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連続写真と動画で学ぶ白内障手術パーフェクトマスター 改訂増補版―基本から難症例への対処法まで

  • ページ数 : 392頁
  • 書籍発行日 : 2023年2月
  • 電子版発売日 : 2023年4月28日
25,300
(税込)
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商品情報

内容

大好評のロングセラーが10年ぶりの大改訂で内容を増補・刷新!

白内障手術のエキスパートが連続写真とイラスト,動画を駆使して白内障手術のすべてを徹底的に解説.これから白内障手術をはじめる初級医はもとより,中級~上級医にも役立つ内容.改訂増補版では,多数の手術症例を増補したほか,水晶体乳化吸引術の刷新やトーリックIOL,多焦点IOL,IOL強膜内固定術などの新項目と最新のトピックスを多数追加.動画も100本以上追加して一層の内容充実を図った.

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

はじめに

初版の白内障手術パーフェクトマスターは,2013 年に筆者の単独執筆で発刊された.初版の「発刊に寄せて」では,三宅謙作先生からは,「40 年の経歴の最後の10 年を理想とする成書の完成に費やされた.十分な時間と豊富な症例を背景に,周到な準備と企画のもとに本書は完成された」,大鹿哲郎先生からは,「研修医にどのようなポイントをどのように伝えれば合併症を避け,ラーニングカーブを短くすることができるのかといった具体例が,本書には豊富に示されている」,とのご評価を頂いた.おかげさまで,本書はロングセラーとなったが,発刊から10 年近くを経過し,この間にも白内障の手術手技はさらに進歩しつづけている.そのため,手術経験年数によらず,すべての白内障手術を行う先生方にとって有用という,本書の目的を果たせなくなってきたと感じていた.その折,出版社である中山書店から改訂増補版のお話をいただき,快諾した次第である.

改定増補版では,最新の術式を網羅すべく,各方面の専門家である20 名の諸先生に執筆を依頼し,複数の執筆者による編集著作とした.手術症例も大幅に増やし130 症例とし,初版の動画に新規の動画105 点(計約3 時間)を加えて,詳細に解説した.動画はDVD に収載せずに,WEB 上でいつでもどこででも閲覧できるようにした.初版の内容を見直して,古くなった部分を書き改めたり,割愛できる部分を削ったりしたために,図は1, 470余となったが,手術の手順を示す図は,初版と同様に動画から静止画としてPC に取り込み,要所の輪郭を強調して画面上にコメントを加えて解説した.画像に直接書き込むやり方は,今までの手術書には用いられていなかった本書での初の試みであり,より視覚的に理解しやすくなって,本書が好評である理由の一つと考えている.

コロナ禍のため,研修施設においては,教育系のカンファレンスや,上級医と初級医が顔を突き合わせて手術手技について議論を行う機会が少なくなっていると聞いている.このような時だからこそ,本書を開けば机上で手術の流れが再現でき,手技の習得や自身の手技の振り返りと改善ができるように,丁寧な解説と視覚的な理解のしやすさにこだわって編集を行った.

これから手術を始める初級医の先生は基本術式から読んでいただき手技習得の補助に,もうすでに経験を積まれている中級から上級の先生には基本術式の見直し,難症例治療の選択肢を増やす際に,本書を役立てていただければ幸いである.

初版と同様に,本書の白内障手術が,将来,日本や世界のスタンダードになることを夢見て,巻頭の言葉とする.


2023年1月吉日

昭和大学名誉教授 谷口 重雄

目次

[Ⅰ]PEAの基本手技

1 切開創の作製(1)-角膜切開-

 1 はじめに

 2 サイドハンドフェイコ

 3 耳側角膜切開の手順

 4 耳側角膜切開の合併症

2 切開創の作製(2)-強角膜切開-

 1 はじめに

 2 角膜輪部の解剖

 3 切開部位と強角膜トンネルの長さの比較

 4 経結膜強角膜一面切開  (早田光孝)

 5 経結膜強角膜一面切開の合併症と切開のコツ

 6 サイドポートの作製方法

 7 強角膜切開の合併症

3 前嚢切開

 1 はじめに

 2 水晶体嚢とzonular-free-zone

 3 CCCの作製方法

 4 ターンオーバー法

   ▶鑷子を用いたターンオーバーCCC のコツ (広江 孝)

 5 両手を用いた引き裂き法-バイマニュアルカプスロトミー-

 6 CCCの修正

 7 CCC切開縁の亀裂

 8 正確なCCCの作製法

 Topics 半円式CCCマーカー (鈴木久晴)

 Topics Zepto®による前嚢切開 (市川 慶,市川一夫)

4 白色白内障のCCC

 1 はじめに

 2 前嚢染色液の種類

 3 前嚢染色の手技

 4 前嚢染色によるCCCの手術症例

5 ハイドロダイセクション

 1 はじめに

 2 コルティカルクリービング法

 Topics 灌流ハイドロダイセクション (増田洋一郎)

6 水晶体乳化吸引術(PEA)

 1 はじめに

 2 USハンドピースの動かし方

 3 乳化方法-溝掘り・核片除去と器械の設定- (早田光孝)

 4 一手法による核乳化

 5 二手法による核乳化

 6 PEA術式の分類

 7 ディバイド& コンカー(D&C)

 8 フェイコチョップ,プロチョッパー

 9 ストップ & チョップ

 10 セミクレーター& スプリット(スカルプト法)

 11 クレーター & チョップ

 12 マルチレベルチョップ

 13 レトロチョップ

 14 フェイコプレチョップ  (正岡佳樹)

 Topics プロチョッパーを用いたチョップ法のコツ  (永原國宏)

7 PEA装置

 1 はじめに

 2 PEA装置について

 3 US発振

 4 キャビテーション

 5 吸引方式

 6 吸引系と灌流系に影響する要素

 7 核の追従性と把持力

 8 サージ現象

 9 USチップ

 10 US発振モード

 11 US発振の制御システム

 12 フットペダル

8 皮質吸引

 1 はじめに

 2 I/Aチップの形状

 3 I/A操作

 4 I/A 操作のポイント

9 トーリックIOL

 1 トーリックIOLと乱視軸マーキング  (西村栄一)

 2 IOL術後回転による軸ずれとその修正  (谷口紗織)

10 多焦点IOL (杉田 達)

 1 最新の多焦点IOL

 2 不満例に対する対応

11 虹彩縫合による瞳孔形成-手技と注意点- (早田光孝,谷口重雄)

 1 はじめに

 2 長針を用いた虹彩縫合

 3 瞳孔形成を行った手術症例

 4 虹彩コロボーマに対する虹彩縫合

 5 虹彩縫合の非適応例

12 IOL強膜内固定術

 1 IOL強膜内固定術の歴史 (西村栄一)

 2 advanced T-fixation technique-27ゲージ鑷子を用いたIOL強膜内固定術- (太田俊彦)

 3 鑷子法(T-fixation technique)の注意点 (西村栄一)

 4 フランジ法の手技と注意点 (山根 真)

 5 強膜内固定(フランジ法)の課題 (谷口重雄)

 6 ダイレクトニードル法と強膜フラップ併用フランジ法 (西村栄一)

 7 強膜内固定術におけるIOLの安定化 (西村栄一)

 8 強膜内固定術と術後眼内炎 (浅野泰彦)

13 IOL強膜縫着術-手技と注意点- (浅野泰彦,谷口重雄)

 1 はじめに

 2 ab interno 法とab externo法

 3 ab externo 法による縫着術の手技と注意点

 4 その他の注意点

 5 おわりに

14 IOL眼内縫着術

 1 眼内縫着術-IOLを摘出せず縫着する方法

 2 眼内縫着術を行った手術症例

15 in the bag suture (谷口紗織,谷口重雄 )

 1 in the bag suture とは

 2 in the bag suture を行った手術症例

 3 in the bag suture のメリット

 4 in the bag suture の適応

 5 in the bag suture の課題

16 眼内虹彩縫合による瞳孔形成術

 1 はじめに

 2 前房内で操作できる極小針と持針

 3 Siepser slipping suture法

 4 眼内虹彩縫合の利点

 5 瞳孔形成を行った手術症例

 6 計画的に瞳孔偏位を作製した症例

17 エンドミラーを用いた隅角癒着解離術

 1 はじめに

 2 エンドミラーとは

 3 エンドミラーによる隅角観察

 4 エンドミラーを使用した症例

[Ⅱ]難症例の対処法

18 Zinn小帯脆弱

 1 Zinn小帯について

 2 Zinn小帯脆弱・断裂の原因

 3 落屑症候群(XFS)

 4 Zinn小帯脆弱の所見

 5 Zinn小帯脆弱度の分類

 6 水晶体嚢支持器具を用いたPEA手術

 7 水晶体嚢拡張リング(CTR)

 8 虹彩レトラクター(IR)

 9 IRを用いたPEA 手術

 10 カプセルエキスパンダー(CE)

 11 CEを用いたPEA手術

 12 その他のフック系デバイス

 13 嚢を強膜に固定するデバイス

 14 縫着型のCE(M-CE)

 15 M-CEを用いたPEA 手術

 16 M-CE使用上の注意点とIOL偏位に対するM-CEの使用

19 小瞳孔

 1 はじめに

 2 虹彩レトラクター(IR)による瞳孔拡張

 3 瞳孔括約筋切開術とヒーロンV R による瞳孔拡張

 4 カプセルエキスパンダー(CE)による瞳孔拡張

 5 プッシュプルフックによる瞳孔拡張

20 水晶体落下

 1 はじめに

 2 水晶体落下の原因

 3 水晶体落下の手術術式

 4 水晶体落下の手術症例

 5 水晶体落下に対する手術の合併症

 Topics ケバブ法-落下水晶体の除去手術- (朝生 浩)

21 水晶体前房内脱臼

 1 はじめに

 2 角膜が透明な前房内脱臼に対する手術方法

 3 角膜混濁を伴う前房内脱臼に対する手術方法

22 角膜混濁

 1 はじめに

 2 角膜混濁に対するPEA手術症例

23 急性緑内障発作

 1 はじめに

 2 急性緑内障発作に対する手術症例

24 後極白内障

 1 はじめに

 2 後極白内障の診断

 3 後極白内障の治療

 4 後極白内障に対する手術の合併症

 5 後極白内障の手術症例

25 術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)

 1 はじめに

 2 IFIS の対処法と行ってはいけない方法

 3 IFIS に対する手術症例

26 白内障手術とトラベクロトミー眼内法(μLOT) (陰山俊之)

 1 はじめに

 2 μLOTの適応

 3 セッティング

 4 隅角鏡の選択

 5 マイクロフックの選択

 6 手術手技

 7 切開部の術後線維化

27 白内障術者が知っておきたいIOL眼の水疱性角膜症 (谷口 紫)

 1 はじめに

 2 症例提示(1)

 3 症例提示(2)

 4 安全な白内障手術を施行するために

[Ⅲ]術中と術後の合併症

28 後嚢破嚢

 1 はじめに

 2 後嚢破嚢原因

 3 後嚢破嚢の所見

 4 後嚢破嚢の合併症

 5 瞳孔領に確認できる核片の処理

 6 落下した核と皮質の除去

 7 残存皮質の除去

 8 残存硝子体の処理

 9 残存皮質の処理とoptic capture によるIOLの固定

 10 後嚢破嚢を起こした眼に対するIOL 挿入

 11 後嚢破嚢時に用いるIOLについて

 12 1PIOL が嚢外固定された眼の術後合併症

29 Descemet膜剥離

 1 はじめに

 2 Descemet膜剥離の頻度

 3 Descemet膜剥離原因

 4 Descemet膜剥離の発見のポイント

 5 Descemet膜剥離の治療

 6 前房内注入に使用する気体

 7 Descemet膜剥離に対する手術症例

30 IOL偏位

 1 IOL偏位の原因

 2 IOL偏位に関与する因子とその手術適応

 3 偏位したIOLの摘出方法

 Topics IOL摘出法(cartridge pull-through technique) (福岡佐知子)

 Topics L-ポケット切開によるIOL摘出 (太田俊彦)

31 IOL落下

 1 はじめに

 2 落下したIOLを保持して前房まで移動する方法

 3 落下したIOL対する手術の合併症

 4 落下したIOLに対する手術症例

32 IOLの虹彩捕獲

 1 虹彩捕獲と再発予防-虹彩縫縮術- (林 研)

 2 虹彩捕獲と再発予防-糸張り法-  (櫻井寿也)

33 術後眼内炎

 1 はじめに

 2 術後眼内炎の治療

 3 術後眼内炎に対する手術症例

[Ⅳ]水晶体?外摘出術(ECCE)と水晶体?内摘出術(ICCE)

34 水晶体?外摘出術(ECCE)

 1 はじめに

 2 ECCEの手術手技

 3 ECCの手術症例

35 水晶体嚢内摘出術(ICCE)

 1 はじめに

 2 ICCEの手術症例

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書籍情報

  • ISBN:9784521749877
  • ページ数:392頁
  • 書籍発行日:2023年2月
  • 電子版発売日:2023年4月28日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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