• m3.com 電子書籍
  • 麻酔科医のための循環管理の実際《新戦略に基づく麻酔・周術期医学》

麻酔科医のための循環管理の実際《新戦略に基づく麻酔・周術期医学》

  • ページ数 : 320頁
  • 書籍発行日 : 2013年5月
  • 電子版発売日 : 2021年4月14日
13,200
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 240pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

麻酔科医にとって重要な周術期の循環管理に焦点を当て,術前評価,術前使用薬,麻酔薬の選択,術中のモニター,術後のリハビリなどについて,最新のエビデンスを盛り込みながら分かりやすく解説.また,周術期管理に必須の経食道心エコーやIABPの活用法なども取りあげた.アドバイス,トピックス,コラムのほか,サイドスペースに注釈も加え,現場で役立つ情報を満載した.

あわせて読む → 「新戦略に基づく麻酔・周術期医学」シリーズ

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版

序文


《新戦略に基づく麻酔・周術期医学》シリーズの一冊として,『麻酔科医のための循環管理の実際』の編集に携わった.このシリーズはタイトルにもあるように新戦略をキーワードとしている.すなわち,できるだけ最新のエビデンスを取り入れ,麻酔科医にとって日常臨床に必要な周術期医学をコンパクトにまとめることを編集の基本とした.とくに専門医を目指す若手の麻酔科医にとって,重要項目を理解しやすいようにエッセンスを簡潔な文章でまとめている.また図表を充実させ,必要に応じてトピックスの項目をつけるなど,内容を整理しやすい工夫にも心がけた.また,忙しい臨床業務の中で必要な章だけを読んでも,前後の章に関係なく理解できるように編集している.

さて,本書『麻酔科医のための循環管理の実際』は,麻酔・周術期医学において最も重要な項目の一つである循環管理に焦点を当てている.一気に加速する高齢化社会の到来とともに,今後も高齢者の手術が増加する一方である.術前からの循環系合併症は麻酔・周術期管理で最も注意を要する項目である.術前評価,術前の併用薬,麻酔薬の選択,術中のモニター,術後のリハビリとその要点を本書では順次まとめている.

対象症例のハイリスク化とともに,医療技術の革新も驚くべきスピードで進歩している.循環系作動薬の開発,循環系モニターの進歩,循環補助装置や診断技術の革新,そして麻酔法そのものがエビデンスに基づき日進月歩する時代である.そのような進歩に遅れをとらないように,編集項目にも配慮した.たとえば,麻酔科医が周術期管理で必須となる経食道心エコーやIABP,ペースメーカーなども項目としてあげ,最新のロボット手術の話題も提供している.

社会情勢の変化に伴い,欧米では術後回復能力強化プログラムであるEnhancedRecovery After Surgery(ERASⓇ)の重要性が認知されているが,わが国においても麻酔科学会を中心に周術期管理チームの重要性が大きく取り上げられつつある.麻酔科医の仕事は単に手術室で術中管理をする単独の医師の時代から,術前・術中・術後の周術期医学をトータルに管理するチーム医療の中心的役割に変わりつつある.本書は,そのような観点からも新戦略に基づいた情報をコンパクトな一冊としてまとめている.是非,皆さまの臨床の傍らに常に置いて頂ける一冊となれば,編者としてはこの上ない幸せである.


2013年4月

高知大学医学部麻酔科学・
集中治療医学講座教授
横山正尚

目次

1章 術前の体液管理

1-1 術前経口補水の考え方

 1 日本の術前絶飲食ガイドライン

 2 術前経口補水療法

 3 術後回復能力強化プログラム

 4 術前経口補水,術前経口炭水化物摂取の適応

1-2 術前輸液管理の考え方

 1 術前輸液の目的

 2 術前輸液の実際

 3 栄養の観点から見た術前輸液管理

2章 術前使用薬剤の管理

2-1 術前の循環器系薬剤

 1 内服薬の薬物動態

 2 内服薬をどうするべきか

 3 各種循環器系薬剤の管理

2-2 術前の抗凝固薬

 1 抗凝固療法の適応

 2 抗凝固薬の作用機序と副作用

 3 AT依存性抗凝固薬

 4 AT非依存性抗凝固薬

 5 今後の抗凝固薬開発

2-3 術前のスタチン治療

 1 周術期スタチン投与のさまざまな効能

 2 スタチンの副作用

 3 周術期スタチン投与の実際と今後の展望

3章 合併する心疾患のリスク評価と術前準備

3-1 虚血性心疾患

 1 術前心評価

 2 術前検査と術前治療

3-2 心臓弁膜症

 1 術前評価のポイント

 2 術前に治療が必要な病変は?

 3病態生理と管理のポイント

3-3 心筋症

 1 心筋症とは

 2 心筋症の病態:拡張型心筋症・肥大型心筋症を中心に

 3 各心筋症の術前評価

 4 麻酔計画

3-4 不整脈

 1 術前のリスク評価対象となる不整脈

 2 不整脈疾患の麻酔管理

3-5 心臓ペーシングデバイス装着患者

 1 ペーシングデバイスの特徴

 2 心臓ペーシングデバイス装着患者への対応

4章 術中輸液・輸血の考え方

4-1 術中の循環生理:適切な術中輸液を行うために

 1 輸液の適正化の重要性

 2 輸液反応性(輸液適正化の指標)

 3 輸液を行う前に輸液反応性を評価する利点

 4 中心静脈圧(CVP)は輸液反応性の指標にならない

 5 輸液反応性の指標としての呼吸性変動

 6 呼吸性変動の指標の閾値

 7 呼吸性変動が有効な指標とならない状況

 8 minifluid challenge

 9 下肢挙上テスト

 10 輸液反応性を評価する際の注意点

4-2 Early Goal-Directed Therapyに基づいた輸液管理

 1 従来の輸液管理と最近の動向

 2 従来の輸液管理で起こる問題点とEGDTへの移行

 3 輸液管理の指標

 4 British Consensus Guidelines on Intravenous Fluid Therapy for Adult Surgical Patients(GIFTASUP)

 5 モニタリングからの1回拍出量や前負荷の推定

 6 酸素化の指標:酸素摂取率

 7 liberal対restrictive fluid therapy(high 対low volume replacementtherapy)

 8 輸液剤の選択:HES 製剤の有用性と副作用

4-3 アルブミン輸液の意義

 1 アルブミンの生理学的特徴

 2 臨床研究から評価するアルブミン製剤の意義

4-4 新しいHES 製剤は輸液管理を変えるか?

 1 HESの性質と種類

 2 膠質液の大規模スタディについて

 3 手術中のVolume Therapy

4-5 輸血製剤の使用法

 1 輸血の開始と終了を判断するための知識

 2 大量出血時の対応

 3 同種血輸血を回避・減少させる工夫

 4 急性輸血関連合併症(acutetransfusion reaction:ATR)

5章 術中モニタリングのup-to-date

5-1 循環モニタリングとは?

 1 循環とは?

 2 循環モニタリングの意義

 3 モニタリングの実際

 4 モニタリングの適応

 5 モニタリングの限界

5-2 経食道心エコーの活用法:有効に使いこなすために

 1 TEE の特徴

 2 モニタリングの原則

 3 体系的に考える

 4 血圧低下の機序とTEE診断

 5 TEEによる冠動脈評価

 6 肺動脈カテーテルとTEE

5-3 肺動脈カテーテルの是非

 1 PAC の是非:多施設研究によるエビデンス

 2 PAC の有用性と問題点

5-4 循環管理の新たな指標と可能性

 1 目標指標型循環管理(GDT)とモニタリング

 2 これまでの循環管理指標の利点と欠点

 3 新しい循環管理指標

6章 麻酔方法と循環管理の考え方

6-1 麻酔薬選択へのヒント

 1 日本の人口動態統計から示されること

 2 高齢化に伴う薬理学的・生理学的変化

 3 揮発性麻酔薬による心筋保護について

 4 非心臓血管外科手術における心筋保護作用

 5 再潅流傷害への新たなアプローチとは?

6-2 区域麻酔の利点と欠点

 1 区域麻酔の利点

 2 区域麻酔の欠点

6-3 オピオイドの上手な使い方

 1 オピオイド使用の戦略

 2 頻用されるオピオイドの種類と薬理学的特徴

 3 実際の使用法

6-4 循環作動薬の上手な使い方

 1 カテコラミン受容体

 2 交感神経作動薬

 3 その他の血管収縮薬

7章 心血管手術の循環管理のコツ

7-1 off-pump CABG

 1 冠動脈病変や術前合併症と手術予後

 2 周術期循環管理のコツ

7-2 人工心肺下心臓手術

 1 人工心肺開始前の管理

 2 人工心肺中の管理

 3 人工心肺離脱時の管理

 4 人工心肺離脱後の管理

7-3 心臓大血管手術

 1 心臓大血管手術の周術期における循環変動の要因

 2 心臓大血管手術における周術期管理の特性:重要臓器に対する保護

 3 心臓大血管手術における全身循環を考慮した循環管理:血圧・血流

7-4 ロボット心臓手術

 1 da Vinci(R)とは

 2 da Vinci(R)心臓手術の実際

 3 da Vinci(R)心臓手術の特殊性

 4 各da Vinci(R)心臓手術の特徴および進行

8章 術後循環管理の実際

8-1 術後循環動態指標の解釈と対応

 1 動的指標による循環血液量の評価

 2 混合・中心静脈血酸素飽和度による輸液・循環管理

8-2 心エコーの活用方法

 1 出血のチェック

 2 acute syndromeのチェック

 3 心房細動のチェック

 4 既往歴に関連した合併症

 5 緊急手術の術後

 6 IABP挿入時のガイド

 7 PCPS送脱血管挿入のガイド

8-3 術後の不整脈の原因と対策

 1 術後の不整脈の特徴

 2 術後の不整脈の原因

 3 術後の不整脈の治療

 4 抗不整脈薬

8-4 人工呼吸と循環

 1 呼吸と循環の相互作用

 2 術後人工呼吸患者の循環管理

8-5 IABP の適応と限界

 1 IABPの特徴

 2 IABPの管理

8-6 PCPSの適応と限界

 1 PCPSの適応

 2 PCPSの禁忌

 3 PCPSの管理

 4 開心術後のPCPSの特徴

 5 PCPSからの離脱

 6 PCPSの合併症

 7 PCPSの限界

8-7 心臓リハビリテーション

 1 心臓リハビリテーションの位置づけ

 2 心臓血管外科術後心リハを取り巻く環境

 3 周術期における心リハの役割と実際

 4 周術期における心リハおよび運動療法の効果

 5 周術期における心リハの注意点・留意点

 6 周術期心リハの今後

9章 術後痛と循環

9-1 術後痛の循環系に与える影響

 1 手術と全身のストレス反応

 2 手術ストレス反応に対する麻酔の影響

 3 手術ストレスと予後

9-2 術後に使用する鎮静・鎮痛薬が循環に与える影響

 1 術後患者の循環動態の変化

 2 術後に使用する鎮静・鎮痛薬が循環に与える影響

索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:21.1MB以上(インストール時:50.9MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:84.4MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:21.1MB以上(インストール時:50.9MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:84.4MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784521737089
  • ページ数:320頁
  • 書籍発行日:2013年5月
  • 電子版発売日:2021年4月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。