- m3.com 電子書籍
- 近視の病態とマネジメント〈専門医のための眼科診療クオリファイ28〉
商品情報
内容
>専門医のための眼科診療クオリファイ シリーズ
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版
序文
序
近視が,昨今,このように医療者の注目を浴びる疾患となったことには,明らかな理由がいくつか考えられる.
一つには,視覚,とくに近業に頼ることが多くなった生活環境の変化がある.パーソナルコンピュータ,携帯電話,スマートフォン,タブレットなど,ここ半世紀のうちに,それ以前の人が想像もしえなかった電子デバイスが続々と出現した.以来,利便性と低価格化が普及を後押しし,今では多くの人の日常の生活に欠かせないものとなってきている.当然,その利用のために,顔の近くに焦点を当てることを,かなり長い時間,目に強いることになる.最近では,小児期からこれらのデバイスを長時間使うケースも多く,それが原因で近視を発症するともいわれる.事実,文部科学省学校保健統計によれば,裸眼視力0.3 未満の小学生は,30 年前に比べると3 倍になっている.
もう一つは,眼科の検査機器の飛躍的な進歩がある.とくにOCT(optical coherence tomography)は,眼底部を断層として短時間で解析することができ,しかも患者に対する侵襲はほとんどない.この検査結果の集積によって,近視が眼底部にどのように変化を起こすのかが明らかになってきた.これをもとに,医療的な介入が必要となる“病的近視” の定義や分類について,検討が重ねられている.
あと一つ,最も注目すべきことは,グローバルスケールで進められている大規模スタディの集積がある.これらの解析から,近視発症には人種差があり,欧米に比べてアジアに多く,特にわが国は世界有数の近視国であることがわかった.さらに,近視発症にかかわる遺伝・環境要因,後部ぶどう腫や脈絡膜新生血管など近視が原因となる眼底部所見と,さまざまな角度からの解析結果が公表されている.
本巻では,これまでの近視についての知見を,アップデートしたうえで総合的にまとめた.大規模スタディの解析から得られた病態の定義,分類を外来ベースでも使いやすいように記述していただいた.検査,治療,疫学に加えて,緑内障や加齢黄斑変性といった疾患と近視とのかかわりにも,十分に解説していただいた.
ありふれた所見に,医療者ならば見定めるべき,患者の予後を左右する深刻な病態が隠れていることがある.近視もその一つといえよう.この巻が,読者に,近視診療についての新たなアングルを提示できることを願っている.
2016 年1 月
東京医科歯科大学医歯学総合研究科眼科学教室/教授
大野 京子
目次
1 近視の病態と定義
総論と分類 (大野京子)
近視の疫学 (川崎 良)
SQ 近視の本態としての眼軸延長と眼球の変形について,小児の場合を中心に教えてください (石井晃太郎)
SQ 近視の本態としての眼軸延長と眼球の変形について, 成人の場合を中心に教えてください (森山無価)
2 近視の原因
遺伝的要因 (山城健児)
視覚環境 (長谷部 聡)
続発性に近視を生じる疾患 (田中裕一朗)
CQ 強度近視と弱度近視は同じ延長線上にある病態でしょうか? (不二門 尚)
SQ 実験近視研究の進歩について教えてください (世古裕子)
3 近視の検査所見
超音波所見による眼軸長計測 (横井多恵)
視野 (奥山幸子)
高次収差,コントラスト感度 (平岡孝浩)
電気生理学的検査所見 (近藤峰生)
網膜脈絡膜血流動態 (中林征吾,長岡泰司)
OCT (佐柳香織)
マイクロペリメトリー (石子智士)
4 近視の治療
眼鏡やコンタクトレンズによる近視矯正 (長谷部 聡)
オルソケラトロジー (平岡孝浩)
屈折矯正手術 (北澤世志博)
薬物治療 (鳥居秀成,不二門 尚)
SQ 周辺視,周辺網膜のデフォーカスについて教えてください (長谷部 聡)
CQ 強度近視患者のIOL度数の目標値と計算式を教えてください (横井多恵)
CQ 強膜補強術の動向について教えてください (吉田武史)
5 強度近視の眼底病変とその疫学
疫学 (安田美穂)
近視性黄斑症の新分類 (森山無価)
眼底病変の進行過程 (林 憲吾)
強度近視の健康関連QOL (横井多恵)
6 近視性 CNV
診断 (馬場隆之)
治療 (藤本聡子,生野恭司)
CQ 高齢者の近視性CNVとAMDとの違いについて教えてください (森 隆三郎)
CQ 近視性CNV発生の原因について教えてください (若林 卓)
7 近視性牽引黄斑症
診断 (島田典明)
自然予後 (島田典明)
治療/硝子体手術(総論) (厚東隆志,平形明人)
治療/強膜バックリング (坂東 肇)
CQ OCTから示唆された近視性牽引黄斑症の発症メカニズムとFSIPについて教えてください (島田典明)
SQ 手術時の病理所見から示された発症メカニズムを教えてください (久冨智朗)
8 緑内障と近視性視神経症
診断と予後 (富所敦男)
治療・管理方針 (新田耕治)
CQ 強度近視眼の視神経障害の機序について,網膜神経節細胞を中心に教えてください (板谷正紀)
CQ 強度近視眼の視神経障害の機序について,視神経周囲の構造を中心に教えてください (大野京子)
9 近視性網膜脈絡膜萎縮
診断 (森山無価)
進行過程と予後 (林 憲吾)
10 強度近視に伴う斜視
診断と検査所見の特徴 (横山 連)
治療・管理方針 (横山 連)
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:21.9MB以上(インストール時:50.3MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:87.5MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:21.9MB以上(インストール時:50.3MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:87.5MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784521739250
- ページ数:300頁
- 書籍発行日:2016年2月
- 電子版発売日:2020年12月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。