義肢装具学<15レクチャーシリーズ作業療法テキスト>

石川 朗 (総編集) / 白戸 力弥 (責任編集) / 中山書店

  • ページ数 : 212頁
  • 書籍発行日 : 2024年2月
  • 電子版発売日 : 2024年2月8日
2,860
(税込)
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商品情報

内容

本テキストでは,作業療法士が修得すべき,義肢,装具についての全般的な基礎知識を解説する.前半は義肢学,後半は装具学で構成し,さらに自助具,車椅子・歩行補助具,支給体系とチームアプローチを加えた.近年,普及が著しい筋電装具についても十分なページを割いて解説している.また,スプリント作製実習の項目も設け,順を追って学習できるように配慮した.カラー写真,イラストが豊富で絶好のテキストである.

序文

序文


作業療法における義肢装具の主な対象は,義肢では切断者に対する義手が多く,装具では運動器疾患や中枢神経疾患の患者などに対する上肢装具が多くなっています.これらの義肢装具を適切に活用するには,「〇〇の疾患には,〇〇の義肢装具」といったステレオタイプの思考のみでは不十分であり,「なぜ,眼前の障害や変形が起きているのか」を病態学,解剖学,生理学,運動学の側面から確実に分析し,「なぜその義肢装具が必要か」を説明できる知識を持ち合わせていることが必要になります.一方,作業療法士が活動や参加を促す対象には,上肢の義肢装具だけでなく,下肢の義肢装具や体幹装具を装着していることも多々あります.したがって,「どのような目的でこの義肢装具を装着しているのか,この義肢装具にはどのような効果があるのか」といった疑問を解決できる義肢装具に対する基本的な知識も必要です.また,義肢装具の処方から支給までには,医師,義肢装具士,理学療法士などと連携を図りながら行うチームアプローチが必要不可欠であり,このチームアプローチを行ううえでは,義肢装具に関する「共通言語」の習得が必須であり,そのための義肢装具全般に関する知識が重要になります.

本書は,前半を義肢学,後半を装具学から構成し,これらに自助具,車椅子・歩行補助具,支給体系とチームアプローチを加え,義肢装具学の基本的知識全般を網羅できる内容になっています.近年,普及が著しく,技術の進歩も目覚ましい筋電義手についても,比較的多くのページを割いて触れました.また,作業療法士にとって習得すべきであるスプリント作製実習の項目も設けました.さらに,各レクチャーのStepupでは,最新の知見,技術について触れた内容になっています.養成校での義肢装具学の教育だけでなく,臨床現場での実践に役立つ手引書になるものと思っています.

本書が学生のみならず義肢装具にかかわるすべての臨床の先生方にとって価値ある一冊となり,ご活用いただけることを願っております.

最後に,本書の刊行にあたり,ご多忙の折,玉稿を賜りました執筆者の先生方,出版の労をいとわずにご尽力をくださった出版社,並びに関係各所の皆さま,先生方に深く感謝申し上げます.


2024年1月

責任編集 白戸力弥

目次

LECTURE 1 義肢学総論:切断と義肢の基礎知識 (石川 朗)

1.作業療法と義肢学

2.切断と四肢欠損

3.切断術の意義

4.切断・四肢欠損の疫学

5.切断部位

6.切断原因

7.切断端

8.断端管理

9.義肢の種類

10.義肢の主な基本的構成

Step up

1.切断部位の決定

2.シリコンソケット

LECTURE 2 義手の分類と構造・機能 (白戸力弥)

1.構造上の分類

2.機能的分類

3.切断部位(レベル)による分類

4.義手の構成要素

5.筋電義手の構造と機能

Step up   1.最新の多指駆動型筋電義手

2.多指駆動型筋電義手を適用した症例

LECTURE 3 上肢切断の作業療法評価と義手のチェックアウト (白戸力弥)

1.上肢切断の作業療法評価

2.義手のチェックアウト

Step up

1.医療者型評価法と患者立脚型評価法

2.切断者に対する患者立脚型評価の使用

LECTURE 4 上肢切断の作業療法アプローチ (白戸力弥)

1.上肢切断の作業療法アプローチの流れ

2.義手装着前練習

3.筋電義手装着前練習

4.能動義手操作練習

5.筋電義手操作練習

Step up

1.幻肢痛の発生機序

2.幻肢痛の治療

LECTURE 5 義足の分類と構造・機能 (石川 朗)

1.下肢切断者のゴール設定

2.義足練習の流れ

3.アライメント

4.大腿義足・膝義足

5.下腿義足・サイム義足

6.股義足

7.足部義足

Step up

フットケア

LECTURE 6 下肢切断の評価とアプローチ (石川 朗)

1.下肢切断の評価

2.下肢切断へのアプローチ:義足装着前

3.下肢切断へのアプローチ:義足装着後

4.下肢切断のADL

5.切断原因別のアプローチの留意点

Step up パラスポーツ

LECTURE 7 装具学総論 (佐竹將宏)

1.装具および装具療法とは

2.装具の目的

3.装具の機能

4.装具の分類

5.装具で使用される材料

6.3点固定の原理

7.装具製作の流れ

8.装具療法におけるチームアプローチの重要性

9.装具の処方箋

10.装具に必要な運動学

Step up 装具による圧迫創傷は少なくない

LECTURE 8 上肢装具 (奥村修也)

上肢装具の分類と目的

Step up 上肢装具の適応・選択

LECTURE 9 上肢装具作製とチェックアウト (奥村修也)

1.素材と選択

2.必要な道具,物品

3.作製に必要な表面解剖,機能解剖

4.作製法

Step up 装具療法の施行中のチェックアウト

LECTURE 10 装具作製実習 (奥村修也)

1.短対立装具(HdO)

2.サム・スパイカ

3.ボタン?変形?装具(セフティーピン装具)

4.槌指用装具

5.装具の作製の要点

6.スプリント(作業療法士が作製する装具)の請求方法

Step up オルフィキャストを用いての装具作製例

LECTURE 11 自助具 (草川裕也)

1.自助具とは

2.自助具と作業療法士

3.自助具の実際

Step up 自助具の作製

LECTURE 12 下肢装具 (佐竹將宏)

1.下肢装具

2.疾患別装具

Step up 下肢装具のチェックアウト

LECTURE 13 体幹装具 (佐竹將宏)

1.体幹の基礎知識

2.目的

3.対象疾患

4.使用される材料

5.分類と名称

6.代表的な体幹装具

7.側彎症装具

Step up

1.体幹装具による免荷の原理と方法

2.側彎症装具による矯正力のかけ方

LECTURE 14 車椅子・歩行補助具 (野田和惠)

車椅子

1.種類

2.構造と名称,部品のいろいろな種類

3.障害と車椅子の適用

4.車椅子の選択

5.車椅子の基本的メンテナンス

6.車椅子と一緒に使うもの

歩行補助具

1.種類

2.障害と歩行補助具の選択

3.寸法合わせ

Step up 電動車椅子

LECTURE 15 義肢・装具の支給体系とチームアプローチ (三橋幸聖・山中佑香)

1.義肢・装具支給の流れ

2.チームアプローチ

Step up 労災補償制度による筋電電動義手支給の変遷と現在

巻末資料

TEST 試験 (白戸力弥)

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書籍情報

  • ISBN:9784521750491
  • ページ数:212頁
  • 書籍発行日:2024年2月
  • 電子版発売日:2024年2月8日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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