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- モダンフィジシャン 39-6 実践!ペイン・リハ 慢性疼痛治療の変革
商品情報
内容
実践!ペイン・リハ 慢性疼痛治療の変革
脳内メカニズムの研究に基づいた慢性疼痛医療のリハビリテーションに注目が集まっています。豊富なテーマから多角的にペイン・リハと向き合います。
非常にわかりやすいと定評のある臨床雑誌
「一般臨床医の方にも、専門的な事柄や最新の知見などをわかりやすく」をモットーに制作している内科系総合雑誌です。
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序文
巻頭言
慢性疼痛は,わが国において有訴率15〜20%程度と報告されており,決して見過ごすことのできない国民病といえる.しかしながら,慢性疼痛有訴者の受診率は低い,つまり,慢性疼痛だけを動機として受診することは少ないようである.よって,われわれ医療者は何らかの疾病に併発する慢性疼痛に対峙することになることから,いずれの診療科においても対応を求められる共通症状・病態が慢性疼痛といえる.
では現在,慢性疼痛医療はどのようなステージに立つのか.
21世紀に入り,慢性疼痛の病態解明はずいぶんと進み,それに伴って慢性疼痛治療も大きな変革を遂げた.変革の核心は,医療全体の概念変化とペイン・リハビリテーション(ペイン・リハ)領域での潮流変化である.慢性疼痛をはじめさまざまな疾患に対する医療概念は,患者が受け身で医療者が施す「医療者主導型医療」から,患者が主体的に参加・行動する「患者主動型医療」に変化してきた.つまり,従来の薬物療法や神経ブロックなどの「生物医学的治療」だけではさまざまな要因が複雑に絡み合う慢性疼痛の悪循環を断ち切れないことから,運動療法や認知行動療法(CBT)などの非侵襲・非薬物治療としてペイン・リハが注目されるようになった.一方,ペイン・リハ領域ではこの20年近くで新たな流れが生まれた.2010年代に入り,運動療法は慢性疼痛の第一選択治療として位置づけられるようになり,今では疼痛医療に携わる医療者には広く周知されるようになっている.しかし,一方で,一般的な運動療法("筋トレ")を単独で実施しても効果が小さく,モーターコントロールエクササイズ(MCE)や太極拳,ヨガが推奨され,さらに,心理療法・行動科学的アプローチではCBTや集学的リハに加え第3世代のCBTともいわれるマインドフルネスやストレス低減法が追加推奨されるようになり,新たな指針や知見が示されるようになってきた.このような流れを受け,ペイン・リハでは患者の主体性を重要視し,かつ,運動療法に教育や心理療法・行動科学的理論を組み合わせることで相乗的に効果を高めようとする取り組みがなされている.このような変革により,発展を遂げた慢性疼痛治療とペイン・リハの最新情報を内科系の先生方にいち早く臨床導入・活用していただくべきこのタイミングで,本特集号が編集・発刊されることの意義は非常に大きいと考える.
本特集は,内科系雑誌でこれまでほとんど取り上げられてこなかった慢性疼痛とリハに焦点をあて,特に臨床現場ですぐに役立つよう,以下の3本柱にコモン・ディジーズだからこそ"いまさら聞けない"Q&Aを加え,それぞれの専門家の方々に執筆依頼した.
本書は,慢性疼痛の基礎と病因・病態メカニズム→評価→治療の流れで構成されている.「知っておきたい疼痛学の基礎」では,疼痛の定義・分類および慢性疼痛の病因として不活動や心理社会的因子,脳内メカニズムについてまとめていただいた.「ペイン・リハ実践:評価編」では,質問紙からみえることと,定量的感覚検査や生理検査,身体活動などの計測評価に分けて解説していただいた.「ペイン・リハ実践:治療編」では,ペイン・リハで変化・改善が期待できる脳内メカニズム,わが国で初めて発刊された慢性疼痛治療ガイドラインのペイン・リハ部門について大観し,運動療法,患者教育・教室,物理療法,ニューロリハ,さらにペイン・リハに取り入れたいCBT(第2世代,第3世代)の意義・位置づけと有効性,効果メカニズムについて解説していただいた.
「ペイン・リハ実践:コモン・ディジーズQ&A」では,日常臨床でよく遭遇する慢性疼痛を部位と疾患別に整理し,頸部痛,腰痛,脊椎圧迫骨折,膝関節痛,肩関節痛,複合性局所疼痛症候群(CRPS),脳卒中後疼痛,繊維筋痛症,高齢者の痛みを取り上げ,診療ポイントについてまとめていただいた.
本特集号は,ペイン・リハの新たな視点から最新知見をまとめたものである.慢性疼痛の診療にかかわる医師ならびに多職種医療者に,ペイン・リハの現在の潮流を大観し,実際の診療現場で実践・活用していただけるよう配慮し編集した.内科系,外科系を問わず,多くの医療者が慢性疼痛の克服と適切な医療の提供をめざして,本特集号がペイン・リハと疼痛医療の発展に貢献できることを心より願う.
神戸学院大学総合リハビリテーション学部
松原 貴子
目次
《知っておきたい疼痛学の基礎》
1.疼痛の定義,分類
2.慢性疼痛の病因① 不活動による疼痛発生のメカニズム
3.慢性疼痛の病因② 脳内メカニズム
4.慢性疼痛の病因③ 心理社会的因子・イエローフラッグによる難治性メカニズム
《ペイン・リハ実践:評価編》
1.ペイン・リハにおける評価① 質問紙からみえること
2.ペイン・リハにおける評価② QST,生理検査,身体活動評価
《ペイン・リハ実践:治療編》
1.ペイン・リハが奏効する脳内メカニズム
2.慢性疼痛治療ガイドラインを大観する ―わが国の慢性疼痛リハを考える―
3.運動療法:運動処方とアドヒアランス
4.患者教育,慢性痛教室
5.物理療法
6.ニューロリハビリテーション
7.ペイン・リハに活用したい認知行動療法(第2世代)
8.ペイン・リハに活用したい第3世代認知行動療法:マインドフルネス
《ペイン・リハ実践:コモン・ディジーズQ&A》
1.頸の痛みについて教えてください ―頸椎症から外傷性頸部症候群(WAD)まで―
2.慢性腰痛について教えてください ―非特異的腰痛からFBSSまで―
3.脊椎圧迫骨折の疼痛病態とリハ(治療)について教えてください
4.膝関節痛について教えてください
5.肩関節痛について教えてください
6.複合性局所疼痛症候群(CRPS)のリハビリテーションについて教えてください
7.脳卒中後疼痛の疼痛病態とリハ(治療)について教えてください
8.線維筋痛症について教えてください
9.高齢者の痛みについて教えてください
■私の処方■
柴胡加竜骨牡蛎湯の効果
妊娠中の循環器治療薬
身体にやさしい薬
入院中または施設入所中の嚥下障害のある患者
■診療の秘訣■
非眼科専門医による点眼薬処方
2型糖尿病患者へのインスリン導入
【病於】血を治すと,「困った!」が治るかも
大きく変わった糖尿病薬物療法のエッセンス
■投稿論文■
当老健施設における抗凝固療法の現状 ―DOAC時代を迎えて―
■心臓リハビリテーション■
心臓リハビリテーションにおける薬剤師の役割
■認知症の診断とともに患者さんに伝えたいこと■
病棟で働く看護師に伝えたい言葉
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書籍情報
- ISBN:9784001003906
- ページ数:200頁
- 書籍発行日:2019年6月
- 電子版発売日:2019年6月5日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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