士の役割と多職種連携
人を診る医療者であれ
第5章 理学療法士 ― 安全な生活機能回復と集中治療後症候群をチームで予防
1.集中治療チームと理学療法士
2.集中治療領域における理学療法士のテクニック
(1)リスクバランスをチームで考えた理学療法
(2)集中治療室における理学療法の具体的な進め方
3.当院での理学療法士の役割
4.チーム医療のためのアドバイス
(1)医師より
(2)看護師より
(3)薬剤師より
(4)管理栄養士より
(5)臨床工学技士より
(6)ソーシャルワーカーより
(7)緩和ケア医より
5.チーム医療での理学療法士の役割と多職種連携
現場での幸せ
第6章 臨床工学技士 ― 臨床工学技士のVisionとValue
1.集中治療チームと臨床工学技士
2.集中治療領域における臨床工学技士のテクニック
(1)呼吸管理業務
(2)循環管理業務
(3)血液浄化業務
(4)医療機器管理業務
3.当院での臨床工学技士の役割
4.チーム医療のためのアドバイス
(1)医師より
(2)看護師より
(3)薬剤師より
(4)管理栄養士より
(5)理学療法士より
(6)ソーシャルワーカーより
(7)緩和ケア医より
5.チーム医療での臨床工学技士の役割と多職種連携
人見知り
第7章 ソーシャルワーカー ― 病院と患者・家族・社会を結ぶコネクター
1.集中治療チームとソーシャルワーカー
2.集中治療領域におけるソーシャルワーカーのテクニック
(1)はじめに
(2)入院患者を対象としたソーシャルワーカーの職務
3.当院でのソーシャルワーカーの役割
(1)症例提示 身寄りのいない患者さんを地域の関係機関と連携を図り転院させた事例
(2)支援の経過
(3)症例解説
4.チーム医療のためのアドバイス
(1)医師より
(2)看護師より
(3)薬剤師より
(4)管理栄養士より
(5)理学療法士より
(6)臨床工学技士より
(7)緩和ケア医より
5.チーム医療でのソーシャルワーカーの役割と多職種連携
こんな役割も!?
第8章 緩和ケア医 ― 意思決定と緩和医療のコーディネーター
1.集中治療チームと緩和ケア
2.集中治療領域における緩和ケア医のテクニック
(1)集中治療における意思決定支援
(2)アドバンス・ケア・プランニングとは?
(3)アドバンス・ケア・プランニング (ACP)のコツ
(4)アドバンス・ケア・プランニングとチーム医療
(5)循環器集中治療での症状緩和治療について
(6)全人的苦痛の評価と対応
(7)症例提示
3.チーム医療での緩和ケア医の役割と多職種連携
(1)包括的な視点
(2)コミュニケーション能力と多職種連携
(3)医師としての知識,技術,臨床判断
4.加算とコスト
緩和ケアは諦めの敗戦!?
第9章 症例検討
1.朝カンファレンス
(1)症例A:64歳,男性
2.入院経過
(1)症例B:78歳,女性
3.まとめ
第10章 わかる! 心不全の病態と集中治療での循環管理
1.循環の基本
2.心不全の概念
(1)左心不全と右心不全
(2)交感神経とRAA系の功績と罪
3.心不全の治療の考え方
(1)体内での酸素供給と酸素消費のバランス
4.心不全治療の実際
(1)症例:EF10%くらいの低心機能の患者が低酸素状態で集中治療室に搬入された
(2)前負荷とスワンガンツカテーテル
(3)LOSとは
(4)CS1という概念と治療
5.おわりに
第11章 わかる! 集中治療での薬剤の使い方
1.循環作動薬・強心薬
2.利尿薬
3.抗不整脈薬
4.鎮痛・鎮静薬
5.βブロッカー (β遮断薬)
6.RAAS阻害薬
7.抗血小板薬と抗凝固薬
第12章 集中治療領域での加算コスト管理
1.集中治療領域での診療報酬加算
(1)施設・設備
(2)看護・ケア
(3)薬剤・栄養・リハビリ
(4)医療機器・安全管理
(5)入院支援・診療体制
おわりに
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書籍情報
- ISBN:9784895908078
- ページ数:186頁
- 書籍発行日:2024年3月
- 電子版発売日:2024年3月22日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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