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- 続 12人のクライエントが教えてくれる作業療法をするうえで大切なこと
商品情報
内容
前書に引き続き、12人の新たなクライエントとのエピソードを通して得た気づきや学びについて紹介。
クライエントやチームスタッフとの目標共有や協働で生じることの多い齟齬や課題を取り上げ、目的や状況により無数の手段が存在する作業療法において、より良い選択をするために役立つ視点を解説。
不確実性が高く難しいからこそ、やりがいのある作業療法の、臨床力をあげるためのヒントがつまった1冊。
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序文
続編の序
2019年7月に『12人のクライエントが教えてくれる作業療法をするうえで大切なこと』を刊行した直後にこの続編の話をいただいた.本来であれば,今年の夏前には原稿を書き上げる予定であったが,ご存知のように,新型コロナウイルスの感染拡大によって,筆者もあらゆるスケジュールに変更を強いられることになった.ようやく書き上げた頃には涼しい風が立ち始めていた.
勤務先の大学の授業や臨床実習は,ほんの数か月前までは予想もしなかった作業形態を採用しなければならなくなった.約10年ぶりに毎週末を自宅で過ごすことになったが,授業動画の作成や,日々刻々と変わる状況への対応で時間はあっという間に過ぎていった.
卒業式・入学式など節目の作業との関わりがなくなり,習慣化されていない作業が押し寄せる日々は,時間の感覚に違和感を生じさせた.過去に例がないほどに忙しく,数え切れないほどの作業を遂行したにもかかわらず,まるで何もしていなかったような感覚が同居していた.
作業は人の「あたりまえ」の日常をつくる.大切な作業をあたりまえに遂行できることがいかに尊いことであったか,こんなに身を持って実感することができる時間は過去になかったのではないだろうか.
この数か月間,自らが作業機能障害状態を経験したことによって,自分がクライエントの「あたりまえ」を取り戻すために行ってきた作業療法をあらためて問いなおしたセラピストも多いと思う.本書がわずかでも読者の皆さんの問いを補助する環境因子になれば幸いである.
本書を書き上げるのに,当初の予定よりもずいぶん長い時間を要してしまった.大変なご迷惑をかけているにもかかわらず,何度も労いの言葉をかけていただいた編集の佐々木理智さんにこの場を借りて心から感謝を申し上げたい.
2020年9月 齋藤佑樹
目次
・続編の序
1 可能性を提供する
<Keyword>
目的と結果を明確にする
実動作練習の利点と欠点を理解する
要素的練習の曖昧さを排除する
言語と経験の両面から内省を促す
2 観念を排除する
<Keyword>
「あたりまえ」の構成要素はみな異なる
日常には無自覚なエラーが溢れている
勝手に物語をつくらない
本当に意図は伝わっているのか
3 日常を再考する
<Keyword>
一般社会と乖離した医療現場の「あたりまえ」
「認識」や「気づき」が態度や言葉をつくる
専門性に立脚した価値を批判的吟味する
思いはすぐに習慣の中に消える
4 主体性を賦活する
<Keyword>
「諦め」と「折り合い」
経験を通して考える機会を提供する
経験と自己認識を同時に支援する
段階的に適応的側面に介入する
5 情報を整理する
<Keyword>
目標を「共有」することは難しい
クライエントのフレームを想像する
同じ対象や概念を代理指示しているか
クライエントの言葉で振り返る
6 中立を維持する
<Keyword>
「支援すべきこと」と「障壁」を混同しない
自己防衛の先に協働はない
実現傾向を前提に考える
作業のもつ力を活用する
7 承認を保証する
<Keyword>
さまざまな感情を抱えながら生きる
希望の叶え方を熟慮する
表出されない情報を「どう捉えるべきか」を考える
形態を機能に立脚する
8 役割を創造する
<Keyword>
役割が成立する条件
外的期待から役割を支援する
功労者としての役割
自己管理者役割を支える
9 文脈を共有する
<Keyword>
「遠慮」と「認知度の低さ」がもたらす弊害
事前の情報収集で推察の精度を高める
「刺激」の意味を再考する
5W1Hを意識しながら作業に関わる
10 変化に伴走する
<Keyword>
願望と行動には齟齬があることを理解する
習慣を変えることの難しさ
伴走者として関係性を構築する
可能性を拡大する組織づくりが必要
11 拘りを尊重する
<Keyword>
作業を「どのように」遂行したいのか
多様な価値を内包する道具
「私を構成するもの」を問うことの重要性
作業療法ができる組織の共通点
12 作業で連携する
<Keyword>
問題点ではなく目標に焦点を当てる
作業に関する情報を得るための手段
状況と目的から評価プロセスを選択する
難しさを引き受ける
・参考文献
・あとがき
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書籍情報
- ISBN:9784895907125
- ページ数:110頁
- 書籍発行日:2021年3月
- 電子版発売日:2022年8月17日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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