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  • ④最新 弱視・斜視診療エキスパートガイド―解剖生理・検査法から手術治療まで―<眼科診療エクレール>

④最新 弱視・斜視診療エキスパートガイド―解剖生理・検査法から手術治療まで―<眼科診療エクレール>

佐藤 美保 園田 康平 (編) / 相原 一 (シリーズ監修) / 辻川 明孝 堀 裕一 (シリーズ編集) / 中山書店

  • ページ数 : 392頁
  • 書籍発行日 : 2066年5月
  • 電子版発売日 : 2024年7月31日
16,500
(税込)
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商品情報

内容

弱視と斜視を専門とし,最前線で活躍する医師と視能訓練士の協力のもとに完成した決定版!
弱視と斜視の診療に共通に必要な解剖生理と小児の検査にはじまり,弱視診療に必要な検査と弱視治療,斜視診療に必要な検査と斜視の非観血的・観血的治療を詳しく解説.スマホなどデジタルデバイスの過剰使用による後天性内斜視,非観血的斜視治療としてのボツリヌス毒素治療,斜視の新しい疾患概念である「sagging eye syndrome(SES)」も盛り込まれている.

序文

弱視や斜視の診察は時間がかかることが多く,通常の外来とは別に専門の診療枠を設けて対応されることが多い.混雑した外来を避け,時間をかけて診察や検査をすることで,患者は落ち着いて検査に協力でき,われわれが得られる情報も増える.一方,眼科医や視能訓練士は常に新しい検査技術や治療方法の習得に忙しく,じっくりと弱視や斜視診療のアップデートに時間が取れないのが現状である.弱視や斜視の診療能力は,多くの患者の訴えを聞き,一人ひとりと向き合うことで少しずつ向上するものであるが,経験だけでは上達の速度に限りがある.また,診療において特に重要なのは,眼科医と視能訓練士が知識を共有し,協力して診療にあたることである.

眼科医にとって,弱視や斜視の背景にある感覚面の理解は,最も困難な分野の一つであるが,患者の訴えを聞くことによって,予測される疾患は絞られ,治療のゴールも見えてくる.小児期の治療目標は「良好な視力発達」と「両眼視機能の獲得」であるが,成人の治療目標は必ずしもそうではない.成人にとっては「複視のない快適な両眼視」と「整容面での満足」が重要である.眼科医は整容面での改善を軽視する傾向にあるが,患者にとって健康な社会生活を送るうえで大変重要である.一方,診断は医師が適切に行うべきことであり,治療方法の最終責任者は医師であることに間違いはないのだが,その診断や治療方針の根拠となる検査は視能訓練士の責任であることから,視能訓練士も,斜視手術やその他の治療方法について,知識として習熟している必要がある.

弱視治療は施設ごとあるいは個々の医師の信念や個々の患者の環境に基づき,様々なプロトコールで進められている.米国眼科学会は弱視治療のガイドラインを公表しているが,あくまでも参考にするというもので,順守すべき治療方針ではない.本書では海外の方針も取り入れながら,最新の治療方法について詳細に記載している.

斜視は近年,「sagging eye syndrome(SES)」といった新しい疾患概念が生まれ,2015 年にボツリヌス毒素注射が保険適用になったことで,手術によらない斜視治療も広がりを見せている.本書では斜視手術については術前準備から術後管理までを取り扱い,基本手技についてはできるだけ図や写真を多用して,分かりやすいものにした.

本書は,弱視や斜視を専門とし最前線で活躍する医師と視能訓練士の協力のもとに完成したものである.読者の皆様の日々の診療の一助となれば幸いである.


2024年4月

担当編集 佐藤美保
園田康平

目次

Chapter 1 弱視と斜視診療に必要な解剖・生理

1.1 視覚の発達    塚本晶子 

1.2 屈折と調節の発達    塚本晶子 

1.3 外眼筋の解剖と運動生理    筒井紗季 

1.4 両眼視の発達と基本的な法則   宇田川さち子,杉山能子 

1.5 眼球運動の神経支配   植木智志 

Chapter 2 弱視と斜視診療に必要な小児の検査

2.1 小児の視力検査   秋山 澄 

2.2 小児の屈折検査   関 瑛子 

2.3 小児の眼科一般検査    畦間(岡本)美里 

Chapter 3 弱視診療に必要な検査

3.1 弱視の定義と頻度   森 隆史 

3.2 弱視のスクリーニング   林 思音 

 TOPICS 保護者の弱視理解を深めるために  

3.3 弱視の原因となる器質疾患   神部友香 

 ADVICE 上眼瞼テープ開瞼補助  

3.4 弱視と間違われやすい疾患と鑑別  神部友香 

3.5 弱視の症状   米田 剛 

3.6 知的障害児,神経発達症(発達障害)児の検査  富田 香 

 COLUMN 知的障害児や神経発達症児での近見視力検査の必要性  

Chapter 4 弱視治療

4.1 弱視治療の目的と目標   四宮加容,森下恵美子 

 COLUMN 弱視治療の経過例  

4.2 屈折矯正    三原美晴 

 ADVICE 乳幼児における白内障術後のコンタクトレンズ(CL)  

 ADVICE 対象者には小児弱視等治療用眼鏡の説明をしよう  

4.3 遮閉法    荒木俊介,三木淳司 

4.4 ペナリゼーション法   荒木俊介,三木淳司 

Chapter 5 斜視診療に必要な検査

5.1 眼位検査    瀬戸寛子 

5.2 眼球運動検査    田川 楓,久保真衣 

5.3 斜視の記録法    新井慎司 

5.4 調節力と調節性輻湊対調節比(AC/A 比)の測定   新井慎司 

5.5 両眼視機能検査    岡 真由美 

5.6 プリズム順応検査    西川典子 

5.7 複視の検査    広田雅和 

5.8 斜視診断に必要な全身検査    宮田 学 

5.9 斜視診断に必要な画像検査   濵﨑一郎,柴田貴世 

 TOPICS sagging eye syndrome(SES)の画像診断の実際と応用  

Chapter 6 斜視治療(1)非観血的治療

6.1 屈折矯正とプリズム    津久井真紀子 

 COLUMN 組み込みプリズムと膜プリズム―実際のお値段は?  

6.2 複視の治療   稲垣理佐子 

6.3 ボツリヌス(毒素)治療    望月嘉人 

Chapter 7 斜視治療(2)観血的治療

7.1 斜視手術の適応    後藤美和子 

7.2 斜視手術に必要な器具    杉元美月 

7.3 斜視手術の基本手技    大野明子 

7.4 直筋の手術    吉田清香 

 TOPICS plication 法と前転術の比較  

 ADVICE 前後転の定量  

 ADVICE 上・下直筋の手術の注意点  

7.5 下斜筋の手術    古森美和 

7.6 上斜筋の手術   矢ヶ﨑悌司 

7.7 内斜視の手術    鈴木由美 

 COLUMN bimedial en-bloc recession  

7.8 外斜視の手術    森田由香 

 ADVICE 年齢別による外斜視手術の考え方  

7.9 A 型,V 型斜視    宇井牧子 

 COLUMN 水平直筋のトリック手術(上下方向移動術)  

7.10 交代性上斜位    横山吉美 

7.11 上下斜視    横山吉美 

7.12 回旋斜視    太根ゆさ 

7.13 眼筋麻痺    尾内宏美,後関利明 

7.14 近視性共同性内斜視  鎌田さや花,稗田 牧 

7.15 強度近視性内斜視    山口 真 

 TOPICS sagging eye syndrome(SES)と眼窩窮屈症候群  

7.16 sagging eye syndrome(SES)   國見敬子,後関利明 

 COLUMN 後天内斜視―解剖学的異常と機能的異常  

7.17 甲状腺眼症による斜視    神前あい 

7.18 眼窩骨折と斜視    西村香澄 

7.19 網膜剥離術後斜視    清水瑞己 

7.20 緑内障手術後斜視    飯森宏仁 

7.21 斜視術後続発斜視    鈴木寛子 

7.22 感覚性斜視(廃用性斜視)    太根ゆさ 

7.23 faden operation(ファーデン法)   吉田正樹,上岡康雄 

7.24 調節糸法   長谷部 聡 

7.25 斜視手術の周術期管理    根岸貴志 

7.26 斜視手術の合併症と対策    根岸貴志 

7.27 斜視手術術前・術後の視能矯正   若山曉美 


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書籍情報

  • ISBN:9784521750545
  • ページ数:392頁
  • 書籍発行日:2066年5月
  • 電子版発売日:2024年7月31日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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