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- プリンシプル消化器疾患の臨床3 ここまできた肝臓病診療
商品情報
内容
第3巻では、ウイルス性肝炎の標準治療に関する必要な専門的な知識、及び潜在的な患者が多いNASHやアルコール性肝障害をはじめ、原発性肝癌、転移性肝癌、まれな自己免疫性・代謝性の肝疾患まで、肝臓専門医が押さえるべき幅広い内容を網羅しています。
> プリンシプルシリーズ
序文
序
≪プリンシプル消化器疾患の臨床≫シリーズのうち,本巻では肝疾患についてまとめた.
本邦ではB 型肝炎ウイルス(HBV),C 型肝炎ウイルス(HCV)の感染者が計300~400 万人存在するとされ,生活習慣に関連する非アルコール性脂肪性肝疾患は約1,000 万人,アルコール性肝疾患は約250 万人と推定されており,その中から肝癌や肝不全で年間5 万人もの方が亡くなっているのが現状である.したがって公衆衛生や医療経済の観点からも,肝疾患の治療法のさらなる進歩と予防法の確立が望まれる.
かかる状況において,治療法の進歩によりウイルス性肝疾患,とりわけC 型肝炎の制御が可能になってきたが,同時に耐性ウイルスの問題等から治療には"より高い専門性"が要求される.また仮にHCV を排除できても発癌は完全には抑制できず,HBV 関連発癌の全貌も未だ解明されていない.一方,生活習慣や環境の変化は肝疾患の疾病構造を変化させ,非ウイルス性肝疾患を成因とした肝癌も注目されるようになってきた.
本巻は近年の肝疾患の疾病構造の変化を俯瞰しつつ,新たな疾患概念,診断法・治療法の進歩について図表を多く取り入れ解説している.
執筆は,それぞれの専門領域でご活躍されている先生方にお願いした.ご多忙の中,本巻の作成に多大なご尽力をいただいた先生方に厚く御礼申し上げたい.
さて項立ては,まず「肝疾患総論」として疾患概念,疫学,病態生理が挙げられている.なかでも病態生理を理解することは,さまざまな肝疾患の概念を正しく把握するうえで重要である.さらに基礎知識は診断法や治療法の理解を深めることにも結びつく.「検査・診断」では,従来の診断法に加え,血清マーカーや肝硬度検査による肝線維化の新たな診断法が紹介されており,線維化と発癌の関連を考えると,肝発癌の高リスク群の囲い込みに有用であることが理解される.「治療法」は総論と各論の2 部構成であり,総論では抗ウイルス剤,分子標的治療薬など,とくに新規の治療薬を中心に薬物の作用機序が解説されている.また外科的切除術,局所療法,放射線療法それぞれの適用や治療成績が紹介されており,肝癌の治療法の選択に必要な情報を習得することが可能である.肝移植の適用と術後管理,肝硬変に合併する門脈圧亢進症のマネジメント,加えて肝疾患における栄養管理も解説されている.各論では種々の肝病態に応じた治療法が挙げられているが,その理論的根拠は総論を読むことで容易に理解できるであろう.最後にはミニレクチャーとして,肝病態や診断法についての最近の話題,肝炎対策や助成制度という行政の取り組みもわかりやすく説明いただいた.
本巻では,実臨床に沿った形で最新の肝疾患診療が紹介されており,肝臓専門医にとっても,また肝疾患を専門とされていない先生方にとっても実践的な内容となっている.多くの先生方が本書をご活用になり,日常診療にお役に立てていただくことを期待したい.
2017年9月
熊本大学大学院生命科学研究部消化器内科学
専門編集 佐々木 裕
目次
I章 肝疾患総論
疾患概念
ウイルス性肝疾患
NAFLD/NASH
アルコール性肝障害
薬物性肝障害
自己免疫性肝疾患
急性肝不全
肝硬変と合併症
腫瘍性病変
疫学
病態生理
ウイルス性肝炎の発症メカニズム(初感染,慢性化,劇症化)
ウイルス性肝炎の感染様式,臨床像
B 型肝炎再活性化,de novo肝炎
肝発癌のメカニズム
門脈圧亢進症の病態
インスリン抵抗性
肝線維化
細胞死と病態
II章 検査・診断
血液検査
ウイルスマーカー
腫瘍マーカー
肝線維化マーカー
免疫学的検査
一般検査
画像診断
超音波検査・肝硬度検査
CT
MRI
血管造影
核医学検査
内視鏡所見
病理診断
びまん性疾患
腫瘍性病変
そのほか
腹水検査
III章 治療法総論
薬物療法
抗ウイルス療法
インターフェロン療法
核酸アナログ製剤
DAA療法
分子標的薬
化学療法(TAI,TACE,HAIC)
利尿薬
抗酸化療法を含めた肝庇護療法
肝切除術
局所療法
放射線療法
瀉血療法
血漿交換,血液濾過透析
肝移植
内視鏡的治療(EIS,EVL,APC)
脾臓摘出術,部分的脾動脈塞栓術(PSE)
BRTO,PTO,TIPS
栄養療法
予防薬
肝炎ワクチン
免疫グロブリン製剤
発癌予防薬
IV章 治療法各論
びまん性肝疾患
急性ウイルス性肝炎(A 型,B 型,C 型,E 型)
慢性ウイルス性肝炎
B型慢性肝炎:インターフェロン治療,核酸アナログ製剤
C 型慢性肝炎:インターフェロン治療,DAAs
肝硬変
抗ウイルス療法
分岐鎖アミノ酸製剤
腹水治療
栄養療法
肝性脳症
NASH/NAFLD
アルコール性肝障害
自己免疫性肝疾患
自己免疫性肝炎
原発性胆汁性胆管炎
薬物性肝障害
劇症肝炎
代謝性肝疾患
Wilson病
ヘモクロマトーシス
腫瘤性肝疾患
原発性肝癌
肝細胞癌の外科的治療
肝細胞癌の内科的治療
肝内胆管癌
その他の肝悪性腫瘍
転移性肝癌
肝膿瘍
肝嚢胞
肝良性腫瘍
合併症
門脈圧亢進症
胃食道静脈瘤,汎血球減少症
肝腎症候群
他臓器疾患による肝障害
甲状腺疾患
循環不全
糖尿病
妊娠
ミニレクチャー
一塩基多型(SNP)の測定意義
肝炎対策基本法
医療費助成制度
オートファジー
肝疾患とサルコペニア
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書籍情報
- ISBN:9784521744445
- ページ数:432頁
- 書籍発行日:2017年10月
- 電子版発売日:2018年5月18日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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