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- のどの異常とプライマリケア〈ENT臨床フロンティア〉
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内容
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序文
序
多くの耳鼻咽喉科医にとって「のどの異常への対応」は,耳疾患や鼻・副鼻腔疾患に比較して,苦手なのではないだろうか.その理由として,各疾患の経験症例数が少ないことがあげられる.若年型喉頭乳頭腫などは,重要な疾患であるにもかかわらず経験したことがない方も結構おられるのではと思っている.
このような状況を勘案し,咽頭・喉頭疾患に関する教科書はすでに種々のものが出版されているが,本書を企画した.そのため,「シリーズ刊行にあたって」にあるように,教科書のようにすべてを網羅するのではなく,咽頭・喉頭疾患の診療に際して重要かつ読者が興味を持たれるであろう事項について,分担執筆者により実践的に解説していただくように依頼した.また,題名に「プライマリケア」としたのは,研修医や実地医家の方々にも理解しやすいようにすることを目的にしたためでもある.
総論では,咽頭・喉頭疾患の主な症状の3 つ,「咽頭痛」,「嗄声」そして「嚥下障害」を訴え来院した患者に対する一般的な診療の流れについて,フローチャートを用いて理解しやすいように解説していただいた.検査の実際では,代表的な検査である,喉頭ストロボスコピー,喉頭内視鏡検査,音声機能検査,CT 検査,MRI 検査について,何故その検査が必要なのか,把握すべき事項はどういったものなのかが質問形式で解説されており,それぞれの検査の要点がよく理解できるものとなっている.治療の実際では,扁桃摘出術を病巣感染症との関連,音声治療の方法とそれぞれの適応,診療所でも行える内視鏡下喉頭手術をとりあげた.いずれも,実地診療に役立つものである.
各論では,炎症・腫瘍と類似疾患のなかで,興味深いものやぜひ知っておかなければならない疾患,また,声帯麻痺や嚥下障害といった重要な疾患の診断と治療の大切な点について,日常診療において気を付けなければならないことを主体としてわかりやすく解説していただいた.
通読していただくのもよし,手引書として診察ユニットの横に常備の上,必要に応じて,適宜参照していただくのもよしと考えている.
2013年3月
京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
久 育男
目次
第1章 診療の進め方
「咽頭痛」を訴える患者の鑑別診断と実際の診療の進め方
「嗄声」を訴える患者の鑑別診断と実際の診療の進め方
「嚥下障害」を訴える患者の鑑別診断と実際の診療の進め方
第2章 検査の実際
喉頭ストロボスコピーで何がわかるのか?
喉頭内視鏡検査の観察項目
簡便な音声検査にはどのようなものか?あるか?
咽頭・喉頭疾患でCT検査はどのような場合に有用か?
咽頭・喉頭疾患でMRI検査はどのような場合に有用か?
第3章
扁桃摘出術の適応は変わったか?
音声治療はどのような症例に有用か? その実際は?
内視鏡下喉頭手術の実際
第4章 炎症・腫瘍と類似疾患
急性喉頭蓋炎の診断と治療の留意点と気道管理
慢性喉頭炎にはどのように対応すればよいか?
咽喉頭逆流症とは? 診断と治療はと?のようにすれは?よいか?
声帯ポリープに対してはと?のように治療すべきか?
声帯結節に対してはどのように治療・指導すべきか?
喉頭肉芽腫症の診断と治療の実際
喉頭嚢胞の種類とそれぞれの治療法
喉頭乳頭腫はどのようにすれば完治するのか?
喉頭結核はどのように診断すればよいか?
咽頭癌・喉頭癌を見逃さないための留意点は?
声帯溝症にはどのように対応すればよいか?
痙攣性発声障害にはどのように対応すればよいか?
咽喉頭異常感症にはどのように対応すればよいか?
声変わり障害(変声障害)にはと?のように対応すれは?よいか?
第5章 声帯麻痺
声帯麻痺の診断に際しての留意点
片側声帯麻痺に対する甲状軟骨形成術I型の有用性と欠点
片側声帯麻痺に対する披裂軟骨内転術
両側声帯麻痺にはどのように対応すればよいか?
第6章 嚥下障害
嚥下内視鏡検査の実際と意義
嚥下造影検査はどのような場合に有用か?
嚥下障害に対する外科的治療の実際
嚥下障害に対するリハビリテーションにはどのようなものかあるか?
付録 診察に役立つ資料集
患者への説明書類 実例集
再発性乳頭腫について
両側反回神経麻痺について
頭挙上術+輪状咽頭筋切断術+気管切開術について
声門閉鎖術について
声の衛生について
患者への説明用イラスト
口腔・咽頭・喉頭
喉頭 嚥下のしくみ
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書籍情報
- ISBN:9784521734644
- ページ数:276頁
- 書籍発行日:2013年5月
- 電子版発売日:2021年12月15日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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