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序文
序
近年,わが国も国際的な流れを受けて,障がい政策の分野でもノーマライゼーションや平等主義が謳われてきています.しかし,私は地域社会が障がい者(児)に対する理解やニーズを具体的に受け止めるのは,まだ時間を要する問題だと感じています.たとえば,地下鉄出入り口の歩道の点字ブロックの上に無造作に駐輪している自転車に,白杖をもった目の不自由な人や車椅子に乗った人が困惑している場面が見られたり,盲導犬を連れた人が誤ってホームから転落するなどのニュースを聞いて,障がいをもった人に対する声掛けや環境への配慮などはこれからの問題だと考えるからです.
社会で生きる大人の後ろ姿を見ながら子どもは育っていくので,大人が障がいをもった人とどうかかわっていくかが問われ,それによって,子どもの“障がい”に対する受け止め方が変わってくる,と考えるのです.
ユニバーサル社会(年齢,性別,障がい,文化の違いに関係なく安心できる社会)の実現を目指して,2006(平成18)年にバリアフリー新法が制定され,物理的なバリアフリー(段差の解消,歩道等の点字ブロック,エレベーター,エスカレーター,車椅子用トイレなど)は公共交通機関や行政機関,民間施設などに徐々に普及してきましたが,心のバリアフリー(偏見・差別など)といわれる社会的障壁の解消はこれからの課題でもあります.
近年,雑誌やインターネット等で障がい(身体・知的・精神等)をもった方々の困りごとや人生,体験談の発信が多く見られるようになってきたことが,障がい者(児)の理解に役立っています.それは発達障がい者(児)の理解に対しても例外ではありません.保育現場では,診断名はついていませんが,“気になる子”(偏食やアレルギーがひどい子,落ち着きがない子,集団に入らない子,特別な配慮や支援を必要とする子など,発達に課題やつまずきがある子)が増えてきています.
2006(平成18)年の「障害者権利条約」の国連での採択後,わが国でも「インクルージョン」を求める流れが児童福祉施策でも強まってきています.さらに,国は,2011(平成23)年に改正障害者基本法を制定し,その理念を受けて2016(平成28)年に発達障害者支援法が改正されました.2つの法律の共通する改正点は「障がいの有無によってわけ隔てられることなく,人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現に資する」とあります.
今後,ノーマライゼーション思想に基づく共生社会の実現を目指す実践となる統合保育や教育は,“障がい児”と“一般児”が共に育ち合う場となっており,保育者に求められている役割はこれまで以上に大きいものと考えます.
本書が,保育士,教員,福祉・医療関係者,子育て支援関係者,保護者など,基礎から実践・応用まで学びたい方々に役立てていただけたら幸いです.
末尾ではありますが,本書の刊行に際し,熱意をもってご支援してくださった中山書店の佐藤 貢氏,鈴木幹彦氏をはじめ,関係諸氏にこの場を借りて深く感謝の意を表したいと思います.
2018年10月
著者を代表して 小橋 拓真
目次
1章 障がい児保育の概要
1-1 障がいの概念
1 障がいのとらえ方
1-2 障がい児保育の基本
1 障がい児をどうとらえるか
2 障がい児保育の歴史的変遷
3 社会福祉基礎構造改革と障がい児保育
4 障がい児保育の現状(インクルージョン・合理的配慮)
2章 発達と障がい
2-1 発達(development)とは
1 発達を理解するうえで大切なこと
2 発達過程(0~6歳)
3 乳幼児期(0~6歳)の重視すべき視点
4 言葉の発達→言葉は思考の土台となる
5 言葉の発達を促すかかわり方
2-2 脳の発達と構造
1 脳の働きと構造
2 概念の形成→子どもの思考は具体的から抽象的に発達する
3 子どもの概念形成に大切なこと
4 情動の発達→悲しみ・怒り・嫌悪・驚き・喜びなど
2-3 脳の発達と障がい
1 脳の機能障がい
2 肢体不自由と基本的な対応
3 発達障がいとは
2-4 障がいの理解と発達の援助
1 感覚統合へのアプローチの重要性
2 固有感覚・前庭感覚・触覚について
2-5 感覚統合の発達
1 感覚統合と発達
2 感覚統合と日常生活動作
3 感覚統合と遊び
2-6 視覚・聴覚障がい児の理解と援助
1 視覚障がい
2 聴力障がい
2-7 肢体不自由児の理解と援助
1 肢体不自由とは
2 脳性まひとは
3 脳性まひが発達に及ぼす課題
4 肢体不自由児の生活・遊びの支援
2-8 知的障がい児の理解と援助
1 知的障がいの理解
2 知的障がいの特性と対応
3 保育の場で知的障がい児に向かい合うときの心がけと教材の工夫
2-9 発達障がい児の理解と援助
1 発達が気になる子どもの行動とはどんなことだろう?
2 なぜ,気になる行動が見られるのだろう?
3 発達が気になる子どもへの支援
2-10 重症心身障がい児・医療的ケア児の理解と援助
1 重症心身障がい児(者)とは
2 重症心身障がい児の支援のポイント
3章 障がい児及び特別な配慮を要する子どもの保育の実際
3-1 指導計画及び個別の支援計画
1 保育計画の背景
2 保育目標の設定
3 指導計画の立案の流れ
4 指導計画及び個別計画の作成
5 子どもを理解する手がかり
6 特別な保育ニーズの把握(虐待)
7 子どもの行動の要因と背景(事例を通して)
8 ケースカンファレンス
3-2 発達を促す生活や遊びの環境
1 感覚を活かした遊びと支援
2 設定や教材教具の工夫
3 親との連携と支援
3-3 子ども同士のかかわり合いと育ち合い
1 子ども同士の日常的出会い-統合保育
2 子ども同士の日常的出会い-分離保育
4章 保護者や自治体・関係機関との連携
4-1 保護者や家族に対する援助
1 近年の子育て事情
2 障がいのある子どもをもつ保護者への支援
3 親にかかわるための基本的な姿勢
4 親との具体的なかかわり方
5 親の障がい受容の過程に対する保育者の理解
4-2 地域の専門職や機関との連携(障がい児施設・保育所・小学校など)
1 地域の専門機関との連携
2 障がい児保育に関する特別支援学校・小学校等の連携
3 関係機関と協働するための支援プランの課題の共有化
4 各関係機関の連携
5 地域の障がい児保育にかかわるサービス
5章 障がい児・その他の特別な配慮を要する子どもの保育にかかわる現状と課題
5-1 障がいに対する理念の変化
1 意思決定の考え方
2 障がい者福祉施策の動向
5-2 保健・医療における現状と課題
1 地域とのコミュニケーション
2 重症心身障がい児のケア
5-3 福祉・教育における現状と課題
1 保育所等訪問支援が必要な理由
2 放課後等デイサービスとは
5-4 支援の場の広がりとつながり
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書籍情報
- ISBN:9784521747507
- ページ数:224頁
- 書籍発行日:2019年2月
- 電子版発売日:2021年11月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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