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15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト スポーツ理学療法学

加賀谷 善教 (責任編集/著者) / 中山書店

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2024年4月
  • 電子版発売日 : 2024年6月4日
2,860
(税込)
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商品情報

内容

スポーツ理学療法は,スポーツ選手をより早く安全に競技復帰させることを目的とした理学療法である.スポーツ理学療法に必要な評価や徒手療法をはじめ,再発予防に向けた身体操作の修正方法を学習する.また,走行,投球,ジャンプ・着地などのスポーツ動作の特徴を踏まえたうえで,スポーツによる内科的障害や重篤な外傷への対処法,上肢・体幹・下肢の代表的なスポーツ傷害に対する理学療法を学ぶ.

序文

序文

入学試験で受験生の面接を担当すると,自分自身や友人のスポーツによるケガをきっかけに理学療法士を目指したと語る学生は多い.しかし,スポーツ理学療法への熱い想いをもって入学した学生たちも,卒業時に初志貫徹する者は極めて少ない.これは,スポーツ理学療法の本質が理解されていないため,学修が進むにつれて難しく感じたり,興味が他に移るのかもしれない.また,理学療法学教育のなかで,スポーツ理学療法の学修時間を十分に確保できないことも影響していると考えられる.

スポーツ理学療法は,身体的問題や不調でスポーツ活動の休止を余儀なくされた者に対して,効率よく安全にスポーツ活動を再開・実践できるようにするものである.医療機関で行われる治療の過程では,運動療法や徒手療法,物理療法や補装具・補助具などが用いられており,一般の理学療法と何ら変わらない.大きな違いは,理学療法が日常生活や職場への復帰を目標にしているのに対して,スポーツ理学療法はスポーツ復帰を目標にしている点である.また,医療機関に限らず,スポーツ理学療法は広くスポーツフィールドなどでも行われている.

スポーツ活動は日常生活活動と比べて,高い体力とスキルが必要なため,安静期間が長くなるとスポーツ復帰には悪影響を及ぼす.したがって,スポーツ理学療法においては損傷部を保護するだけでなく,リスク管理の下で対象者の体力を向上させることが必要となる.また,スポーツ動作は身体にかかる負荷も大きいため,日常生活に問題はなくてもスポーツ再開が難しい例は多い.スポーツ理学療法を行ううえで重要なことは,スポーツ動作を診る眼であり,誤った身体操作を改善することで再発予防にまで踏み込む必要がある.そのため,スポーツフィールドなどにおけるコンディショニングやリコンディショニングなどの知識も必要となる.

スポーツ理学療法に求められる知識や技術は運動器系が主と思われがちだが,スポーツフィールドでは,頭部外傷や脳震盪,熱中症や内科系疾患などにも対応しなければならない.さらに,それらに対する応急処置や搬送法など,知っておくべき内容は幅広い.本書では,限られた誌面の範囲で,スポーツ理学療法を知るうえで必要な最低限の知識を網羅したつもりである.スポーツ領域に興味をもつ理学療法士の卵たちが,スポーツ理学療法の本質を理解し,身体的問題や不調に悩むスポーツ選手の力になることを期待したい.本書がその一助になれば幸いである.


2024年3月

責任編集 加賀谷善教

目次

LECTURE 1 総論 (加賀谷善教)

1.スポーツ理学療法とは

2.スポーツ傷害の発生要因

3.スポーツ理学療法の進め方

4.損傷部位の修復過程と予後予測

Step up

 1.関節運動連鎖

 2.基礎体力と傷害予防

 3.スポーツパフォーマンスとアライメントコントロール

 4.アライメント修正に影響を与える動作の難易性

LECTURE 2 機能評価と徒手療法 (佐藤正裕)

1.スポーツ理学療法における機能評価の目的

2.病態把握のための臨床推論

3.機能評価の方法と解釈

4.スポーツ理学療法に必要な徒手療法

Step up

 1.フェイズ分類

 2.異常なエンドフィール(最終域感)と制限因子

LECTURE 3 傷害予防とコンディショニング (渡邊裕之)

1.スポーツ傷害予防の4 段階モデルと実践例

2.コンディショニング

3.メディカルチェック

4.フィジカルチェック

Step up

 1.コンディショニングにおける留意点

 2.コンディショニングの実践

LECTURE 4 スポーツ動作(1)走動作 (渡邊裕之)

1.歩行の基礎

2.走動作のバイオメカニクス

3.走動作で生じる傷害と動作改善のポイント

Step up

 1.ランニングシューズの役割

 2.ランニングシューズによる下肢外傷予防

LECTURE 5 スポーツ動作(2)投動作 (河端将司)

1.野球の投球動作

2.野球以外の投動作

Step up

 1.投球動作不良に対する理学療法   2.進化し続ける計測機器

LECTURE 6 スポーツ動作(3)ジャンプ・着地・切り返し動作 (相澤純也)

1.ジャンプ・着地動作のバイオメカニクス

2.切り返し動作のバイオメカニクス

3.ジャンプ・着地・切り返し動作で生じる傷害の特徴と動作改善のポイント

Step up (加賀谷善教)

 1.スポーツ動作に影響する重力加速度

 2.ジャンプパフォーマンス向上と関節への負荷

 3.着地動作と関節への負荷

LECTURE 7 スポーツ動作(4)泳動作 (小泉圭介)

1.泳動作のバイオメカニクス

2.泳動作で生じる傷害のメカニズム

3.泳動作の評価

4.動作改善のポイントとエクササイズ

Step up

 1.水泳選手の足部障害:足関節不安定性・有痛性三角骨

 2.足関節背屈可動域の評価のポイント

 3.改善のためのエクササイズ

LECTURE 8 スポーツによる内科的障害とその対処法 (三宅英司)

1.心臓突然死

2.熱中症

3.過換気症候群

4.オーバートレーニング症候群

5.貧血

6.月経異常と女性スポーツ選手の3主徴

Step up

 1.救命の連鎖

 2.欧米における熱中症分類

LECTURE 9 スポーツによる重篤な外傷とその対処法 (加賀谷善教)

1.スポーツによる重篤な外傷と初期対応

2.スポーツ頭部外傷に対する評価と対応

3.頸髄損傷に対する評価と対応

Step up

 1.RICEの科学

 2.スポーツによる重篤な外傷の発生機序と予防

LECTURE 10 スポーツ理学療法各論(1)肩関節・肘関節 (河端将司)

1.投球障害肩

2.投球障害肘

3.肩関節脱臼

4.テニス肘

Step up

 1.投球障害肩・肘に対する理学療法のエビデンス

 2.新たな治療法の進歩と理学療法

LECTURE 11 スポーツ理学療法各論(2)腰部 (佐藤正裕)

1.腰椎分離症

2.腰椎椎間板ヘルニア

3.非特異的腰痛(いわゆる腰痛症)

Step up

 1.腰痛治療のエビデンス

 2.Joint by Joint Theory に基づく運動療法の進め方

 3.競技復帰に必要な腹筋群の体幹安定化機能

LECTURE 12 スポーツ理学療法各論(3)股関節・大腿部 (三宅英司)

1.グロインペイン

2.大腿部筋挫傷

3.ハムストリングス肉離れ  Step up

 1.RICE・PRICE・PORICE処置

 2.骨格筋構造

LECTURE 13 スポーツ理学療法各論(4)膝関節 (相澤純也)

1.膝の靱帯損傷

2.ジャンパー膝およびオスグッド病

Step up (佐藤正裕)

 パフォーマンス評価

LECTURE 14 スポーツ理学療法各論(5)足部・足関節 (加賀谷善教)

1.足関節捻挫

2.後脛骨筋機能不全

Step up

 1.足部・足関節疾患に対するスポーツ動作の評価

 2.スポーツ動作の獲得に向けた段階的理学療法

 3.足底挿板やテーピングによるアライメント修正

LECTURE 15 パラスポーツ(障がい者スポーツ) (鳥居昭久)

1.パラスポーツの意義と理念

2.障がい者のスポーツの歴史的変遷

3.パラスポーツにおける理学療法士の役割

4.パラアスリートにおける医学的問題とリスク管理

5.パラアスリートにおけるスポーツ外傷・障害の特徴

6.パラアスリートにおけるスポーツ理学療法の留意点

Step up

 1.アダプテーションの考え方

 2.日本パラスポーツ協会公認指導者制度   3.症例:スポーツ用義足を用いたトレーニング方法

 4.パラスポーツにおけるアライメントについての捉え方

巻末資料

TEST 試験 (加賀谷善教)


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書籍情報

  • ISBN:9784521750095
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2024年4月
  • 電子版発売日:2024年6月4日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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