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麻酔科医のための周術期の薬物使用法《新戦略に基づく麻酔・周術期医学》

  • ページ数 : 544頁
  • 書籍発行日 : 2015年4月
  • 電子版発売日 : 2021年3月26日
16,500
(税込)
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商品情報

内容

麻酔科医は、安全かつ有効な全身管理を行うために、周術期に使用する多くの薬物の詳細な知識を必要とする。本書では、まず麻酔薬,全身管理薬などの各薬物を概説し、次いで個々の薬物の使い分け、作用機序や具体的な使用方法について、豊富な図表を用いて分かりやすく簡潔に解説した。周術期に使用する薬物の基礎的な事項から実践的な使用法まで、知識を整理して一歩進んだ薬物使用法を学べる1冊。

あわせて読む → 「新戦略に基づく麻酔・周術期医学」シリーズ

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序文

麻酔科医の使命は,術前から患者の併存疾患をコンロトールし,術中は手術侵襲によるストレスから患者を守り,術後は患者の機能の回復を促進することです.このために麻酔科医は,周術期には多岐にわたる種類の薬物を使用し,安全かつ有効な全身管理を遂行し,患者の社会復帰を推進しなくてはなりません.したがって,麻酔科医は周術期に使用する数多くの薬物のメカニズム,薬物動態,薬力学,適応疾患・病態,使用用量,禁忌,副作用,薬物相互作用などに関する,詳細な知識を必要とされます.

麻酔科医にとっての薬理学書として,古くから『Goodman & Gilman’s ThePharmacological Basis of Therapeutics』が用いられてきました.しかし,じっくりと勉強するには必須の書ですが,日々の臨床の現場での使用は難しいといえます.一方,ポケット版などの薬物使用書は数多く出版されていますが,薬物の作用メカニズムや薬物動態・薬力学など基礎的な記載は少なく,同種類の薬物における個別の薬物の利点と欠点など,より熟練した薬物使用のためには不十分といわざるを得ません.つまり現在において,実はプロフェッショナルな麻酔科医が満足できる,周術期の薬物に関する教科書は乏しいのではないでしょうか.このような見地から,《新戦略に基づく麻酔・周術期医学》シリーズの1 冊として,本書『麻酔科医のための周術期の薬物使用法』を刊行することにしました.

本書は,まず各項目の薬物を概説し,次いで薬物の使い分けについて解説していただきました.そして,個々の薬物について,作用機序や実際の具体的な使用方法について,豊富な図表を用いてコンパクトに記述いただきました.幸い,各分野のエクスパートに執筆いただくことができましたので,基礎的な事項から実践的な使用方法まで,初学者にも分かりやすい内容になったと確信しています.そして専門医には知識を整理し,一歩進んだ薬物使用法を学べる教科書になったと自負しています.

麻酔科医が周術期管理を実践するためには,神経・呼吸・循環・免疫・代謝・内分泌などの幅広い知識が必要です.薬理学的視点を軸に,本書が読者の皆さんの日々の周術期管理の一助となることを願っています.


2015 年3 月

信州大学医学部麻酔蘇生学教室教授
川真田樹人

目次

1章 前使用薬物

1-1 術前使用薬の周術期使用の原則 (稲田英一)

 1 基本原則

 2 突然の中止によりリスクが増す薬物

 3 術前使用薬の継続が危険である薬物

 4 状況や病態により中止や継続の判断が異なるもの

 5 一般的に投与を継続する薬物

 6 術前使用薬物に応じた対応

1-2 降圧薬 (原 哲也)

1 Ca 拮抗薬

2 ARB/ACE 阻害薬

3 利尿薬

4 β遮断薬

5 α遮断薬

6 抗アルドステロン薬

1-3 糖尿病治療薬 (江木盛時)

 1 術前の経口糖尿病薬

 2 インスリン皮下注射薬

 3 糖尿病患者における術前血糖管理 

1-4 気管支拡張薬 (落合亮一)

 1 種類

 2 作用機序

 3 薬物動態

1-5 ステロイド (津崎晃一)

 1 糖質コルチコイド

 2 副腎皮質不全

 3 ステロイドカバーの実際

1-6 抗てんかん薬 (熊澤昌彦,飯田宏樹)

 1 抗てんかん薬の作用機序

 2 抗てんかん薬の併用薬物への影響

 3 麻酔関連薬物のてんかんへの影響

 4 周術期の投薬管理

 5 てんかん患者の全身麻酔管理

1-7 向精神薬 (平木照之,牛島一男)

 1 抗うつ薬

 2 抗精神病薬

 3 抗パーキンソン病薬

1-8 抗凝固薬,抗血小板薬 (斉藤仁志,森本裕二)

 1 静脈血栓塞栓症の予防について

 2 周術期における抗血栓薬の休薬期間について

2章 麻酔薬,麻酔関連薬

2-1 オピオイド

 周術期におけるオピオイドの使い方 (福田和彦)

 1 レミフェンタニル (増井健一)

 2 フェンタニル (増井健一)

 3 モルヒネ (河野 崇,横山正尚)

 4 ブプレノルフィン (濱口眞輔)

 5 ペチジン (巻野将平,溝渕知司)

 6 ペンタゾシン (土井克史)

 7 ナロキソン (大久保潤一,垣花 学)

 8 ドキサプラム (大久保潤一,垣花 学 )

2-2 静脈麻酔薬

 静脈麻酔薬,鎮静薬の使い方 (渡部恭大,小板橋俊哉)

 1 プロポフォール (小板橋俊哉)

 2 チオペンタール/チアミラール (三井裕介,肥川義雄)

 3 ミダゾラム/他のベンゾジアゼピン (吉川裕介,山蔭道明)

 4 フルマゼニル (水野 樹)

 5 ケタミン (廣田和美)

 6 デクスメデトミジン (原田浩輝,垣花泰之)

 7 ドロペリドール (平木照之,牛島 一男)

 8 エトミデート (廣田和美)

2-3 筋弛緩薬と関連薬

 筋弛緩薬と拮抗薬の使い方 (北島 治,鈴木孝浩)

 1 ロクロニウム (岩崎 肇,岩崎 寛)

 2 ベクロニウム (磨田 裕)

 3 スキサメトニウム (加藤正人)

 4 ネオスチグミン (前島亨一郎,中塚秀輝)

 5 ネオスチグミン/アトロピン合薬 (前島亨一郎,中塚秀輝)

 6 エドロホニウム (佐藤哲文)

 7 スガマデクス (高木俊一)

 8 ダントロレン (市原靖子,菊地博達)

2-4 吸入麻酔薬

 吸入麻酔薬の使い方 (高橋哲也)

 1 亜酸化窒素 (森本康裕)

 2 セボフルラン (金澤正浩,鈴木利保)

 3 イソフルラン (川口昌彦,新城武明)

 4 デスフルラン (木山秀哉)

2-5 局所麻酔薬

 周術期における局所麻酔薬の使い方 (紫藤明美,齊藤洋司)

 1 リドカイン (小田 裕)

 2 メピバカイン (冨田由紀子,平川奈緒美)

 3 ロピバカイン (大西 毅,馬場 洋)

 4 ブピバカイン (上山博史)

 5 レボブピバカイン (布施谷仁志,川真田樹人)

 6 脊髄くも膜下麻酔用局所麻酔薬 テトラカイン,ブピバカイン (藤原祥裕)

2-6 消炎鎮痛薬,その他の鎮痛薬

 NSAIDs,その他の鎮痛薬使用の考え方 (杉山陽子,飯田宏樹)

 1 COX-1阻害薬 (伊東久勝,山崎光章)

 2 COX-2阻害薬 (伊東久勝,山崎光章)

 3 アセトアミノフェン (川真田樹人)

 4 α2δサブユニットブロッカー (吉村文貴,飯田宏樹)

3章 全身管理薬

3-1 循環作動薬

 周術期における循環作動薬の使い方 (外 須美夫,宮崎良平)

 1 エフェドリン (外 須美夫,宮崎良平)

 2 フェニレフリン (野村 実)

 3 ドパミン (上村裕一,松永 明)

 4 ドブタミン (上村裕一,松永 明)

 5 アドレナリン (野村 実)

 6 ノルアドレナリン (野村 実)

 7 イソプレナリン (谷口正彦,矢野武志,恒吉勇男)

 8 ミルリノン (谷口正彦,恒吉勇男)

 9 オルプリノン (大西佳彦)

3-2 降圧薬/冠拡張薬

 周術期における降圧薬の使い方 (木田紘昌,土田英昭)

 1 ニカルジピン (西和田 忠,川口昌彦)

 2 ジルチアゼム (鈴木健二)

 3 ニトログリセリン (小畑友里江,吉原達也,重見研司)

 4 ニトロプルシド (小畑友里江,重見研司)

 5 ニコランジル (石垣麻衣子,田中 誠)

 6 アルプロスタジルアルファデクス (大瀧 恵,川前金幸)

3-3 抗不整脈薬

 周術期における不整脈と抗不整脈薬の使い方 (中里桂子,古市結富子,坂本篤裕)

 1 アトロピン (高橋伸二)

 2 ランジオロール (中里桂子,古市結富子,坂本篤裕)

 3 ベラパミル (時岡宏明)

 4 プロプラノロール (小出康弘)

 5 ジソピラミド (長崎 剛,西川俊昭)

 6 リドカイン (宮部雅幸)

 7 ジギタリス (長崎 剛,西川俊昭)

 8 メキシレチン (吉田明子,山内正憲)

 9 アミオダロン (田中克哉,堤 保夫)

 10 ニフェカラント (中里桂子,坂本篤裕)

3-4 利尿薬

 周術期における利尿薬の使い方 (新井正康,岡本浩嗣)

 1 フロセミド (持留真理子,杉山由紀)

 2 カンレノ酸カリウム (新井正康,吉野和久,岡本浩嗣)

 3 グリセロール (荻原幸彦,内野博之)

 4 マンニトール (荻原幸彦,内野博之)

 5 カルペリチド (大西佳彦)

3-5 気管支拡張薬

 周術期における気管支攣縮の考え方 (石川輝彦,磯野史朗)

 1 アミノフィリン (大瀧 恵,川前金幸)

 2 ツロブテロール (清水彩里,川真田樹人)

 3 ステロイド (長谷洋和,澤村成史)

3-6 抗痙攣薬

 周術期における痙攣と抗痙攣薬の考え方 (福田秀樹,河本昌志)

 1 フェノバルビタール (鈴木康之)

 2 フェニトイン (歌田浩二,松本美志也)

 3マグネシウム (角倉弘行)

3-7 抗アレルギー薬/ステロイド

 周術期におけるアレルギーと抗アレルギー薬の考え方 (齋藤 繁,高澤知規)

 1 メトクロプラミド (箱�貴大,村川雅洋)

 2 ドロペリドール (五十洲 剛,村川雅洋)

 3 オンダンセトロン (中畑克俊,川股知之)

 4 クロルフェニラミン (坂本成司,稲垣喜三)

 5 ヒドロキシジン (稲垣喜三,坂本成司)

 6 ヒドロコルチゾン (萬家俊博)

 7 メチルプレドニゾロン (矢田部智昭,横山正尚)

 8 デキサメタゾン (簗瀬 賢,白神豪太郎)

3-8 抗血小板薬

 周術期における止血機能の考え方 (石田祐基,西脇公俊)

 1 アスピリン (香取信之)

 2 チクロピジン (中嶋康文,中山力)

 3 クロピドグレル(プラスグレル) (中嶋康文,中山力恒)

 4 シロスタゾール (川島信吾,佐藤重仁)

 5 ジピリダモール (川島信吾,佐藤重仁)

3-9 抗凝固薬,血栓溶解薬

 周術期における凝固機能の考え方 (香取信之,森� 浩)

 1 ヘパリン (萬 知子)

 2 低分子量ヘパリン(エノキサパリン) (北口勝康)

 3 フォンダパリヌクス (黒岩政之)

 4 ダナパロイド (藤田喜久)

 5 アルガトロバン (奥田泰久)

 6 ワルファリン (槇田浩史)

 7 プロタミン (槇田浩史)

 8 アルテプラーゼ (萬 知子)

 9 モンテプラーゼ (井上聡己)

4章 輸液,輸血

4-1 補充輸液

 周術期における輸液の考え方 (宮尾秀樹)

 1 生理食塩液 (宮尾秀樹)

 2 乳酸リンゲル液 (小竹良文)

 3 酢酸リンゲル液 (横瀬真志,後藤隆久)

 4 重炭酸リンゲル液 (横瀬真志,後藤隆久)

 5 アルブミン (小森万希子)

 6 HES製剤 (小竹良文)

 7 維持輸液製剤 (西田 修)

4-2 輸血

 周術期における輸血の考え方 (森松博史)

 1 赤血球液 (玉井佳子)

 2 新鮮凍結血漿 (玉井佳子)

 3 濃厚血小板 (玉井佳子)

 4 クリオプレシピテート (藤田公彦,多田羅恒雄)

5章 抗菌薬

5─1 抗菌薬

 周術期における感染症学と抗菌薬・消毒薬 (志馬伸朗)

 1 アンピシリン (甲田賢一郎,北村享之)

 2 スルバクタム (甲田賢一郎,北村享之)

 3 ピペラシリン (岡安理司,大嶽浩司)

 4 タゾバクタム・ピペラシリン (岡安理司,大嶽浩司)

 5 セファゾリン (松本 聡,松本美志也)

 6 セフトリアキソン (山本拓巳,飯田宏樹)

 7 セフェピム (原 哲也)

 8 メロペネム (宮部雅幸)

 9 アミカシン (斉藤仁志,森本裕二)

 10 シプロフロキサシン (落合亮一)

 11 バンコマイシン (坂口嘉郎)

6章 抗ウイルス薬,抗真菌薬

6-1 抗ウイルス薬,抗真菌薬

 周術期における抗ウイルス薬,抗真菌薬の使い方と実際 (佐和貞治)

7章 周術期,ICUにおける栄養

7-1 周術期,ICUにおける栄養

 周術期,ICUにおける周術期の輸液,栄養サポートの考え方 (吉村真一朗,祖父江和哉)

 1 輸液製剤 (吉村真一朗,祖父江和哉)

 2 糖液 (澤田麻衣子,�平夏子,橋本 悟)

 3 アミノ酸製剤 (澤田麻衣子,�平夏子,橋本 悟)

 4 脂質 (澤田麻衣子,�平夏子,橋本 悟)

 5 経腸栄養製剤 (坂口嘉郎)

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書籍情報

  • ISBN:9784521737126
  • ページ数:544頁
  • 書籍発行日:2015年4月
  • 電子版発売日:2021年3月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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