• ページ数 : 207頁
  • 書籍発行日 : 2023年5月
  • 電子版発売日 : 2023年5月29日
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商品情報

内容

「胃炎の京都分類」の表を大幅改訂,内視鏡像は白色光に加えIEE,病理像も加えた

胃粘膜の変化を語るうえで最も重要で,最も難解なのは正常の胃粘膜をどう定義するかである.改訂第3版では正常の内視鏡所見とともに,正常の胃粘膜の組織像についても取り上げた.正常胃粘膜の基本構造を理解することにより,内視鏡所見として表現される胃粘膜変化を正しく理解することができる.
改訂第3版では白色光観察ともに画像強調(IEE)を提示し,その内視鏡所見を裏付ける病理組織像も加えた. 本書から良く引用されている,表「胃炎の京都分類」も大幅に改訂.

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序文

改訂第3版の序文


この数十年の間に日本人の胃粘膜に大革命が起こった.その背景にはHelicobacter pylori(H. pylori)除菌療法の普及,H. pylori 感染率の低下,プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの胃酸分泌抑制薬やNSAIDs が頻用されるようになったこと,喫煙率や食塩摂取量の低下,自己免疫性胃炎が注目されるようになったことなどなど,多くの要因が関与している.胃粘膜を取り巻く環境の変化に伴い,胃炎に関するテキストも常に改訂が求められる.「胃炎の京都分類」の第1版は2014年8月に,改訂第2 版は2018年10月に出版した.改訂第2版出版後の4年半の間に,新たな胃粘膜所見が発見され,内視鏡検査においては画像強調観察(Image-Enhanced Endoscopy;IEE)が普及し,より内視鏡所見を裏付ける病理組織所見の重要性が指摘されるようになってきた.そのような背景のもと,「胃炎の京都分類」の改訂第3版が出版されることになった.

改訂第3版では,第1版で作成されたH. pylori 感染状態を評価する内視鏡所見に新たにスクラッチサイン,“フジツボ”様所見,逆萎縮,残存胃底腺粘膜,固着粘液,白点,ひび割れ粘膜,蜘蛛の巣様粘液を加え,H. pylori 関連以外の内視鏡所見として,自己免疫性胃炎の初期像とボノプラザンによる胃症,MALT リンパ腫についても記載した.また,胃粘膜の変化を語るうえで最も重要で,最も難解なのは正常の胃粘膜をどう定義するかであり,この命題についても第3 版では正常の内視鏡所見とともに,正常の胃粘膜の組織像についても取り上げた.正常胃粘膜の基本構造を理解することにより,内視鏡所見として表現される胃粘膜変化を正しく理解することができる.第1版,第2版では実地医家の先生方を対象とし白色光観察による通常の内視鏡所見に重点を置いたが,近年のIEEの普及に伴い,第3 版では白色光観察ともにできるだけIEE 画像を提示し,さらに,その内視鏡所見を裏付ける病理組織像も加えた.IEE 観察を使用していない,あるいは不慣れな先生方はぜひ白色光とIEE 画像を比較して頂き,実地診療においてIEEを取り入れて頂きたい.

「胃炎の京都分類」は非常に多くの先生方に支持されてきた.その理由は,豊富に写真が使用されている割には安価であり,軽量なので持ち運びができ,寝転がって読むことができるという特徴にもよるだろう.改訂第3版でもそのコンセプトを継承している.「胃炎の京都分類」改訂第3版を熟読頂ければ,いかに日本人の胃粘膜に大革命が起こっているか,さらに,その胃粘膜変化の原因についても理解ができる.

なお,表紙には白点の特別な写真を西山典子先生と綾木麻紀先生に提供していただいた.


2023年5月

川崎医科大学総合医療センター総合内科学2(消化器内科) 特任教授
淳風会医療診療セクター セクター長
春間 賢

目次

第1章 正常胃

1.正常胃の内視鏡所見/春間 賢,角 直樹,末廣満彦

 1 内視鏡検査で診断する正常胃とは?

 2 H. pylori 未感染粘膜

 3 内視鏡的に正常胃と診断した症例は組織所見を反映しているか?

2.内視鏡所見の用語の解説/春間 賢,角 直樹,末廣満彦

第2章 胃炎の内視鏡所見

1.総論/鎌田智有,加藤元嗣

 1 H. pylori 現感染胃粘膜(H. pylori-infected gastric mucosa)=慢性活動性胃炎

 2 H. pylori 既感染胃粘膜(H. pylori-past infected gastric mucosa)(除菌後あるいは高度萎縮による菌の自然消失)=慢性非活動性胃炎

 3 H. pylori 感染以外の胃粘膜所見

2.「胃炎の京都分類」所見の解説

 1 RAC/八木一芳

 2 スクラッチサイン/矢田智之

 3 胃底腺ポリープ/井上和彦

 4 地図状発赤/安田 貢

 5 “フジツボ”様所見/砂金 彩,春間 賢,鎌田智有

 6 びまん性発赤/寺尾秀一

 7 粘膜腫脹/加藤隆弘

 8 点状発赤/寺尾秀一

 9 鳥肌/鎌田智有,村尾高久

 10 皺襞腫大,蛇行/平田喜裕

 11 萎縮/寺尾秀一

 12 腸上皮化生/兒玉雅明,村上和成

 13 腺窩上皮過形成性ポリープ/伊藤公訓

 14 黄色腫/北村晋志

 15 ヘマチン/増山仁徳,春間 賢,郷田憲一

 16 稜線状発赤/大和田進,乾 正幸,乾 純和

 17 隆起型びらん/河合 隆

 18 多発性白色扁平隆起/鎌田智有,村尾高久

 19 斑状発赤/川村昌司

 20 陥凹型びらん/平田喜裕

 21 体部びらん/中島滋美

3.「胃炎の京都分類」所見の解説(その2)

 22 逆萎縮/加藤元嗣

 23 残存胃底腺粘膜/丸山保彦

 24 偽ポリープ/丸山保彦

 25 固着粘液/寺尾秀一

 26 白点/西山典子

 27 霜降り状/間部克裕

 28 ひび割れ粘膜/瀧川英彦,北台靖彦

 29 敷石状粘膜/鎌田智有,村尾高久

 30 黒点/綾木麻紀,春間 賢

 31 蜘蛛の巣様粘液/金子裕明

4.H. pylori 関連以外の胃炎の所見

 1 自己免疫性胃炎(A型胃炎)/丸山保彦

 2 自己免疫性胃炎の初期像/小寺 徹,九嶋亮治

 3 PPI/P-CAB 関連胃症/加藤元嗣

 4 PPI 関連胃症の病理学的所見/福田昌英,九嶋亮治

 5 NSAIDs潰瘍/小野尚子

 6 好酸球性胃炎/石村典久,木下芳一

 7 Helicobacter suis 胃炎/間部克裕

 8 MALTリンパ腫/徳永健吾

 9 感染性の胃炎(結核,CMV,梅毒,カンジダ)/蔵原晃一

 10 炎症性腸疾患に伴う胃炎/垂水研一,石井 学,春間 賢

 11 寄生虫(アニサキス)による胃炎/水上一弘,村上和成

 [Side Note]急性胃炎(H. pylori の急性感染)/鎌田智有,村尾高久

 [Side Note]新しいIEE による除菌後胃の鑑別/阿部清一郎

第3章 病理組織像/二村 聡

 1 正常の胃粘膜

 2 H. pylori 感染胃粘膜

 3 萎縮

 4 腸上皮化生

第4章 胃癌リスクを考慮した内視鏡所見スコアの解説/加藤元嗣

 1 胃癌と背景胃炎の関係

 2 胃癌リスクに関連する内視鏡所見

 3 胃癌リスクの内視鏡所見スコア

 4 胃癌リスクスコアの評価

 5 新たなリスクスコアの試み

第5章 胃炎内視鏡所見の記載方法

1.解説ならびに症例/間部克裕

 1 記載方法の基本

 2 症例に基づく胃炎内視鏡所見の記載例

2.内視鏡的背景胃粘膜チェックシート─人間ドック・健診・胃がん検診での活用も期待して/井上和彦,鎌田智有,春間 賢

3.病理診断と一致する内視鏡所見─胃粘膜萎縮の分類と記載法/中島滋美,九嶋亮治

 1 内視鏡的萎縮境界とは?

 2 内視鏡的萎縮境界が見えるメカニズム

 3 木村・竹本の萎縮分類とその改訂版

 4 胃角小彎は幽門腺領域ではない

 5 改訂木村・竹本分類の記載法

 6 萎縮診断のこれから

第6章 診断に苦慮する症例

Case 1 H. pylori 現感染例にて集合細静脈が観察される例/川村昌司

Case 2 薬剤変更にてRAC がみられた症例/川村昌司

Case 3 RAC が不明瞭なH. pylori 未感染胃/増山仁徳,春間 賢,島田貴子

Case 4 インジゴカルミン色素散布がH. pylori 感染胃炎の診断に有用であった1例/鎌田智有,春間 賢,末廣満彦

Case 5 腸上皮化生と鑑別を要する体部の多発性白色扁平隆起/川村昌司

Case 6 経過観察の内視鏡検査で腸上皮化生関連の灰白色粘膜がみられた例/川村昌司

Case 7 H. pylori 陽性の地図状発赤/加藤元嗣

Case 8 地図状発赤が消失した例/川村昌司

Case 9 分類不能型免疫不全症にみられた特異な内視鏡像/井上和彦

Case 10 サイトメガロウイルス(CMV)胃炎の1例/福田健介,水上一弘,村上和成

Case 11 Collagenous gastritis の1 例 ①/蔵原晃一

Case 12 Collagenous gastritis の1 例 ②/小刀崇弘,伊藤公訓

Case 13 Gastric adenocarcinoma and proximal polyposis of the stomach(GAPPS)/北村晋志,三井康裕

Case 14 壁細胞機能不全症の1例/渡邊昌人,平澤俊明,中野 薫

Discussion 内視鏡的な正常幽門腺粘膜とは/加藤元嗣,寺尾秀一


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書籍情報

  • ISBN:9784888753258
  • ページ数:207頁
  • 書籍発行日:2023年5月
  • 電子版発売日:2023年5月29日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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