自己免疫性脳炎・関連疾患ハンドブック

  • ページ数 : 368頁
  • 書籍発行日 : 2023年4月
  • 電子版発売日 : 2023年4月11日
7,920
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 144pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

睡眠病、認知症、精神症状の原因も自己免疫性脳炎だった? 治療可能な見過ごされている疾患、自己免疫性脳炎の本邦初のハンドブック

Netflixの人気ファンタジードラマ『サンドマン』をご存知でしょうか? その冒頭、主人公が封印されることで、世界中で何百万人もの人々が原因不明の睡眠病にかかったというナレーションがあります。実はこれはスペイン風邪のときに実際に起きた流行病「無気力性脳炎」をモチーフにしていて、公開された当初コロナパンデミックとそのインフォデミックとも重なり、感染後にごくまれに生じる自己免疫性脳炎の症状として睡眠病や認知症、精神症状などがあるということが一般市民にも広く知られるようになりました。
自己免疫性脳炎とは、感染後の免疫応答の過剰反応以外にも、傍腫瘍性神経症状、免疫チェックポイント阻害薬のirAEなどを原因としてつくられた自己抗体が病原、あるいは診断マーカーとして考えられる脳炎のことですが、抗体科学の発展により、今後も新たに原因となる自己抗体、あるいは診断マーカーになる自己抗体が発見されるとされています。
こうした疾患群は不治の病ではなく、自己免疫性脳炎と疑うことができれば、ステロイドパルス療法や免疫グロブリン大量静注療法をはじめ、リツキシマブなどのような分子標的薬――そしてそれは近年承認されたものがふえている――によって早期治療を始めることができるならば、予後も良好だとされています。
本書はハンドブックの名にふさわしく、自己免疫性脳炎の歴史から抗体の種類、各種疾患群の病理・検査・治療法、各種抗体の特徴を本邦の専門家が執筆・網羅しています。ぜひお読みください。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文

序文

近年、自己免疫性脳炎に関連する新たな自己抗体がつぎつぎに同定されている。これに伴い、新たな疾患概念が確立されている。さらにこれらの疾患はさまざまな臨床像を呈しうることも判明し、これまで認知症、精神病、てんかん、小脳性運動失調症、運動異常症、睡眠異常症、自律神経障害と診断されてきた症例のなかに含まれている可能性がある。自己免疫性脳炎では、免疫療法が有効であることが少なからず存在することから、これらの疾患を正しく早期に診断することは、私達、臨床医にとって極めて重要な課題と言える。

以上を踏まえ、自己免疫性脳炎に焦点を絞ったユニークな書籍を企画した。これまでに明らかになった知見を解説し、臨床現場での対応をサポートすることを目的としている。具体的な項目としては、①自己免疫性脳炎と自己抗体・傍腫瘍抗体に関する総論、②代表的な自己免疫性脳炎・脳症とその主な臨床病型、③神経・精神疾患と自己免疫、④これまでに明らかになった自己抗体一覧を取り上げる。各項目に関しては、まず読者が全体像を理解しやすいよう、冒頭に「エッセンス」として要点を示し、また文末には今後の臨床・基礎研究につながる「疾患克服に向けての課題・提言」をご記載いただいいた。またとくに注目されている点は「トピックス」として取り上げ議論いただいた。脳神経内科医や内科、小児科、総合診療医のみならず、救急医、精神科医になどの医師全般に役立つ内容になったと確信している。

本書の趣旨に賛同し、熱のこもったご原稿をご執筆くださった著者の先生方、そしてより良い書籍にするためにご尽力くださった金芳堂、浅井健一郎氏に感謝申し上げたい。


岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野教授
下畑享良

目次

I 総論

1 定義・歴史・展望

2 自己免疫性脳炎の疫学と特徴

3 自己免疫性脳炎の診断・検査の進め方

4 自己免疫性脳炎・脳症の治療

5 抗神経抗体の分類と病態(細胞内抗原抗体vs細胞表面抗原抗体)

6 傍腫瘍性神経症候群関連自己抗体の分類と病態

Ⅱ 自己免疫性脳炎·脳症の主な臨床病型

1 抗NMDAR脳炎

2 自己免疫性辺縁系脳炎

3 視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)

4 MOG抗体関連疾患(MOGAD)

5 抗LGI1脳炎・抗Caspr2脳炎

6 Bickerstaff脳幹脳炎

7 橋本脳症

8 自己免疫性GFAPアストロサイトパチー

9 IgLON5抗体関連疾患

10 DPPX抗体関連脳炎

11 抑制性シナプスに対する自己免疫疾患

12 Sez6l2抗体関連脳炎

13 KLHL11抗体関連脳炎

Ⅲ 神経・精神疾患と自己免疫

1 自己免疫性認知症

2 自己免疫性精神病

3 自己免疫性てんかん

4 自己免疫性小脳失調症(傍腫瘍性小脳変性症)

5 自己免疫性小脳失調症(抗神経抗体を伴う非傍腫瘍性小脳性運動失調症)

6 自己免疫性運動異常症

7 自己免疫性睡眠異常症

8 自己免疫性自律神経節障害

9 免疫チェックポイント阻害薬と自己免疫性脳炎

10 小児の自己免疫性脳炎

Ⅳ 自己抗体一覧

1 細胞表面抗原抗

2 細胞内抗原抗体

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:13.0MB以上(インストール時:36.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:51.9MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:13.0MB以上(インストール時:36.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:51.9MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784765319560
  • ページ数:368頁
  • 書籍発行日:2023年4月
  • 電子版発売日:2023年4月11日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。