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- モダンフィジシャン 39-3 長引く痛みに向き合う
商品情報
内容
患者から寄せられる「慢性的な痛み」の訴えにどう対応していますか?
本号ではそんな痛みの特徴と本質を、各部位のエキスパートが解説してくれます。さらに、交通事故による痛みや労務災害など心理社会的な問題も紹介。 この1冊で臨床で役立つ慢性痛の知識が理解できます!
非常にわかりやすいと定評のある臨床雑誌
「一般臨床医の方にも、専門的な事柄や最新の知見などをわかりやすく」をモットーに制作している内科系総合雑誌です。
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序文
巻頭言
1992年に国際疼痛学会は痛みを"組織の実質的あるいは潜在的な障害に伴う,あるいは,そのような障害を表す言葉で表現される不快な感覚あるいは情動体験"と定義している.
しかし,痛みはわれわれを古くから苦しめてきた問題であり議論もされてきた.古代,アリストテレスは知覚が強く血管に沿って心臓につながると"痛いという情緒"が生じると述べており,痛みは感覚でなく情動として捉えていたと伝えられている.実際,長引く痛みである慢性痛は無意識的に不安になったりしつつ,痛みを避ける行動や疼痛を顕示するなどの疼痛行動を引き起こし,本人の体の不調が持続・増悪していく悪循環を生じる.一方,治療方法などについて見てみると鍼が紀元前5,000年から使われていたということ,アヘンも紀元前から用いられたという記録がある.痛みを精神のほうから治療し克服しようとしたアプローチも紀元前に遡る.これは古代ギリシャなどで痛みが情緒などとして捉えられていることを考えると納得できるものであろう.
しかし,比較的新しい西洋医学の歴史は生物医学モデル(痛みには何かしら生物学的な原因がありそれが解決できれば痛みが改善する)を主軸に進められてきた.消炎鎮痛剤の開発,神経除圧術,関節手術など多種多様な成功例があり現在進行系で進歩している.しかし,これらでも依然として痛みが残存することが明らかにされており,20世紀半ばにBonicaらは長引く痛みは単に体の器質的な問題に留まらず"生物心理社会的"な問題として捉えていく必要があるという観点から集学的な痛みアプローチを開始した.
この20年,医療はEvidence Based Medicine(EBM)に大きくシフトしてきた.痛みについてもEBMの導入が行われ研究やガイドラインの作成に導入されてきている.しかし,痛みは常に主観的な感覚と情動の体験であり,絶えずContextに大きく影響される事象であるため診断や治療を進めるうえでNarrative Based Medicine的な考え方の導入は必須である.また,これまでの人類の歴史で長く積み重ねてきたものについてはさまざまに学ぶところが多いのも事実である."古いものと新しいもの","器質的な分析と精神的な要素の関与"などを融合させて学ぶ必要もあろう.今回,"長引く痛みに向き合う"ということをテーマにわれわれがしばしば経験する慢性の痛みについてエキスパートの先生方に纏めていただいた.ぜひとも,ご活用頂き今後の診療の参考にしていただければ幸いである.
愛知医科大学医学部学際的痛みセンター
牛田 享宏
目次
《長引く痛みをどうとらえるか》
1.長引く痛み(慢性痛)の疫学
2.慢性腰痛はどうして続くのか―プライマリケアに必要な総合診断能力―
《それぞれの痛みにどうつきあうか》
1.歯科で診る慢性痛
2.片頭痛と緊張型頭痛
3.Enthesopathyという考え方とテニス肘
4.肩こりを科学する
5.変形性膝関節症:要因と対応7
6.労務災害と慢性痛
7.線維筋痛症の概念と治療
8.骨粗鬆症と腰痛,圧迫骨折
9.腰椎椎間板ヘルニア―椎間板性腰痛について―
10.足の痛み
11.リウマチの痛み
12.肩関節周囲炎(凍結肩)
13.性ホルモンと痛み
14.交通事故の痛みと慢性化―外傷性頸部症候群を中心に―
15.脊柱管狭窄症
16.糖尿病性神経障害と痛み
私の処方
淋菌性尿道炎
アルコール依存症における抗酒剤
非代償性肝硬変に伴う難治性腹水
診療の秘訣
高齢者CKDの降圧目標はどうする?
アルコール問題がある人への対応
精査を依頼されてやっていること
依存症の患者を持つ家族も元気にすることを心掛ける
心臓リハビリテーション
有酸素運動(運動指導含む)
診療のエッセンス
認知症の診断とともに患者さんに伝えたいこと
援助職の人々との協働に際して伝えたい言葉
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書籍情報
- ISBN:9784001003903
- ページ数:102頁
- 書籍発行日:2019年3月
- 電子版発売日:2019年3月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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